Last-modified: 2023-10-09 (月) 20:21:14 (201d)

【ターボチャージャー】(たーぼちゃーじゃー)

Turbocharger (Turbosupercharger).

レシプロエンジンにおける過給器の一種。
「ターボ」「排気タービン式過給器(排気タービン過給器)」とも呼ばれる。

20世紀半ばまではスーパーチャージャーの一種であると考えられていたため、「ターボスーパーチャージャー」と呼ばれる場合もあった。

放出する前の排気ガスの運動エネルギーでタービンブレードを回す(この機構は排気タービンと呼ばれる)ことで発生するトルクを利用し、圧縮空気を吸入する装置。
主に排気量を増やさず大出力を得るため、または低圧環境で出力を維持するために用いられる。

過給器の中でも構造は単純ながらタービンブレード等が非常に加熱され、大きな圧力もかかるため十分な耐久性のある耐熱合金が必要となる。

スーパーチャージャーと比較して、エンジン出力の機械的損失が減り、緩衝装置も不要であるために軽量である。排気音が小さくなるという利点もある。

20世紀序盤に実用化、主に船舶の動力に使用されたほか、航空機においては、第一次世界大戦の直後に航空機搭載の研究がアメリカで盛んとなっていた。
技術の蓄積により、のちの第二次世界大戦直前にはアメリカ陸軍航空隊P-38P-47戦闘機B-17爆撃機等、ターボチャージャー搭載の実用航空機が生まれた。

これらの機種は、低圧環境のためエンジンの能力が低下しやすい高高度でも高い性能を発揮、大戦中の航空戦で活躍した。
ただし、冷却機関であるインタークーラーの大型化などから、搭載機は同時期の他機体と比較して大型、大重量化する傾向にあった。
一方、イギリスは戦間期には開発を放棄、ドイツ、日本、ソ連は大戦中に試作のみとなっている。

関連:スーパーチャージャー


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