Last-modified: 2023-01-30 (月) 16:08:53 (9h)

【戦闘機】(せんとうき)

Fighter.

航空機撃墜を主任務とする軍用航空機

目標自体が高速で飛行するため、それを上回る高い運動性と最高速度を要求される。
その事がペイロード航続距離に深刻な影響を与えるため、継戦能力は低い。
従って、攻勢対航空作戦では地上施設を破壊するために攻撃機爆撃機の帯同が望ましい。

非効率ではあっても攻撃自体は可能なため、兵站調整が困難な場合は戦闘機のみでの対地攻撃もしばしば強行される。
奇襲に遭遇した場合、戦力を損耗している場合、航空母艦である場合など、他に選択の余地がない事例も多い。
近年のマルチロールファイターもそうした実情を踏まえた上で設計されている。

関連:機体命名法 支援戦闘機 戦闘攻撃機 戦闘爆撃機 甲戦 乙戦 丙戦 夜間戦闘機

第一次世界大戦の戦闘機

飛行機はその黎明期、軍では偵察機として運用されていた。
しかし敵味方の偵察機が遭遇すれば戦闘に陥るのも必然であり、武装が施された。
そうして生まれたのが史上初の戦闘機である。

やがて航空戦線は規模を拡大し、数十機撃墜したエースも数多く誕生している。

この頃の戦闘機は機体構造ひとつとっても単葉機から三翼機まで多彩な試行錯誤の繰り返しであった。
材質は木製のフレームにを張ったものが多かった。
武装は機関銃が主で、同調装置が発明されるまでは機銃の配置にも色々なものがあった。

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ソッピース キャメル
Photo :Royal Airforce

第二次世界大戦の戦闘機

バトルプルーフの集積で設計思想は収斂され、設計はやがて似通っていった。
これ以降、金属製で単葉引き込み式主脚が戦闘機の基本構造となっている。

第二次世界大戦では航空任務が対地攻撃にも拡充され、航空優勢の重要性が認識されはじめた。
欧州では航空基地を巡り、また太平洋では航空母艦によって、それぞれ熾烈な空戦が繰り広げられた。

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零式艦上戦闘機二一型
Photo: U.S.Navy

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スピットファイア
Photo: Royal Airforce

第1世代ジェット戦闘機

1940〜50年代頃から運用が開始された初期の機種を指す。
第二次世界大戦末期のドイツにおいて、世界で最初のジェットエンジン推進式の戦闘機が実用化された。
その事で大戦の趨勢が覆る事はなかったが、戦後の航空技術の進歩に与えた影響は大きい。

戦後、ジェットエンジンは急速に普及し、戦闘機分野におけるレシプロエンジンを過去のものとした。
当時はまだ推力の非常に小さいものであったが、推進効率は従来のプロペラを凌駕、飛躍的に速度性能が向上した。

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F-86F
Photo: USAF

主な機体

第2世代ジェット戦闘機

1950年代以降、ジェットエンジン自体の技術的可能性を追求し、敵よりも速い機体が求められていた世代を第2世代とみなす。
第1世代との線引きは曖昧だが、最高速度が超音速に到達した時点(最古はF-100「スーパーセイバー」)から先を第2世代に分類する事が多い。

音の壁を突破して超音速に到達した事がこの世代において最も顕著な進歩であり、以降の世代においても戦闘機超音速への到達が必須要件となった。

当時のドクトリンでは、単純に最高速度が速い機体ほど空戦にも強いと考えられていた。
これは機関砲による一撃離脱が常套戦術だった時代には概ね正しい認識だったが、空対空ミサイルの登場によって覆される事になる。

主な機体

第3世代ジェット戦闘機

多くが1960年代に登場、火器管制用レーダーおよび空対空ミサイルを搭載し、目視外射程戦闘に対応可能な機種を指す。

冷戦中期の代理戦争、もっぱら中東戦争ベトナム戦争などの戦訓がこの世代を特徴付けている。
レーダーを妨害するECMをはじめ、空中での電子戦もこの頃から始まった。

同時期、ミサイル万能論の影響により、空対空ミサイル以外の武装をしない戦闘機(ミサイリアー)も多数登場している。
しかし、ベトナム戦争での戦訓により、ミサイリアーの実現は時期尚早と判断され、再び機関砲が搭載されるようになった。

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F-4E
Photo: USAF

主な機体

第4世代ジェット戦闘機

主に1980年代以降、空対空ミサイルが普及した戦場において生存性を追求した機種をジェット戦闘機の第4世代とみなす。

根幹にあった課題は回避機動のための推力向上と、高い推力を活かすための運動性であったが、これは大きな副産物を伴っていた。
ドッグファイトにも対応できる運動性と共に、改修に対応する拡張性、大量の装備追加を可能とする高出力のエンジンがこの世代を特徴付けている。
また、装備変更の自由度が増した事で割り当てられる任務自体も多様化し、戦闘機は偵察機攻撃機と兼用可能なマルチロールファイターへと変遷していった。

対空戦闘の様式も技術力の発展から、かつてのミサイリアーのように戦闘が目視外射程で終了することが増えた。
それでも、ベトナム戦争の戦訓から機関砲は半ば必須装備となっている。

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Su-30
Photo: USAF

主な機体

第4.5世代ジェット戦闘機

第4世代後期のマルチロールファイターの中でも、第5世代戦闘機相当のアビオニクスをもつ機体を「第4.5世代戦闘機」と呼ぶ場合がある。

第5世代に求められる性能要件のうち、ステルス性とSTOVLを除いては第4.5世代による代替が現実的に可能である。
加えて、第4世代の部品・設備・既存機体を転用可能なため、費用については純正の第5世代戦闘機よりも経済的である。
このため、多くの国家は近未来の戦略として第4.5世代戦闘機を運用する事とし、第5世代戦闘機の開発・導入を見送っている。

第5世代以降の研究開発が順調に推移した場合、第5世代への移行が遅れた国家は軍事的劣勢に陥るだろう。
一方で、第5世代戦闘機は金の壁に直面して頓挫し、戦闘機の進歩は停滞するのではないか、という悲観的(楽観的)予測もある。

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JAS-39 グリペン
Photo: SAAB

主な機体

第5世代ジェット戦闘機

第5世代における課題は、爆発的に進歩したコンピュータネットワークを戦術に組み込む事にある。
これを実現し、更にC4ISRの構成要素としてリアルタイムで友軍と連携する機種を第5世代とみなす。

第5世代戦闘機は敵を攻撃するミサイルプラットフォームであると同時に、敵地に侵入してセンサーフュージョンで敵情を伝える偵察機でもある。
また、味方に情報を伝えつつ敵に自機を発見させず、情報を与えないためのステルス性能が求められる他、情報を伝え続けるための生存性・稼働率も要目となっている。

戦闘機の開発費用は世代を経るごとに高騰の一途を辿っており、第5世代に至っては先進国でも耐え難い規模に達している。
このため、ヨーロッパにおける航空先進国(イギリス・フランス・ドイツ・イタリア・スウェーデンなど)は第5世代ジェット戦闘機の自国開発を断念している。

主な機体


添付ファイル: filespt.jpg 1893件 [詳細] filesu2277.jpg 1955件 [詳細] filegripen.jpg 2660件 [詳細] filef44.jpg 1937件 [詳細] filecml.jpg 2125件 [詳細] filea6m2.jpg 2104件 [詳細] file86.jpg 1901件 [詳細]

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