【国連軍】(こくれんぐん)

  1. 国際連合憲章に規定されている国連の軍隊
    安全保障理事会(安保理)の決議によって所属各国から部隊を拠出して組織され、国連の統制下に服し、侵略行為に対する軍事的措置を行う。
    朝鮮戦争の際の「国連軍」は、国連の統制下にはなかった*1ため厳密にはこれに含まれず、いまだかつて組織されたことは無い。

  2. 紛争地域の平和維持活動(停戦監視や兵力の引き離しなど)を行う国連の軍隊で、具体的には「平和維持軍(PKF)」や「停戦監視団」などのこと。
    こちらは1.とは違い、総会の決議によって所属各国から部隊を拠出して組織され、必要最小限の武器使用権限のみを与えられて個々の目的を達成する。

    わが国は1956年に国連に加盟して以来、憲法との関連からこうした活動に長らく参加してこなかったが、1991年の湾岸戦争終結後、ペルシャ湾にイラク軍が散布した機雷の掃海活動ではじめて参加(海上自衛隊から掃海艇6隻、掃海母艦1隻を派遣)。
    その後、1992年に国連カンボジア暫定機構(UNTAC)へ陸上自衛隊が派遣され、以後、活動が本格化することになる。

    (2011年1月)現在、自衛隊は以下の活動に参加している。
    • ハイチ派遣国際救援隊(国際連合ハイチ安定化ミッション(MINUSTAH))
      派遣期限は2012年1月31日まで。
      現在は陸自中部方面隊基幹の第4次隊が活動している。
    • ゴラン高原派遣輸送隊(ゴラン高原国連兵力引き離し監視隊(UNDOF))
      派遣期限は2011年3月31日まで。
      現在は陸自第4師団基幹の第30次隊が活動している。
    • スーダン国際平和協力隊(UNMIS)
      派遣期限は2011年6月30日まで。
      現在は第5次要員として2名の幕僚が活動している。
    • 国連東ティモール統合派遣団(UNMIT)
      派遣期限は2011年4月30日まで。
      現在は「軍事連絡要員」として2名の陸上自衛官が活動している。


*1 当時日本にあったGHQが事実上支配していた。

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