【経国】(けいこく)

AIDC F-CK-1 IDF(Indigenous Defensive Fighter) "経国(チンクオ)"(Ching kuo)
台湾(中華民国)空軍の主力戦闘機。
愛称の「経国」は、デビューした1988年当時の台湾総統である蒋経国の名に由来する。
また、形式名称「F-CK-1」のCKは「経国Ching kuo」の頭文字を表している。

開発の経緯

1970年代、台湾はアメリカから供与を受けていたF-5E/Fの後継として、アメリカ政府にF-16の購入を打診した。
しかし、アメリカは中国(中華人民共和国)を刺激しかねないとしてこの申し出を拒否し、その代替として「中間国際戦闘機(IIF)」計画を発表、これにより開発された戦闘機を台湾へ売却するとした。
この計画では、F-16エンジンをダウングレードした「F-16/79」やF-5Eを改良した「F-20」などが提案されたが、こちらは台湾側が「要求を満たす機体ではない」として拒否した。*1
その結果、台湾は戦闘機の自主開発を決定。
ゼネラル・ダイナミクス?、ギャレット、ウエスティングハウスの各社が開発協力する事となり、台湾の国営航空企業AIDC(航空工業發展中心(現・漢翔工業株式会社):Aerospace Industrial Development Corpration)を中心として開発されたのが本機である。
1985年に基本設計を完了し、1989年に初飛行を行ったが、試作機の事故で設計変更が行われたために空軍への引渡は計画より遅れ、1994年1月からになった。
当初は250機前後の調達を予定していたが、後にアメリカからのF-16の購入が可能になったため、最終的な調達数は130機に留まった。

全体の設計はジェネラル・ダイナミクスが協力したこともあってF-16に相似している点が多く見られ、ブレンデッド・ウィング・ボディ、大型のストレーキ、クリップド・デルタ形主翼が採用されている。
また、エンジンはハネウェルTFE731をベースに開発されたTFE1042-70(F125)ターボファンエンジンを搭載し、レーダーはF-20用に開発されたAN/APG-67?をベースに開発された金龍(チンロン)53型(GD-53)マルチモード・パルスドップラーレーダーを採用している。

130機の内の29機は複座で、単座がF-CK-1A、複座がF-CK-1Bと呼ばれる。
また、F-CK-1C/D「雄鷹(英語ではGoshawk)」と呼ばれる、アビオニクス、FCSの改修による対地攻撃能力の強化、降着装置の改良、コンフォーマルタンク*2による航続距離延長などを行ったアップグレード型が存在する。

スペックデータ

型式F-CK-1A(単座型)/F-CK-1B(複座型)
乗員1名(F-CK-1A)/2名(F-CK-1B)
全長13.26m(機首プローブ除く)/14.21m(機首プローブ含む)
全高4.65m
全幅8.53m/9.46m(主翼端AAM含む)
翼面積24.3
空虚重量6,486kg
最大離陸重量12,247kg
最大兵装搭載量907kg(空対空兵装のみ)/3,901kg(空対地ミッション最大)
エンジンアライドシグナル/AIDC TFE1042-70ターボファン推力26.8kN/41.1kN(A/B使用時))×2基
最高速度マッハ1.8
海面上昇率15,240m/min
実用上昇限度16,460m
荷重制限+9G/-3G
航続距離1,230nm(標準燃料時)
戦闘行動半径540nm(Hi-Lo-Hi)
兵装固定武装:M61A1 20mm機関砲×1門
空対空ミサイル:天剣2型(TC-2),天剣1型(TC-1),AIM-9「サイドワインダー」
対地/対艦/対レーダーミサイルAGM-65「マーベリック」,天剣2A型(TC-2A),雄風2型(MGB-2C)
爆弾類:通常爆弾クラスター爆弾ロケット弾ポッド増槽

*1 F-20については、政権交代による政策変更によるキャンセルだとも言われている。
*2 「雄鷹」のみ。近代化改修型は未搭載。

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