Last-modified: 2024-02-24 (土) 14:40:11 (62d)

【少将】(しょうしょう)

軍隊における階級の一つで、将官に区分され、中将の下、大佐・准将もしくは代将の上に位置する。
英呼称はMajor general(陸軍空軍)、Rear admiral(海軍)、Air vice marshal(イギリス空軍)。
NATOが定めた階級符号では、概ね「OF-7」に相当する。

フランス革命方式では補職により、「師団将軍」または「旅団将軍」と呼称される。

「現在」のフランス軍では、Général de divsion(陸軍)/Vice-amiral(海軍)/Général de division aérienne(空軍)と呼称している。
ただし、少将相当官となるのは第二次世界大戦後のことで、それまでは中将であった。
第一次世界大戦では将官の階級が2ランクしかなかったため、軍団長以上の上級指揮官は星章の下あるいは上に横棒を付け、呼称をGénéral de division ayant un commandement supérieur(より上級の部隊を保持する師団将軍)として大将位*1とし、他国軍との階級バランスを取っていた。

また、伝統的に「軍人の最高位」とされ、中将大将は役職に応じて付随する「地位」とされる。
なお、陸軍の中将・大将が現在の様な階級呼称になるのは1939年6月6日以降である*2

この様に、少将を公式の最高位とする例にアメリカ軍がある。

少将の階級に補せられた軍人は、軍種に応じ、主に以下のような配置を勤めるが、例外も多々ある。

陸軍
師団長(准将の階級がない陸軍では旅団長)、陸軍省の各局長など
海軍
小規模な艦隊の司令官、次等のタイプ部隊、戦隊、または軍港の司令官、海軍省の各局長など
空軍
次等の航空軍の司令官、航空師団長(准将の階級のない空軍では航空団司令官)、空軍省の各局長など

アメリカ海軍イタリア海軍の様に上級と下級に分け、下級少将を准将相当官としたり、フランス海軍の様に少将そのものを准将相当官とする例も見受けられる。

日本における「少将」

大日本帝国陸軍または海軍での少将は、大日本帝国の官僚制度で「勅任官」とされていた。
陸軍では主に旅団長などに、海軍では主に戦隊司令官などに充てられていた*3
但し、第二次世界大戦末期には、佐官から戦時昇進した若手を登用する意味から少将で師団長に就任した者がいた。

エモリー・アプトン (Emory Upton) 著報告集「欧亜の陸軍(The Armies of Europe & Asia)」1878年邦訳の86〜87頁では明治初期のアメリカ陸軍では本階級を准将相当とし、日本軍の将官を准将、少将、大将の三階級制と記載されている。

その後の自衛隊においては、「陸海空将補」がこれに相当する。
但し、実際には補職によりアメリカ軍の少将および准将の扱いを受ける、いわゆる対外的な階級区分が内在しており、旅団長等とそれと同位あるいは準じる外国軍の准将ポストに対応する職にある将補は准将の、それ以外の職にある将補*4および師団長や防大幹事等とそれと同位あるいは準じる職にある将は外国では少将の扱いを受ける。


*1 袖の階級章の横棒は星章の下と統一されていたのに対し、ケピ帽の階級章は明確な規定は無いらしく、星章の上か下に付けられていた。
*2 今日の中将および大将の階級は1921年3月17日に制定されたが、当時は陸軍大将が「Général commandant de corps d'armée」、陸軍上級大将は「Généaral commandant d'armée」一方、海軍大将は「Vice-amiral commandant d'escadre」、海軍上級大将は「Vice-amiral chef d'état-major général de la marine」と呼称していた。
*3 陸軍次官、参謀次長、海軍次官、軍令部次長にも充てられていた(この場合、高等官一等の待遇である)。
*4 各幕の部長等。俸給表(1)、(2)の区分問わず。

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