Last-modified: 2023-12-02 (土) 21:10:17 (146d)

【M203】(えむにまるさん)

アメリカ陸軍などが採用する擲弾発射器
自動小銃の銃身下にピカティニー・レール*1で取り付けて用いるが、銃把と銃床を取り付ければ単体でも使用可能。

当時運用されていたM79と、試験運用されていたXM148?の実績を踏まえて開発された。
1971年以前はAAIが生産しており、1971年以降はコルト社が生産している。
1990年代から2回改修を受け、M203A1・M203A2へ発展している。

銃と一体化することでM79が抱えていた個人防御の問題を解決したが、下記のような問題も抱えている。

  • 銃身を前進させて給弾・排莢するシステムのため、所定以上の長さを持つ擲弾を使用することができない。
  • シングルアクションのため、不発があった場合は銃身を前進させて再度コッキングする必要がある。
  • 銃の弾倉を銃把代わりにするため、把持性がやや劣る。
  • 長距離用の照尺は銃のキャリングハンドルに装着するため、銃本体の照門と干渉する場合がある。また発射器自体に備える場合に比べて命中精度が劣る。

これらの弱点を解消するため、H&K社が開発中の後継機種M320に更新される予定である。

スペックデータ

口径40mm
全長380mm
銃身長305mm
重量1360g
ライフリング6条右回り
使用弾薬40×46mm擲弾
榴弾発煙弾照明弾散弾催涙弾(CSガス)、演習弾)
装弾数1発
作動方式シングルアクション
発射速度5〜7発/分
銃口初速76m/s
有郊射程150m
最大到達可能距離400m
最大有効射程
(広域目標/定点目標)
350m/150m
最小安全距離非直接目標時:35m
訓練時:130m
戦闘時:31m


主な採用国

  • アメリカ合衆国:M16M4カービン用に導入。
  • イスラエル:ガリル SAR(IMIガリル?)、IMIタボールAR21?用に導入。
  • シンガポール:SAR21用に導入。
  • トルコ:T-40の名称で採用。H&KG3、H&KHK33?用に導入。
  • オーストラリア:F88 オーステアー(ステアーAUG?)用に導入。
  • ニュージーランド:F88 オーステアー(ステアーAUG)用に導入。
  • エジプト:AKM用に導入。
  • オーストリア:ステアーAUG用に導入。
  • アイルランド:ステアーAUG用に導入。
  • 日本(陸上自衛隊):2007年と2008年にQDSS-NT4 サプレッサーやM4カービンとともにFMSでM203A2と照準器を購入。
  • フランス:FA-MAS?用に導入。
  • ギリシャ:M16、M4用に導入。
  • イタリア:ベルナルデリ VB-STD/VB-SR(IMI ガリル)、ベレッタAR70/90?用に導入。
  • ポルトガル:H&K G3用に導入。
  • スウェーデン:Ak 4(H&K G3)、Ak 5(FNFNC?)用に導入。
  • コロンビア:IMC-40の名称で採用。IMI ガリル用に導入。
  • チリ:SIG SG550?、ガリル SAR(IMI ガリル)用に導入。
  • メキシコ:M16、M4用に導入。
  • イギリス:M16、M4、L85用に導入。
  • カナダ:C7C8用に導入。
  • スイス:SIG GL5040の名称で採用。SIG SG550用に導入。
  • 韓国:K201の名称で採用。K2?用に導入。
  • 中華民国:85式の名称で採用。65式歩槍、86式歩槍、91式歩槍用に導入。
  • ミャンマー:EMERK-3(IMI ガリル)用に導入。

派生型

その他派生型

  • M203(SA-80):
    ロイヤル・スモール・アームズ・ファクトリー社(イギリス)製。
    L85に対応。

  • T40:
    MKE社(トルコ)製。
    H&K G3に対応。

  • GL5040:
    シグ社(スイス)製。
    SG550?に対応。

  • K201:
    大宇社(韓国)製。
    K2?自動小銃に対応。

  • 85式:
    第205兵站廠(台湾)製。
    65式歩槍?86式歩槍?91式歩槍?に対応。

  • M6:
    アーセナル社(ブルガリア)製。
    AKに対応。

  • AG-40 Md80:
    ロルアームズ社(ルーマニア)製。AKに対応。
    ソ連以外の東側諸国規格の40×47mm弾を使用する。

  • IMC-40:
    INDUMIL社(コロンビア)製。ガリル?に対応。

  • ミャンマー製M203(正式名称不明):
    MA-1?とM16に対応。


*1 レールシステムが普及する以前は、銃本体の銃身覆いを専用のものに交換して装着した。
*2 Quick Detach:即時分離。
*3 Modular Weapon System.

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