Last-modified: 2023-02-20 (月) 22:28:29 (98d)
【M61】 †
General Electric M61.
アメリカで開発された航空機関砲。
旧西側陣営各国の戦闘機が搭載する標準的な武装でもある。
一般的には「バルカン砲」とも呼ばれる。
また、アメリカ空軍では制式名として「GAU-4」と呼ばれているが、あまり使われていない。
6つの銃身を円形に束ねたガトリングガンで、1秒間に最大100発の銃弾を発射することが可能。
ベトナム戦争によりミサイリアー構想が当時の技術的には実現不可能と判明し、その反省から1960年代以降に設計された米国製戦闘機のほぼ全てに搭載されている。
また、本砲をベースとして、艦艇防空用のCIWS「ファランクス」や野戦防空用のVADS、ヘリコプター搭載用に3銃身化されたM197などといった派生型も作られている。
性能諸元 †
口径 | 20mm |
砲身数 | 6砲身 |
全長 | 1.827m |
砲身長 | 1.52m |
直径 | 0.34m |
重量 | 112kg(M61A1) 92kg(ライトバレル)/103kg(ヘビーバレル)(M61A2) |
機構 | 油圧駆動・電気雷管式撃発、ガトリング |
給弾方式 | ベルトまたはリンクレス給弾装置 |
発射速度 | 4,000発/分または6,000発/分(M61A1) (最大7,200発。試験的に行った記録では12,000発) 6,600発/分(M61A2) |
砲口初速 | 1,036m/秒 1,050m/s(PGU-28/B使用時) |
有効射程距離 | 約810m(航空機による空対空射撃) 約1,490m(CIWS等による地対空射撃) |
弾丸 | 20x102mm |
弾種 | M56榴弾 M56A1/A3焼夷榴弾 M53・M53A1徹甲焼夷弾 PGU-28半徹甲焼夷榴弾 装弾筒付高速徹甲弾(APDS)(ファランクスCIWS)など |
派生型 †
- M61:
初期生産型。
- M61A1:
給弾機構に改良が加えられたタイプ。
- M61A2:
長砲身化やスピンアップ時間の短縮などの改良が施されたタイプ。F-22に搭載。
- M168:
地上運用を前提に補機などの構成を調整した型。
- M197:
ヘリコプター搭載用に砲身を3本に減らして軽量化したタイプ。
- M134:
M61A1を基に小型・軽量化した7.62mmバージョン。別項を参照。
- バルカン・ファランクス:
艦載用CIWS。別項を参照。
- VADS:
M168とレーダー射撃管制装置を組み合わせた野戦防空用対空機関砲システム。
別項を参照。
- JM61M:
海上自衛隊の機雷戦艦艇や輸送艦艇に搭載する*1ため、住友重機械でライセンス生産されたタイプ。
給弾・発射を人力操作にした他、発射速度を毎分450発に落としている。
*1 掃海艇などの機雷戦艦艇では海面に浮かんできた機雷を爆破処理するため、輸送艦艇では自艦護衛用に備えている。
*2 Remote Firing System:海上保安庁が使用する、射撃指揮システム(FCS)の一種。