Last-modified: 2023-09-03 (日) 12:35:17 (237d)

【制式】(せいしき)

制度として定められた手順と方式。
軍事的な文脈では、兵器その他の軍需物資について品目ごとに兵站軍政上の取り扱いを定めた制度を指す。
ある品目について制式を定める事を「制式化」、ある品目が帰属する制式を特定するための識別名称を「制式名称」という。

自軍で運用するために制式を定めるのが一般的だが、識別して対策を取るために仮想敵国の兵器を制式化する場合もある。

物資の制式化を行う主な目的は、官僚組織が備品を取り扱う上での事務手続きを正確に処理する事にある。
研究開発、製造工程、購入と納入、保守点検、補給、修理、訓練、消費、実戦使用、廃棄に至るまで、あらゆる行程で煩雑な書面事務が発生する。
この事務書類上の記述が実物と乖離して問題を起こすことがないよう、制式名称が同一であれば性質も取り扱いも全て同一になるように制度化される。

一方で、制式を定めるには膨大な時間と手間が費やされ、また制式に沿うための配慮によって関係各部署の作業が非効率化する事も多い。
スパイから守秘すべき機密事項がある場合や、重大事故を引き起こす懸念がある場合には、制式化は必要な措置であり、効率低下も止むを得ない。
しかし、管理上の必要がなければ制式化すべきではないし、必要がなくなった品目についても制式を廃止した方が合理的である。
特に現代では民間市場の製品も高度に規格化されているため、軍政が別途に制式の規格を定める必要のない品目も増えてきている。

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