Last-modified: 2024-02-24 (土) 19:48:21 (63d)

【慣性航法装置】(かんせいこうほうそうち)

Inertial Navigation System. (INS)

物理学における「慣性の法則」を利用して現在位置を割り出す航法装置。
高精度のジャイロと加速度計で機体の加速度を感知し、それを2回積分して位置情報を算出する。

外部との通信を必要としないため、長距離を航行する航空機、通信に制約のある潜水艦などに採用されている。
また、GPSの受信機も、通信途絶時の補助として慣性航法による現在位置推定が可能(ただし、精度は著しく低い)。
弾道ミサイル巡航ミサイル対艦ミサイル中間誘導にも用いられ、その場合は「慣性誘導装置」と呼ばれる。

原理上、基準点からの相対位置しか算出できないため、出発前に現在位置の情報を設定しておく必要がある。
ある程度以上の規模を持つ空港飛行場スポットには、INSを設定するための経度・緯度情報が掲示されている。

時間の経過に応じて誤差が拡大するため、長時間の航行では他の航法装置による誤差修正を必要とする。
1983年に起きた「大韓航空007便撃墜事件」では、この誤差が事件の原因の一つと指摘された。


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