Last-modified: 2022-09-08 (木) 00:27:00 (91d)

【エーリッヒ・ハルトマン】(えーりっひ・はるとまん)

Erich Hartman(1922年生〜1993年没)

第二次世界大戦時のドイツ空軍トップエースであり、歴史上最も多くの航空機を撃墜したパイロット。愛称は「ブービー*1」。
活躍したのは1943年夏以降、ドイツ側が守勢となり始めていた東部戦線に配置されていたJG52戦闘隊で、プロペラスピナ部分に黒いチューリップの塗装がされたBf 109 G-4/R6に搭乗、部隊員と共同の一撃離脱戦法主体の戦闘の結果、1944年3月までの僅か1年で前人未到の300機撃墜を記録した。
航空戦史上、300機以上を撃墜したパイロットはハルトマンと、彼の同僚で上司のゲルハルト・バルクホルンのみである。

相対するソビエト空軍はその機体塗装と頻繁に出現する地域から、彼を「ウクライナの黒い悪魔」と呼んだ。


あらゆる状況においても生還することを信条としていたため、彼の部下を含めて死者ゼロで戦い続けたことも特筆に値する。

最終的に被撃墜は16回、撃墜数は352機に達し、今後も決して破られることが無いであろう世界記録*2を樹立した。
この時、ハルトマンは弱冠23歳であった。

戦後、彼はソビエトの捕虜となり、長い抑留生活を余儀なくされた。
そして、終戦から10年後の1955年10月に帰国し、家族との再会を果たした。
後の1956年には西ドイツ空軍パイロットとなり、航空団司令などを歴任していたが、1970年には48歳という若さで現役を退いた*3
(これは、当時空軍が検討していたF-104の導入に強く反対し、歯に衣を着せぬ批判を行ったことが空軍上層部の不興を買ったため、と言われている)

その後は一民間人として1990年の東西ドイツ統一を見届け、1993年9月20日に71歳で亡くなっている。

関連:Bf109 エースパイロット ゲルハルト・バルクホルン


*1 Bubi:坊やの意。
*2 エースパイロットの項にもあるように、現代では航空機及び搭乗員の調達・養成コストが高騰したことと航空戦の複雑化、大量破壊兵器の登場で全面戦争が起きなくなったことで、エースパイロットの生まれる余地がなくなっている。
*3 退役時の最終階級空軍少将(退役時に大佐から名誉昇進)。

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