Last-modified: 2023-05-12 (金) 19:36:13 (29d)
【SS-N-27】 †
P-900/3M54/3M14"Biryuza*1"/91RE/3M51"Klub*2".
NATOコード:SS-N-27 Sizzler/SS-N-30A
旧ソ連/ロシアのNovator設計局が設計・開発した巡航ミサイル。
Kh-55「グラナート」(SS-N-21)対地巡航ミサイルをベースに、1985年から開発が始まり、2001年に配備を開始している。
本ミサイルには対艦、対地、対潜の3タイプが存在し、水上発射型は「Klub-N」、水中発射型は「Klub-S」、陸上発射型は「Klub-M」と呼ばれている。
このほか、空中発射型の「Klub-A」も存在する。
各タイプとも口径は533mmに統一されており、あらゆる魚雷発射管を使用することができる。
水上発射型は3S14E VLSか3R14 UKSK VLSから、潜水艦発射型は533mm魚雷発射管から発射される。
なお、最近の中国海軍向けキロ級には、本ミサイルの発射が可能になっている636M型(改キロ型)が引き渡されている。
また、インド海軍向けに開発されたタルワー級フリゲート及び発展型のシヴァリク級?フリゲートには3M54用VLS1基(8セル)が搭載されている。
スペックデータ †
対艦型 | 対地型 | 対潜型 | ||||||
形式 | 3M54E | 3M54E1 | 3M54AE | 3M14TE | 3M14E | 3M14AE | 91RE1 | 91RTE2 |
全長 | 8.22m | 6.2m | 7.90m | 8.9m | 6.20m | 7.90m | 8m | 6.5m |
直径 | 53.3cm | 0.645m | 53.3cm | 0.645m | ||||
発射 重量 | 2,300kg | 1,780kg | 1,950kg | 3,205kg | 1,770kg | 1,950kg | 2,050kg | 1,300kg |
推進 方式 | 固体燃料ブースター + ターボジェット | |||||||
弾頭 | HE | MTT短魚雷 | ||||||
弾頭 重量 | 200kg | 400kg | 200kg | 450kg | 200kg | 385kg | ||
射程 | 約300km超 | 約300km | 約2,000〜2,500km | 670km超 | 約50km | 約40km | ||
飛翔 速度 | - | M0.7 M2.0(終末時) | - | M0.7 | M0.7 M2.0(終末時) | - | ||
飛翔 高度 | 5〜10m | 5〜10m | ||||||
誘導 方式 | INS+GLONASS(中間誘導) アクティブレーダー誘導(終端誘導) |
バリエーション †
ロシア国内向け †
- 3M54K:
潜水艦搭載型。魚雷発射管から発射される。
射程は550〜660km(推定)。
発射は150mより浅い深度で行われ、海面に到達すると主翼を展開、固体燃料ロケットブースターで初期加速を行いながら上昇する。
中間誘導はINS+GLONASS?(ロシア版GPS)で、高度10〜15mを亜音速(マッハ0.8)の速度で巡航し、ターゲットの30〜40kmの地点で再上昇して終端誘導に切り替わる。
終末誘導はアクティブレーダー誘導で、使用されるアクティブ/パッシブの複合シーカーは最大60kmのレンジを持つ*3。
超音速突入モードの場合、敵の迎撃を回避する為に目標手前20kmの地点で、ターボジェットを載せた胴体を投棄し、固体燃料ロケットブースター付きの先端部分『ダート』が分離する(胴体を分離投棄せずに、亜音速で突入させることも可能)。
ダートを固体燃料ロケットブースターで海面スレスレの高度4.6mで超音速(マッハ2.9)まで加速し、低空高速で突入させる為に迎撃は非常に難しくなる。
- 3M54T:
水上艦搭載型。全長8.9m。VLSから発射される。
推力偏向ノズル付き固体燃料ロケットブースターに変更された以外は3M54Kと同様である。
- 3M14K(SS-N-30A):
対地攻撃型。潜水艦から発射される。誘導は慣性誘導のみ。
アメリカ製のBGM-109「トマホーク」に似た外見を持つ為『トマホークスキー』という愛称がある。
全長6.2m、450kgの弾頭を搭載し、射程は2,500kmである。
2016年のシリア内乱においてロシア軍がカスピ小艦隊よりシリアの反政府勢力に向け発射し、イラン領空を通過後シリア領内に着弾させた。
また、2017年には黒海艦隊所属のキロ型潜水艦2隻により地中海からシリア領内に向け発射された。
- 3M14T:
3M14Kの水上艦発射型。全長8.9m。VLSから発射される。
推力偏向ノズル付き固体燃料ロケットブースターに変更された以外は3M14Kと同様である。
- カリブルM:
沿岸防衛用の地対艦ミサイル型。射程300km。
- 「オトヴェート」(91RE1):
SS-N-16(RPK-6「ヴォドパド」)の後継として開発された対潜ミサイル。
3M54シリーズと同様、150mより浅い深度で魚雷発射管から発射され、15ノットで海面へと上昇する。
海面に達すると固体燃料ロケットブースターに点火し、弾道飛行して目標上空に到達。
目標上空に到達するとブースターを投棄し、パラシュートで魚雷を着水させて目標へ向かわせる。
バリエーションとして水上艦からのVLS発射用に軽量化した91RTE2が存在する。
輸出向け †
- クラブS
- 3M54E「クラブS」:
潜水艦発射型艦対艦ミサイル。射程が300kmにダウングレードされている。
その他は3M54と同様である。
- 3M54E1:
潜水艦発射型艦対艦ミサイル。亜音速型で全長6.2m、終端速度はマッハ0.8。
- 3M14E:
潜水艦発射型艦対地ミサイル。
亜音速型で、誘導方式は慣性誘導、450kgの弾頭を搭載する。
- 3M54E「クラブS」:
- クラブN
- 3M54TE「クラブN」:
水上艦発射型艦対艦ミサイル。VLSから発射される。
射程がダウングレードされた以外は3M54Eと同様である。
- 3M54TE1:
水上艦発射型艦対艦ミサイル。VLSから発射される。
弾頭重量やその他性能は3M54E1と同様である。
- 3M54TE「クラブN」:
- 3M14TE:
水上艦発射型艦対地ミサイル。VLSから発射される。
弾頭重量やその他の性能は3M14Eと同様である。
- クラブT
- 3M54T2「クラブT」:
沿岸防衛用の地対艦ミサイル型。
- 3M14E1:
地対地ミサイル型。
- 3M54T2「クラブT」:
沿岸防衛用の地対艦ミサイル型。
- クラブA
- 3M54AE「クラブA」:
空対艦ミサイル型。2段式で重量1,950kg。弾頭200kg。射程距離300km。
- 3M54AE1:
亜音速の空対艦ミサイル型。
- 3M14AE:
亜音速の空対地ミサイル型。
誘導方式はINS+GLONASS。全長6.2m、重量1,400kg。弾頭450kg 射程距離300km。
- 3M54AE「クラブA」:
- クラブK:
20フィートまたは40フィートの海上コンテナに発射機を搭載したもの。
MAKS 2011航空ショーで初公開された。
主な搭載艦 †
- 潜水艦
- ラーダ型潜水艦
- 636型(改キロ級)潜水艦
- シンドゥゴーシュ級潜水艦
- 水上戦闘艦
- シヴァリク級フリゲート
- タルワー級フリゲート
- ステレグシュチィ級コルベット
- ゲパルト級フリゲート(2番艦「ダゲスタン」に搭載)
- キーロフ級ミサイル巡洋艦(3番艦の近代化改装により3S14 UKSK VLSに換装される予定)