Last-modified: 2017-01-04 (水) 18:11:18 (81d)

【紫電改】(しでんかい)

川西N1K2-J.

大東亜戦争中、日本海軍が運用した局地戦闘機迎撃戦闘機)。
先に開発された「紫電」の不具合の主な原因であった主翼と胴体を再設計した機体で、正式名称は「紫電二一型」である。
連合国軍側のコードネームは「George」*1

具体的には主翼を中翼配置から低翼配置として視界改善と主脚にまつわる不具合を改修し、胴体を延長かつ垂直尾翼を大型化して飛行安定性の向上と抗力の軽減を図った。
また生産性向上の為に部品数を66,000個から43,000個に大幅に減らした。
これらの改修により視界、運動性速度、信頼性が向上し、海軍機中最高の性能を発揮したため、昭和20年1月に制式採用された。

しかし、量産に入ると「」エンジンの不調に泣かされ、稼働率は低調であった。
それでも海軍機の中では高性能な為、海軍は局地戦闘機としてではなく、零戦に替わる主力戦闘機として使う事を考え、各社に大量生産を命じた*2が、空襲と物資不足により400機程度の生産にとどまった。

大戦末期、本機とともに紫電雷電を装備した「第343海軍航空隊(三四三空・通称『剣部隊』)」は有名である。

余談だが、かの有名な養毛剤「薬用紫電改」の名前の由来は、まさに本機であり、単に開発者が本機のファンであったことから命名されたと言う逸話がある。

性能諸元

形式名紫電二一型(試製紫電改)
機体略号N1K2-J
全長9.376m
全高3.96m
全幅11.99m
翼面積23.5
自重2,657kg
全備重量3,800kg
発動機中島/海軍空技廠 誉二一型 空冷星型複列18気筒×1基
(離昇1,990馬力)
最高速度594km/h(高度5,600m)
実用上昇限度12,760m
航続距離
(正規/過荷)
1,715km/2,392km
武装九九式二号20mm機銃四型×4挺
(翼内・携行弾数内側各200発、外側各250発:計900発)
爆装60kg爆弾×4発、250kg爆弾×2発


バリエーション

  • 仮称一号局地戦闘機改/紫電二一型(N1K2-J):
    試製紫電改。
    胴体を誉に合わせて細く再設計し、主翼配置を低翼式に変更した改修型。
    51号機以降は機銃取り付け角度を3度上向きに変更しているほか、後期生産型では垂直尾翼面積を縮小している。

  • 紫電二一甲型(N1K2-Ja):
    試製紫電改甲。
    二一型の爆装を60kg爆弾4発または250kg爆弾2発に強化した戦闘爆撃機型。
    垂直安定板前縁を削り面積を13%減積、操縦性と安定性のバランスが改善された。
    生産機101〜200号機が該当。

  • 紫電二一練習戦闘機型(N1K2-K):
    二一型を複座練習機としたもの。速力が若干低下している。
    少数生産。

  • 紫電三一型(N1K3-J):
    試製紫電改一。
    二一甲型の発動機架を前方に150mm延長し、機首に三式13mm機銃×2挺を追加した武装強化型。
    爆弾投下器は手動式から電気投下式に改良している。
    生産201号機以降だが、試作2機のみ。

  • 紫電四一型(N1K3-A):
    試製紫電改二。
    三一型に着艦フックなどを追加し、尾部を強化した艦上戦闘機型。試作2機のみ。
    試作機が航空母艦信濃での着艦実験に参加した。

  • 紫電三二型(N1K4J):
    試製紫電改三。
    三一型の発動機を低圧燃料噴射装置付きの誉二三型(NK9H-S)に変更した型。
    試作2機(鳴尾517、520号機)のみ。

  • 紫電四二型(N1K4-A):
    試製紫電改四。
    三二型に着艦フックなどを追加した艦上戦闘機型。制作されたかは不明。

  • 紫電五三型(N1K5-J):
    試製紫電改五。
    発動機を烈風と同じハ四三−一一型(離昇2,200馬力)に変更した型。
    機首の三式13mm機銃が廃され、形状が変わっている。
    試作のみ。

  • 仮称紫電改性能向上型:
    発動機を二段三速過給器付きの誉四四型に換装した航空性能向上型。計画のみ。

  • 紫電改鋼製型:
    紫電改を鋼製化した型。計画のみ。
    重量増大のため、翼端を延長する予定だった。


*1 これは紫電と同じだった。
*2 このため、三菱は自社の雷電烈風の生産中止を指示されている。

トップ 編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS