【航続距離】(こうぞくきょり)

乗り物が、外部から燃料電池・電源配線などの供給を受けずに一度に移動できる距離。
燃料などを満載し、かつペイロードが空の状態での数値が理論上では最大になる。

摩擦による減速が起きない宇宙空間において航続距離の概念は存在しない。
代わりに、宇宙航行では「Δv(デルタブイ)」の概念を用いて航続限界を推定する。
Δvは推進剤から引き出せる加速力の総和であり、Δvが尽きたら後は慣性と重力に任せるしかない。
摩擦や空気抵抗が期待できないため、減速(後方への加速)や旋回(側方への加速)に際してもΔvが消費される。

一応の数値はカタログスペックに示されてはいるが、運用形態によって大いに違いが出てくる。
ペイロードを多く搭載すればするほど重量が重くなるため、必然的に航続距離は短くなる。
また、道路状況や天候、(飛翔体であれば)飛行する高度、メンテナンス状況などにも強く影響される。

特に戦場を踏破する場合、途上でどのような機動を要求されるか予測不能であるため、必然的に航続距離も予測不能になる。
このため、対策し得る限り最悪*1の状況を想定して運用計画を組むのが原則。

関連:空中給油 戦闘行動半径 アフターバーナー


*1 生還の目処が立たないなど、そもそも動かない方が賢明な状況は除外される。

トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS