【シャルル・ド・ゴール】(しゃるる・ど・ごーる)

Charles de Gaulle

  1. 故人の名。Charles Andre Joseph Marie de Gaulle
    1890年生、1970没。フランスの陸軍軍人､政治家。1912年に士官学校卒業後第一次世界大戦に従軍。19年ポーランドで対ソ連反革命戦争に参加後戦術理論家として軍の機械化を主張。37年大佐に昇進。40年第4機甲師団長としてドイツの侵入阻止に努力後、陸軍次官になる。40年休戦に反対してロンドンに亡命。自由フランス政府を創立。41年フランス国民委員会結成。43年アルジェで国民解放フランス委員会委員長就任。44年自由フランス軍を率いてパリに入城後臨時政府議長就任。45、6年首相就任。47年フランス国民連合結成。第5共和制初代大統領となり、69年に国民投票に敗れて辞任するまで､独裁的な権力を振るった。

  2. フランスの航空母艦の名。アメリカ海軍以外に存在する唯一の原子力空母。但し、運用がうまく言っているとは言いがたい。
    本級が話に上がったのは1970年代初期、練習艦のジャンヌ・ダルクの代艦として計画されたのが最初。ジャンヌ・ダルクは1964年に就役したヘリコプター巡洋艦?(平時は練習艦)だが、能力の中途半端さから軍艦?としては実用にならないと代艦が計画されたものである。この時の計画はPAH-75と呼ばれており、対潜任務群の旗艦となることが想定され、長距離対空ミサイルのマズルカを装備し、艦隊のエリアディフェンス?をも受け持つ多用途艦として計画されており、防空巡洋艦?コルベールの代艦の意味も含まれていたと推定される。しかしこれは予算不足で実現に至らず、海軍はこれを元にした計画を幾つか立てたが、全て却下された。
    しかし1980年、フランス政府はクレマンソー?級の後継を原子力空母とする方針を決定、当初の予定ではクレマンソーが艦齢30年になったところで新空母の1番艦を就役させ、交代させる計画が立てられた。が、1982年にフォークランド紛争が勃発し、コストパフォーマンス?に優れたSTOVL空母?を作ろうという計画が持ち上がった結果、この正規空母の設計は頓挫した。そのままいけば「原子力STOVL空母」という面白いものが出来た可能性があったが、搭載機の問題でこれは没となり、結局正規空母として建造するという方針が固まった。なお搭載機の問題とは、ハリアーを購入するのも嫌だが、自国でSTOVLを新たに設計開発する技術も金もないということである。
    取り敢えずフランス海軍が1985年に固めた仕様では、約20+α機のF/A-18と4機のE-2Cホークアイ、及び各種ヘリコプターを搭載する中型空母と言うことになった（しかし結局F/A-18は海軍の要望にもかかわらず、政府は自国製航空機以外不可、という態度を取り、次期主力戦闘機として計画されたラファールの海軍型が計画、開発されることとなった）。この仕様で設計が開始され、1986年にはDCN社に建造を発注した。しかしこの時点では未だ設計案は固まらず、ようやく1988年にPAC-88案が決定し、1989年にブレストのDCN社で建造が開始された。最初1番艦リシュリュー、2番艦ジャン・バールという命名であったが、1番艦が国威発揚のためシャルル・ド・ゴールに、2番艦がリシュリューと改名された。
    1986年2月にDCN/ブレスト工廠に発注され、同工廠建造船渠で89年4月14日起工。　92年12月、船体の概略完成により浮揚､技術試験を実施後船渠に戻され、94年5月7日ミッテラン大統領の臨席下に正式に進水。　97年2月1日受領。98年12月23日予行試験開始。　2000年春に実施された発着艦公試でE-2C早期警戒機の運用には飛行甲板長の不足が指摘されアングルドデッキ前端を約4m延長する改装を行った。
    なお「世界で初めてステルス性を考慮した航空母艦」とよく言われるが、確かにアイランド?はステルス性を考慮した設計になっているものの、マストと射撃指揮レーダーの装備によってステルス性が帳消しになってしまっている。

    排水量：34,500t(基準)
    全長：261.5m
    全幅：64.36m
    喫水：8.5m
    機関：原子力蒸推進(加圧水型原子炉2基、蒸気タービン2基2軸、83,000hp)
    最大速度：27kt
    乗員数：1400名+航空要員550名
    兵装：アスター15 SAM VLS発射機x2(アスター15x32)・サドラル個艦防空ミサイル 8連装発射機x2・20mm単装機関銃x8
    搭載機：搭載機数最大40機
    搭載ソナー：無し
    搭載レーダー：Decca航海レーダーx2・DRBJ-11J高角測距x1・DRBV-15C対空／水上索敵x1・DRBV-26D早期警戒x1・アラベル対空ミサイル射撃指揮x1

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