【ロケット弾】 †
外部からの衝撃ではなく、内蔵されたロケットエンジンで飛翔する砲弾。
弾体に安定翼を取り付けるか、排気を螺旋状に噴射して回転しながら飛ぶ事で軌道を安定させる。
ただ安定して飛ぶだけで、高価な電子機器類は内蔵しない。飛翔中に電子制御を行うものはミサイルとして区別される。
装薬の爆発による反動が発生しないため、発射機が極めて軽量安価なのが特徴。
機構のほぼ全てが弾体そのものに内蔵されるため、小型のものであれば多数の発射機を束ねて一斉に発射できる。
例えば、MLRSは一両に12筒の発射機を持ち、その全てを同時発射できる。
しかし、同じ車体に同等の榴弾砲を12連装などしようものなら車体が潰れてしまうだろう。
反面で、弾体を飛翔させるのに大量の燃料を必要とするため、個々の弾は非常に重くかさばる。
少ない装弾数を短時間で撃ち尽くす用途に適するが、継続的に射撃を続けるような任務には不向きである。
本格的な登場は戦間期?で、第二次世界大戦頃には歩兵携行型のものや、航空機搭載型のものが実戦に数多く投入された。
その後も長らく運用され、航空機においてはロケット弾のみを装備する迎撃戦闘機も登場した。
やがて空対空ロケットは終端誘導を実装した空対空ミサイルへと進歩し、発展的解消を遂げていった。
終端誘導システムは総じて高価であるため、量産が必要な歩兵用・制圧射撃用ではミサイルの普及後もロケット弾が広く運用されている。
特に歩兵用のロケット弾は、戦車やトーチカを含めてあらゆる目標に有効な多目的兵器として活用されている。
また、現在でも攻撃機は対地攻撃任務向けにロケット弾を運用する場合がある。
関連:多連装ロケットシステム RPG 成形炸薬弾 榴弾
主なロケット弾 †
※地対地ロケット弾は多連装ロケットシステムを参照。
空対空ロケット弾 †
- 第一次世界大戦時
- フランス
- ル・プリエールロケット弾
- フランス
- 第二次世界大戦時
- 日本
- 三式六番二七号爆弾
- 三式一番二八号爆弾一型
- ソ連
- RS-82
- ドイツ国
- R4M(空対地にも使用)
- 日本
- 第二次世界大戦後
- アメリカ
- Mk.4 FEAR(マイティ・マウス)
- ズーニー・ロケット弾
- AIR-2「ジニー」(核弾頭搭載ロケット弾)
- アメリカ
空対艦ロケット弾 †
- 第二次世界大戦期
- 日本
- 三式二五番四号爆弾一型
- 五式一番九号爆弾一型
- 仮称五式六番九号爆弾
- 日本