Last-modified: 2019-06-14 (金) 21:19:13 (12d)

【A380】(えーさんはちまる)

Airbus A380.

2000年代、エアバス社ボーイング社のB747に対抗して開発した超大型旅客機
開発当初は「A3XX」と呼ばれていた。

1940年代のB377以来、半世紀ぶりとなる総二階建て客室を持つ旅客機で、3クラス(ファーストビジネスエコノミー)の仕様では約555席を収容し、1クラス(オールエコノミー)では約800〜850席を収容できる。

2005年1月に完成し、同年4月27日に初飛行。
当初は2006年以降に引き渡しが行われる予定としていたが、開発スケジュールが大幅に遅延し、ローンチカスタマーであるシンガポール航空に引き渡されたのは2007年10月になってしまった*1

コックピットは従来開発されたA320ファミリーA330A340のレイアウトとは大きく異なり、縦長で大型の液晶ディスプレイを8列並べるスタイルを取っているが、フライバイワイヤーはそのまま引き継いでいる。
また、低騒音で低二酸化炭素排出量を実現し「環境に優しい航空機」であることを売りにしている。
機体の製造には日本の大手企業21社(三菱重工業富士重工業新明和工業など)が参加している。

しかし、航空運輸業界では双発機が主流となっており、また、運用するためには空港設備にも大幅な改修が必要となることから受注状況は芳しいとはいえず、2019年、生産打ち切りが発表された。
今後は受注済みのオーダー*2の消化に専念し、2021年までに生産終了の予定となっている。

日本ではスカイマークが15機を発注したがキャンセル*3
その後、全日本空輸が3機を発注し、2019年から就航させた。

性能諸元(A380-800)

乗員2名(機長副機長
乗客定員525名(3クラス)/853名(モノクラス)
全長73.00m
全高24.10m
全幅79.80m
翼面積845
運行自重277,000kg(277t)
最大離陸重量560,000kg(560t)
ペイロード66,400kg
エンジンターボファン×4基
(ロールスロイス トレント970又はエンジン・アライアンスGP7270を搭載)
エンジン推力311kN(69,915lbf)
速度
(最大/巡航)
マッハ0.89/マッハ0.85
最大航続距離14,800km
巡航高度13,100m
離陸滑走距離2,990m(トレント900)/3,030m(GP7270)
着陸滑走距離2,100m


受注・引渡し状況(A380-800)

国籍導入会社確定発注数引渡し数搭載エンジン
韓国アシアナ航空?66トレント900
大韓航空?1010GP7200
イギリスブリティッシュ・エアウェイズ1212トレント900
フランスエールフランス1010GP7200
UAEエミレーツ航空162108GP7200(90)
トレント900(52)
エティハド航空1010GP7200
カタールカタール航空1010
オーストラリアカンタス航空1212トレント900
シンガポールシンガポール航空2424
日本全日本空輸32
タイタイ国際航空66
中国中国南方航空55
マレーシアマレーシア航空66
ドイツルフトハンザドイツ航空1414
合計290232


発注をキャンセルした企業(貨物機型も含む)

  • エールオーストラル(フランス)
  • スカイマーク(日本)
  • キングフィッシャー航空(インド)
  • イラン航空(イラン)
  • 香港航空(中国)
  • トランスアエロ航空(ロシア)
  • キングダムホールディングカンパニー*4(サウジアラビア)
  • フェデックス・エクスプレス*5(アメリカ)
  • インターナショナル・リース・ファイナンス(LIFC)(アメリカ)
  • UPS航空(アメリカ)
  • ヴァージン・アトランティック航空(イギリス)
  • ドリック・リース(ドイツ)
  • エア・アコード(ロシア)

主な派生型

  • A380-800:
    基本型。3クラス555席。

  • A380-800C:
    メインデッキの一部を貨物室としたコンビ型。397席〜454席。

  • A380-800S:
    A380-800の短距離型。

  • A380-800F:
    A300-800の純貨物型。150t以上のペイロードを持ち、航続距離は10,400kmである。
    完成すればAn-124を超え、世界最大の貨物機となるはずだったが、A380シリーズ全体の開発スケジュール遅延により、当初の顧客からの発注が全てキャンセルされたため、実機の生産は行われていない。
    なお、本機には「ノーズカーゴドアがつけられないため長尺貨物の搭載ができない」「2階部分への貨物の積み降ろしには専用のローダーが必要」などの欠点が指摘されている。

  • A380-800R:
    A380-800の航続距離延長型。

  • A380-900:
    A380-800の胴体延長型。3クラス656席。

  • A380-900S:
    A380-900の短距離型。

  • A380-700:
    A380-800の胴体短縮型。3クラス480席。

上記各型のうち、実際に生産されているのは基本型のA380-800のみである。
その他の発展型については「発注する顧客があれば生産に応じる」としていたが、前述の受注打ち切りに伴い、生産は行われないことになった。


*1 この遅延により、貨物機型の発注は全てキャンセルされてしまった。
*2 現在、本機の発注残を抱えているのはエミレーツ航空と全日本空輸の二社のみとなっている。
*3 この時に組み立てられていた2機は、2016年にエミレーツ航空が「追加購入」の形で引き受けている。
*4 サウジアラビアのアル・ワリード王子が運営する同国最大の会社で、公的な持株会社。
*5 貨物機型のローンチカスタマーになる予定だった。

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