Last-modified: 2024-03-31 (日) 09:01:45 (27d)

【液冷エンジン】(えきれいえんじん)

内燃機関の分類のひとつ。
レシプロエンジンロータリー(ヴァンケル)エンジンのうち、冷却機構に液体を用いるもの。
水に不凍液などを添加して用いる「水冷式」と、粘度の低い油脂を用いる「油冷式」に細分される事もある。

ジェットエンジンガスタービンは燃焼室の外周に液体を通せない構造のため液冷式は存在しない。

燃焼室の周囲に空間を設け、冷却液を循環させる事で冷却を行う。
熱を吸収した冷却液は熱交換器(ラジエーター)で外気にさらされて冷却され、再び循環する。

空冷エンジンと比べて小型化が容易で、気圧気温の影響を受けにくく、運用の安定性に優れる。
反面、液体を密封する必要性から冷却機構が複雑になり、平均故障間隔が短く、空冷エンジンよりも綿密な整備を必要とする。
加えて、配管が破損して液体が漏出すると冷却が滞り、過熱による損壊や火災を誘発する。

この性質のため、民生用には広く使われるが、軍用では損傷が予期されるため使われにくい。
20世紀前半の航空機では小型化・抗力軽減のために盛んに用いられたが、ジェットエンジンの普及と共に廃れていった。

関連:空冷エンジン


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