Last-modified: 2013-05-27 (月) 13:01:49 (1457d)

【SA-7】(えすえーなな)

旧ソ連が開発した、東側初の個人携帯式地対空ミサイル
NATOコードではSA-7「グレイル」、ロシアでは9K32「ストレラ*1-2」と呼ばれる。
1960年代半ばに開発がスタートし、1967年には量産化が開始された。
誘導方式は赤外線誘導

発射手順はIFFで敵を確認*2後、射手は使い捨て式のファイバーグラス製容器ごとミサイル本体を発射機に装填する。
その際、撃鉄を押してシーカーを作動状態にしておく。
シーカー・ヘッドが作動を開始すると、目標捜索が始まり、発射機の赤色灯が点灯、そして発射機を目標に向けることでロックオン、緑色灯が点灯し信号音が出ると射撃準備完了となる。
安全距離550m以上で目標に直接当たることで起爆され、命中しない場合は14〜17秒後に自爆する。
また、夜間でも使用でき、LOMO光学夜間照準装置と組み合わせて使用出来る。
高度2300mまで到達でき、最大射程は4.2km、重さは発射機5kg、飛翔体9.6kgである。

初期型では、
「目標の後方からしか発射出来ない」
「射角が20度〜30度以下になるとシーカーが地上の熱源を捕らえてしまうため、赤外線量の少ないヘリコプターやレシプロ機に対しては命中率が低下する」
「晴天時、ミサイルの飛翔方向から20度以内に太陽があればそちらに向かって飛翔する」
という問題があった*3

SA-7は個人携帯式にも複数タイプがあるが、他にもヘリコプターの短射程空対空ミサイルとしてMi-24ガゼルに搭載が確認され、さらに海軍型のSA-N-5「グレイル」が登場しフリゲート艦等に搭載された。
輸出も好調で中国・チェコ・スロバキア・エジプト・ポーランド・旧ユーゴスラビア・イラク・シリア・北朝鮮・旧東ドイツ・ベトナム・カンボジア・アンゴラ等に輸出され、国以外にもゲリラや反政府組織等にも裏ルートで輸出されたと言われる*4

現在では公式には生産を終了(まだ生産されている可能性はあり)していて、後継の9K34「ストレラ-3(SA-14『グレムリン』)」に切り替わっている。

実戦ではベトナム戦争湾岸戦争等、数々の戦争や紛争にたびたび登場し、少数ではあるか戦果を残している。
最近ではイラク戦争?後、イラク国内を飛行する多国籍の輸送機に対し旧イラク軍?の残党兵等が複数発射しているが、今の所撃墜には至っていない。

SA-7.jpg

Photo:Ukraine Department of Defense

関連:SA-14 SA-16 SA-18

スペックデータ

開発社Kolomna設計局
全長1.44m
直径7.2cm
翼幅30cm
発射重量9.2kg/9.85kg(SA-7B)
誘導方式パッシブ赤外線誘導
推進方式2段固体燃料ロケットモーター
最大射程3,600m(SA-7)/4,200m(SA-7B)
最大射高150〜1,500m(SA-7)/23〜4,300m(SA-7B)
最大速度マッハ1.5(SA-7)/マッハ1.95(SA-7B)
弾頭HE 破片効果弾頭(1.15kg)


主な種類

  • 9K32「ストレラ2(SA-7)」:
    初期モデル。

  • 9K32M「ストレラ2M(SA-7B)」:
    初期型の改良型。
    赤外線の探知能力が強化され、弱点だったヘリコプターやレシプロ機に対する交戦能力が強化された。

  • SA-N-5「グレイル」:
    SA-7の艦対空ミサイル型。
    4発装填の台形発射機に取り付けて使用される。

  • 紅纓5(HN-5):
    中国のライセンス生産型。

  • サクールアイ:
    エジプトのライセンス生産型。

  • ワスチョン(화승총):
    北朝鮮のコピー品。語の意味は「火縄銃」。

  • アンザMK1:
    パキスタン仕様の改良型。


*1 Стрела:ロシア語で矢の意味。
*2 使用しなくても発射は出来る。
*3 改良型のSA-7Bではより精巧な誘導装置を採用し、シーカー・ヘッドに新たにフィルターを装着している。
*4 特に、2010年のアラブの春?に端を発する中東各国の政権崩壊の混乱により、軍が保有している武器がテロリストに流出しており、本ミサイルも例外ではない。

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