Last-modified: 2017-06-03 (土) 21:37:23 (171d)

【Ju87】(じぇいゆーはちなな)

Junkers Ju87.

1930年代にユンカースが開発し、ドイツ空軍で運用された急降下爆撃機
1930年代のスペイン内戦で初登場し、第二次世界大戦開戦時には地上軍と連携して電撃戦の立役者として活躍した。
B型やD型の一部の機体には、急降下の際に威嚇用の音を出すサイレン「ジェリコのトランペット」を装着していたため、地上の連合国軍兵士からは「悪魔のサイレン」として恐れられていた。

電撃戦の成功によって、ドイツ空軍の対地攻撃戦術は急降下爆撃一本槍となり、後に開発される機体すべてに急降下爆撃能力を求めるようになるなど、当機の影響は非常に大きかったと言える。
主に、西部戦線・東部戦線・アフリカ戦線に投入され、特に東部戦線においては絶大な対地戦闘能力を発揮した。

だが、鈍重・低速で航続距離も短く、対空防御力が貧弱だったため、バトル・オブ・ブリテンではスピットファイアハリケーンなどのイギリス軍機に多数撃墜される大損害を受けたため、西部戦線からは早々に姿を消し、東部戦線・アフリカ戦線も敵が強力な戦闘機を投入してきた戦争後半にはほとんど使い物にならなくなってしまった。
空軍は様々な改良を施し、新たな用途を探して延命を図ったが、ほとんど実らぬ努力に終わり、アフリカ戦線ではFw190Fなどと交代している。

生産タイプは、初期生産タイプのA型、再設計された改良型であるB型、エンジンを換装し兵装搭載量を増加したD型、D型に37mm機関砲を搭載したG型、B型に落下式タンクをつけて航続距離を伸ばしたR型、艦載機型であるC型などが存在する。

ちなみに、通称として使用される「シュトゥーカ(StuKa?)」という名称は、ドイツ語で急降下爆撃機を表す「シュトゥルツ・カンプフ・フルークツォイク(SturzKampfFlugzeug?)」の略である。

IMG_5692.jpg

関連:ユンカース ハンス・ウルリッヒ・ルーデル

スペックデータ

Ju87B-1
乗員2名
全長11.50m
全高3.90m
全幅13.80m
主翼面積31.90
空虚重量2,760kg
最大離陸重量4,400kg
発動機ユンカース Jumo(ユモ)211Da 液冷V型12気筒(出力1,200馬力)×1基
最高速度383km/h
実用上昇限度8,100m
航続距離1,200km
武装ラインメタル MG17/MG15 7.92mm機銃×3挺(MG17(前方固定)×2挺、MG15(後方旋回)×1挺)
爆装最大500kgまでの爆弾(250kg爆弾×1発、50kg爆弾×4発)


Ju87D-1
乗員2名
全長11.50m
全高3.90m
全幅13.80m
主翼面積31.90
空虚重量2,810kg
最大離陸重量5,720kg
発動機ユンカース Jumo(ユモ)211J-1 液冷V型12気筒(1,410馬力)×1基
速度
(最高/巡航)
410km/h(高度3,800m)/ 300km/h程度
実用上昇限度7,300m
航続距離1,500km
武装ラインメタル MG17/MG15 7.92mm機銃×3挺(MG17(前方固定)×2挺、MG15(後方旋回)×1挺)
爆装最大1,800kgまでの爆弾(1,000kg爆弾または500kg爆弾×1発、50kg爆弾×4発)


主な派生型

  • Ju87V:
    原型機。製造順にV1〜V47の番号が付与された。

  • Ju87A:
    生産前機。エンジンはJumo210Ca(出力640hp)を搭載。

  • Ju87A-0:
    全金属製の機体で、密閉式コクピットの初期生産型。500kg爆弾×1発。

  • Ju87A-1:
    A-0の出力強化型。
    エンジンはJumo210D(出力680hp)を搭載し、A-0型より大きい3.3mのプロペラを装備している。500kg爆弾×1発。

  • Ju87A-2:
    A-1の出力強化型。
    エンジンは2段階過給機付きのJumo210Daを搭載し、H-PA-III可変ピッチプロペラを装備している。

  • Ju87B-0:
    A型の機体を流用した型。後に少数が海軍向けのC型またはE型に改造された。

  • Ju87B-1:
    風防や尾翼等を再設計した型。エンジンはJumo211D(出力1,200hp)を搭載。

  • Ju87B-2:
    1,000kg爆弾を搭載可能とした改良型。
    いくつかのバリエーションがあり、着陸装置にスキーを装備したタイプやJu87B-2 tropと呼ばれる熱帯用装備、エンジンにサンドフィルターを装備した機体があった。

  • Ju87R-1:
    Ju87Bの長距離型。
    対艦攻撃用で主翼内に240Lの燃料タンクを追加装備し、300Lの増槽を2個搭載している。250kg爆弾×1発。

  • Ju87R-2:
    航続距離増加型。代わりに重量が増加し、最高速度や実用上昇限度が低下した。

  • Ju87R-3:
    グライダーを牽引できるようにした型。

  • Ju87R-4:
    Jumo211Jエンジンを搭載した型。

  • Ju87C:
    ドイツ海軍用として計画されていた艦上機型計画(急降下爆撃機兼雷撃機)。
    投棄可能な降着装置や折り畳み翼、着艦フック等を装備。

  • Ju87D-1:
    コクピット周りの改良や防御装甲を強化した型。
    エンジンはJumo211J-1(出力1,410hp)を搭載。最大1,800kgまでの爆弾を搭載可能。

  • Ju87D-2:
    古くなったD-1型のフレームを流用し、機体構造を強化、グライダー曳航用フックを装備したグライダー牽引型。
    地上からの対空砲火から乗員を守るために重装甲が施されていたが、性能は低下した。

  • Ju87D-3:
    D-1型に増加装甲を装備した対地攻撃型。エンジンはJumo211Jを搭載。

  • Ju87D-4:
    D-3型を改装した雷撃型試作機。
    750〜905kgの魚雷を搭載し、航空母艦「グラーフ・ツェッペリン」で運用される予定だった。

  • Ju87D-5:
    D-3型の設計に基づいて製作された近接支援専用機。

  • Ju87D-7:
    地上攻撃型のD-5型をベースに作られた夜間攻撃機型。MG151/20 20mm機関砲×2挺。

  • Ju87D-8:
    D-3型をベースとして製作された多用途型。

  • Ju87E:
    プランのみ。

  • Ju87F:
    プランのみ。

  • Ju87G-1:
    D-5型以前の機体の翼下ダイブブレーキを外し、Flak18 37mm機関砲×2挺を装備した地上攻撃型。

  • Ju87G-2:
    D-5型以降の機体の翼下ダイブブレーキを外し、Flak18 37mm機関砲×2挺を装備した地上攻撃型。

  • Ju87H:
    D型をベースとした複座練習機。


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