Last-modified: 2022-10-25 (火) 13:46:24 (334d)
【AK-74】 †
旧ソビエト、共産圏の主力自動小銃。
AKMの後継として1974年に制式採用されている。
外見・内部構造共にAKMと酷似しており*1、AKM用の補器の多くと互換性を持つ。
それまでの共通規格であった7.62×39弾を廃し、小口径の5.45mmX39弾に変更されたのが最大の特徴。
しかし、AK47やAKMなどと弾薬が共有できない点が災いし、生産数は比較的伸びなかった。
1990年代には後継機種のAN94が登場しているが、予算上の理由から更新が進んでおらず、未だ相当数が現役と推定されている。
弾丸の非力さを補うため、対人殺傷力を重視した脆い弾頭*2を標準としている。
関連:AK47 AKM AK100?
スペックデータ †
口径 | 5.45mm |
全長 | AK-74:943mm AKS-74:943mm(銃床展開時)/690mm(銃床折り畳み時) AKS-74U:943mm(銃床展開時)/690mm(銃床折り畳み時) AK-74M:943mm(銃床展開時)/700mm(銃床折り畳み時) |
銃身長 | 415mm/210mm(AKS-74U) |
重量 | 3,300g/2,710g(AKS-74U) |
使用弾薬 | 5.45×39mm弾 |
装弾数 | 30発/45発(箱型弾倉) |
作動方式 | ガス圧、ロテイティングボルト |
発射速度 | 600〜650発/分 650〜735発/分(AKS-74U) |
銃口初速 | 900m/秒 |
有効射程 | 500m |
国内AK-74系の主な種類 †
- AK-74:
AKMの後継で、弾薬も5.45mm×39弾に変更した型。
AKMと構造はほぼ同じ。擲弾発射器としてGP-25?を装着する事が出来る。
- AK-74N:
AK-74の夜間戦闘型。サイドマウントプレートが付いている。
- AK-74M:
AK-74の近代化改修型。
木製パーツの部分がプラスチックの樹脂製に変わり、フォールディングストックが標準装備となった。
- AKS-74:
AK-74の改良型。
折り畳みのサイドスイング方式を採用している。
- AKS-74M:
金属製折りたたみ式銃床を備えた型。
- AKS-74U:
AK-74のショートカービンモデル。主に特殊部隊などで用いられる。
フラッシュ・ハイダーを装備し前方がラッパ型、後方が筒型となっている。
- AKS-74N:
AKS-74の夜間戦闘型。サイドマウントプレートが付いている。
- AKS-74UN:
AKS-74Uの夜間戦闘型。サイドマウントプレートが付いている。
- AKS-74U-UBN(AKSU-UBN-74):
ロシアの特殊部隊向け(アルファ部隊など)モデル。
サプレッサーとBS-1「Tishina」と呼ばれる専用の30mm消音グレネードランチャーを装備できる。
- OTs-12 Tiss:
KBP社がAKS-74Uを9×39mm弾仕様として小改良したもの。
リアサイトは後方に移動し、フラッシュハイダーの形状を変え、マガジンを独特のデザインにした。
- RPK-74:
AK-74の分隊支援火器モデル。詳しくはRPKを参照。
- PP-19"Bizon(ビゾン)":
AKS-74をベースに開発された口径9mmの短機関銃。詳しくはPP-19?を参照。
- AK-9:
イズマッシュ社がスペツナズ(特殊部隊)用に設計した9×39mm弾を使用するコマンドアサルトライフル。
- AK-200:
2010年に公開された最新型。
AK-74Mを原型にレールシステムの追加や軽量化などの改良が行われた。
2011年からロシア軍で試験が行われていたが、採用を見送っている。
海外AK-74系の主な種類 †
- Kbk wz.1988「タンタル」(wz.88):
AK-74のポーランド生産型。
後継としてKbs wz.1996「ベリル」を採用したため、第一線部隊からは退役しつつある。
- Skbk wz.1989「オニキス」:
AKS-74Uに類似したアサルトカービンモデル。
- Kbs wz.1996「ベリル」:
AKS-74ベースの近代化モデル。5.56×45mm弾仕様。
- Kbk wz.1996「ミニベリル」:
「ベリル」のアサルトカービンモデル。銃身長を235mmに短縮した。 - ベリル・コマンド:
銃身長を406mmに短縮したカービンモデル。
ガスピストン・シリンダーも短縮化され、ハンドガードの左右と下部にピカティニー・レールを装備する。 - Kbk wz.1997「ボゾ」:
「ベリル」ベースのブルパップ式アサルトライフル。
- Kbk wz.2002「ビン」:
「ボゾ」ベースのブルパップ式アサルトライフル。
外部は木製部品を使用しており、試作品の趣が強い。
- Kbk wz.2002「ビン」:
- Kbk wz.2005「ジャンター」:
「ビン」ベースのブルパップ式アサルトライフル。
「ベリル」のレシーバーをほとんどそのまま利用している。
- Kbk wz.1996「ミニベリル」:
- M80:
AK-74の旧ユーゴスラビア生産型。
- M85SMG/M92SMG:
AKS-74Uのユーゴスラビア・セルビア生産型。
M85SMGは5.56mm×45弾仕様、M92SMGは7.62mm×39弾仕様。
- MPi-AK-74N:
AK-74Nの東ドイツ生産型。
- MPi-AKS-74N/NK:
AKS-74/AKS-74Uの東ドイツ生産型。側面折畳銃床。
- 88-S式小銃:
AK-74の中国生産型。民間向けでセミオートのみ。
- 88式小銃/98式小銃:
AK-74の北朝鮮生産型。98式は88式のプラ部品を金属製に換装したモデル。
- AIMS-74:
AK-74のルーマニア生産型。フォアグリップ付属。
- アーセナルAR-M1/M1F:
AK-74/AKS-74のブルガリア生産型。
- アーセナルAR-SF/-M4SF:
AKS-74Uのブルガリア生産型。5.56×45mm弾仕様。下面折畳銃床(AR-SF)、側面折畳銃床(AR-M4SF)。
- アーセナルM9/M9F:
AK-74/AKS-74のブルガリア生産型。5.56×45mm弾仕様、側面折畳銃床(M9F)。
- ヴェープル(Vepr):
ウクライナで生産されたAK-74ベースのブルパップ式アサルトライフル。
*1 誤認を防ぐために窪みを彫る、フラッシュハイダーを装着する、マズルサプレッサーを大きくするなどの差異を設けられている。
*2 弾頭の中に空洞があり、着弾時に潰れてソフトポイント弾のように変形しながら人体を引き裂く。