Last-modified: 2020-08-04 (火) 12:41:33 (118d)

【Ju87】(じぇいゆーはちなな)

Junkers Ju87.

1930年代にユンカースが開発し、ドイツ空軍で運用された急降下爆撃機
急降下爆撃機の代名詞的な存在で、「シュトゥーカ(Stuka)」の通称で知られる。

ドイツ語の「降下(Sturz)戦闘(Kampf)飛行機(Flugzeug)」を略して"Stuka"。

1930年代のスペイン内戦で初登場し、第二次世界大戦初期にはルフトバッフェの戦略判断に多大な影響を与えるほどの戦果を挙げた*1
主として西部戦線・東部戦線・アフリカ戦線に投入され、特に東部戦線においては絶大な対地攻撃能力を発揮した。

反面、鈍重・低速かつ航続距離も短く、敵性戦闘機に捕捉されると為す術がなかった。
この弱点が最初に発覚したのは西部戦線のバトル・オブ・ブリテンで、イギリス軍が温存していた迎撃戦闘機によって壊滅的被害を受けた。
同様に東部戦線・アフリカ戦線においても、連合軍側が次世代戦闘機を投入した時点でJu87の戦略的価値は喪われた。
ルフトバッフェは改良・転用など機体延命を図ったものの、確たる成果を上げる事はなく、そのまま陳腐化していった。

関連:ユンカース ジェリコのトランペット ハンス・ウルリッヒ・ルーデル

スペックデータ

Ju87B-1
乗員2名
全長11.10m
全高4.01m
翼幅13.805m
主翼面積31.900
翼型Göttingen 256
空虚重量2,712kg
空装備重量2,760kg
最大離陸重量4,336kg
発動機ユンカース Jumo(ユモ)211Da 液冷V型12気筒×1基
出力離陸:1,200馬力(890kW)
高度1,500m:1,100hp(820kW)
プロペラユンカース 3枚翅定速プロペラ
最高速度339.6km/h(海面上)
383km/h(高度4,087m)
巡航速度209km/h(高度4,572m)
航続距離595.5km(500kg爆弾搭載時)
789km(爆弾無し)
実用上昇限度8,100m
上昇率2.3m/s
高度到達時間1,000mまで2分
2,000mまで4分18秒
3,176mまで12分
武装ラインメタル MG17 7.92mm機銃×2挺(前方固定)
MG15 7.92mm機銃×1挺(後方旋回)
爆装最大500kgまでの爆弾(250kg爆弾×1発(胴体下)、50kg爆弾×4発(主翼下))


Ju87D-1
乗員2名
全長11.50m
全高3.90m
全幅13.80m
主翼面積31.90
空虚重量2,810kg
最大離陸重量5,720kg
発動機ユンカース Jumo(ユモ)211J-1 液冷V型12気筒×1基
出力1,410馬力
速度
(最高/巡航)
410km/h(高度3,800m)/ 300km/h程度
実用上昇限度7,300m
航続距離1,500km
武装ラインメタル MG17/MG15 7.92mm機銃×3挺
(MG17(前方固定)×2挺、MG15(後方旋回)×1挺)
爆装最大1,800kgまでの爆弾(1,000kg爆弾または500kg爆弾×1発、50kg爆弾×4発)


主な派生型

  • Ju87V:
    原型機。製造順にV1〜V47の番号が付与された。

  • Ju87A:
    生産前機。エンジンはJumo210Ca(出力640hp)を搭載。

  • Ju87A-0:
    全金属製の機体で、密閉式コックピットの初期生産型。500kg爆弾×1発。

  • Ju87A-1:
    A-0の出力強化型。
    エンジンはJumo210D(出力680hp)を搭載し、A-0型より大きい3.3mのプロペラを装備している。500kg爆弾×1発。

  • Ju87A-2:
    A-1の出力強化型。
    エンジンは2段階過給機付きのJumo210Daを搭載し、H-PA-群鎚僖團奪船廛蹈撻蕕鯀備している。

  • Ju87B-0:
    A型の機体を流用した型。後に少数が海軍向けのC型またはE型に改造された。

  • Ju87B-1:
    風防や尾翼等を再設計した型。エンジンはJumo211D(出力1,200hp)を搭載。

  • Ju87B-2:
    1,000kg爆弾を搭載可能とした改良型。
    いくつかのバリエーションがあり、着陸装置にスキーを装備したタイプやJu87B-2 tropと呼ばれる熱帯用装備、エンジンにサンドフィルターを装備した機体があった。

  • Ju87R-1:
    Ju87Bの長距離型。
    対艦攻撃用で主翼内に240Lの燃料タンクを追加装備し、300Lの増槽を2個搭載している。250kg爆弾×1発。

  • Ju87R-2:
    航続距離増加型。代わりに重量が増加し、最高速度や実用上昇限度が低下した。

  • Ju87R-3:
    グライダーを牽引できるようにした型。

  • Ju87R-4:
    Jumo211Jエンジンを搭載した型。

  • Ju87C:
    ドイツ海軍用として計画されていた艦上機型計画(急降下爆撃機雷撃機)。
    投棄可能な降着装置や折り畳み翼、着艦フック等を装備。

  • Ju87D-1:
    コックピット周りの改良や防御装甲を強化した型。
    エンジンはJumo211J-1(出力1,410hp)を搭載。最大1,800kgまでの爆弾を搭載可能。

  • Ju87D-2:
    古くなったD-1型のフレームを流用し、機体構造を強化、グライダー曳航用フックを装備したグライダー牽引型。
    地上からの対空砲火から乗員を守るために重装甲が施されていたが、性能は低下した。

  • Ju87D-3:
    D-1型に増加装甲を装備した対地攻撃型。エンジンはJumo211Jを搭載。

  • Ju87D-4:
    D-3型を改装した雷撃型試作機。
    750〜905kgの魚雷を搭載し、航空母艦「グラーフ・ツェッペリン」で運用される予定だった。

  • Ju87D-5:
    D-3型の設計に基づいて製作された近接支援専用機。

  • Ju87D-7:
    地上攻撃型のD-5型をベースに作られた夜間攻撃機型。MG151/20 20mm機関砲×2挺。

  • Ju87D-8:
    D-3型をベースとして製作された多用途型。

  • Ju87E:
    プランのみ。

  • Ju87F:
    プランのみ。

  • Ju87G-1:
    D-5型以前の機体の翼下ダイブブレーキを外し、ガンポッド方式でFlak18 37mm機関砲×2挺を装備した地上攻撃型。
    「グスタフのタンクキラー」や「カノーネンフォーゲル(Kanonenvogel:大砲鳥)」と呼ばれた。

  • Ju87G-2:
    D-3型およびD-5型以降の機体の翼下ダイブブレーキを外し、ガンポッド方式でFlak18 37mm機関砲×2挺を装備した地上攻撃型。

  • Ju87H:
    D型をベースとした複座練習機。

*1 これ以降敗戦に至るまで、ルフトバッフェは全ての攻撃機急降下爆撃能力を求めるようになった。

トップ 編集 凍結 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS