Last-modified: 2023-11-17 (金) 19:42:01 (162d)

【ヘリコプター】(へりこぷたー)

Helicopter.

回転翼機のうち、ローター回転力エンジンから得ているもの。
オートジャイロが廃れたため、現在見られる回転翼機のほとんどがヘリコプターである。
飛行機に次ぐ需要を持つ航空機であり、特に飛行機では非効率的な小型機の分野で高いシェアを占める。

空中で停止しても失速する事がなく、旋回・方向転換を自在に行えるのが特徴。
滑走路を必要とせず、平坦な地面ならどこでも着陸可能で、特に観測・遊覧・災害救助に適する。
反面で最高速度や加速力に劣り、燃費も悪く、整備が煩雑で、操縦が難しい。

総体的に固定翼機よりも小型の機体に適した構造で、大型化するほど非効率的になる傾向にある。

関連:転換式航空機

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ヘリコプターの速度限界

揚力推力の両方を同じローターから出力している性質上、ヘリコプターには原理上の速度限界が存在する。
ローターの運動が音の壁に到達すると、空気抵抗や衝撃波によってローター失速を起こすからだ。

この限界はローター自体の回転と同時に、機体全体の前進・上昇による対気速度にも影響を受ける。
つまり、機体が高速で移動しているほど、ローターの回転数の許容限界は低くなる。

物理学・工学上の理論上、ヘリコプターの最高速度は400km/h程度が実現可能な限界とされる。
この限界はペイロード無積載の無人機を想定する数値で、人間の搭乗する実用機で最高速度300km/hを越えるのは現実的でない。

ヘリコプターの速度限界は、メインローター推力揚力の両方を依存している限り克服不可能だと考えられている。
従って、ヘリコプターの速度向上に関する研究はおおむね推力揚力のいずれかをローター以外の方法で得る事を前提としている。
つまりローターを兼ね備える(転換式航空機)か、もしくは上昇用ローター推進エンジンを兼ね備える(未だ実用化されず)かである。


添付ファイル: filehelicopters.jpg 1741件 [詳細]

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