【MiG-27】 †
旧ソビエトのミコヤン設計局がMiG-23「フロッガー」をベースにして設計した戦闘爆撃機。
NATOコードは、MiG-23と同じ"
MiG-23の設計当時から開発がスタートしたが、外見も中身もMiG-23とはだいぶ異なり、空対空戦闘能力を大幅に削減した代わりに、空対地攻撃能力が強化された。
1975年に初飛行を行い、1977年からイルクーツク工場で量産を開始した。
MiG-23とMiG-27との違いは、大まかに言うと3箇所ある。
1箇所目はエアインテークで、ランプ?を固定式にした事により機体重量が軽減し,
整備も簡略化出来るようになった。
しかし、固定式にした事により最大速度はマッハ1.7に低下した。
2箇所目は固定式の機関砲で、6砲身のガトリング砲であるGSh-6-30 30mm機関砲を1門搭載し対地攻撃の強化を図った。
ちなみに同じ旧ソビエト製攻撃機であるSu-17「フィッター」もNR-30? 30mm機関砲を2門搭載しているが、Su-17が900発/分に対してMiG-27は4,000発/分と発射速度が向上しており、携行弾数もSu-17より増加している。
3箇所目は電子機器面で、それまでMiG-23B/BN「フロッガー」では測距機能（Kh-23（AS-7「ケリー」）?のみ搭載可能）だけに対し、MiG-27では目標照射もできるレーザー測距儀・多用途テレビセンサー・誘導装置を追加。
それにより、Kh-25（AS-10）?・Kh-58（AS-11）・Kh-25MP/Kh-27PS（AS-12）?・Kh-59「オーヴォト」（AS-13）?・Kh-29（AS-14）・Kh-31（AS-17）?等の空対地ミサイルを搭載出来るようになった。
なお、戦術核爆弾も2発搭載可能である。
また、胴体後部にハードポイントが2ヶ所増設されている。
しかし、重心位置の関係から兵装搭載時は燃料搭載量が制限されるため、あまり使用されない。
なお、一機がアレスティングフックを追加し、艦上機として試験が行われたが、採用はされなかった。
輸出の実績はインド軍・イラク軍のみで、インド軍はMiG-27Mの名称で165機ライセンス生産されたが、イラク軍の方は不明である。
他は本家旧ソ連軍で約910機運用していたが、現在ロシア軍（他のCIS諸国では少数運用）では退役している（又は予備機として保有）。
実戦ではアフガン侵攻?・湾岸戦争・チェチェン紛争?に使用されたが目立った戦果は挙げていない。
Photo:Photo: IAF（Indian Air Force)HP
スペックデータ（MiG-27K） †
| 乗員 | 1名 |
| 全長 | 17.08m/15.35m（機首プローブ除く） |
| 全高 | 5m |
| 翼幅 （後退角72度/16度） | 7.78m/13.97m |
| 主翼面積 （後退角72度/16度） | 34.16��/37.35�� |
| 翼型 | root：TsAGI SR-12S（6.5％）、tip：TsAGI SR-12S（5.5％） |
| 空虚重量 | 11,908kg |
| 総重量 | 20,300kg |
| 最大離陸重量 | 20,300kg |
| エンジン | ツマンスキー? R-29B-300?ターボジェット×1基 |
| 推力 | 78.5kN（17,600lbf）（ドライ） 112.8kN（25,400lbf）（A/B使用時） |
| 最高速度 | 1,885km/h / M1.7（高度8,000m） 1,350km/h / M1.09（海面上） |
| フェリー航続距離 | 2,500km |
| 戦闘行動半径 | 780km 540km（Kh-29×2発、増槽×3基） 225km（Kh-29×2発、外部燃料無し） |
| 上昇率 | 200m/s（39,000ft/min） |
| 実用上昇限度 | 14,000m |
| 翼面荷重 | 605kg/�� |
| 推力重量比 | 0.62 |
| 兵装 | |
| 固定武装 | GSh-6-30 30mmガトリング砲×1門（装弾数260発） またはGSh-23 23mm機関砲×1門（装弾数200発） |
| 兵装搭載量 | 翼下×2ヶ所及び胴体下×4ヶ所、胴体中央部×1ヶ所に最大4,000kgまで搭載可能 |
| AAM | R-60M |
| ASM | Kh-23M（AS-7「ケリー」） Kh-29L/T/D（AS-14「ケッジ」） Kh-59ML「オーヴォトM（AS-18「カズー」）」 |
| ARM | Kh-27PS（AS-12「ケグラー」） Kh-31P（MiG-27K、評価試験のみ） |
| ロケット弾 | S-5、S-8、S-25、S-24 |
| 爆弾類 | FABシリーズ（FAB-100/-250/-500） OFAB-100-120/-250-270 HE爆弾 ZAB-100-175/-250-200焼夷弾 SAB-100/-250-200照明弾 RBK-250/-500クラスター爆弾 KAB-500KR TV誘導爆弾 KAB-500L レーザー誘導爆弾 ODAB-500S/-500P/KAB-500-OD燃料気化爆弾 TN-700/-1000核爆弾（MiG-27Dのみ） |
| その他 | 増槽 |
MiG-27の主な種類 †
- MiG-27 "フロッガーD"：
初期生産型。
- MiG-27M "フロッガーJ"：
攻撃/航法システムを強化し、主翼付け根を延長した型。
- MiG-27D：
初期型をMiG-27Mと同等にアップグレードした型。
- MiG-27K "フロッガーJ2"：
機首下面に新たに広視野型のFLIR及びECM装置を装備した型。
- MiG-27L：
インド空軍向けモデル。
HAL社によってライセンス生産されているMiG-27Mをベースにしているが電子機器はダウングレードされている（インドではMiG-27Mと呼ばれている。ただし、性能はMiG-27級）。
愛称は「バハドゥール（Bahadur：勇者）」。
2016年に退役した。
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