【T-1】(てぃーわん)

  1. 富士T-1「初鷹」
    富士重工業が製作した国産初のジェット練習機
    また同時に、第二次世界大戦後に日本が初めて製作した実用航空機でもあった。

    航空自衛隊に納入されていた、ノースアメリカンT-6「テキサン」練習機の後継機として1955(昭和30)年から開発計画が始まり、富士重工業の案が採用された。
    試作初号機は1958(昭和33)年1月16日に初飛行を行なった。

    当初はエンジンも含めて国産する計画だったが、エンジンの開発が遅延して納期に間に合わず、イギリス製の「ブリストル・オーフュースMk.805」を搭載することになった。
    このモデルは「A型」と呼ばれ、46機が生産された。
    後に国産(石川島播磨重工製)の「IHI J3-IHI-7B」ターボジェットエンジンを搭載*1した「B型」が登場、こちらは20機が生産された。

    有事の際は12.7mm機銃や空対空ミサイルなどの武装を施し、簡易軽戦闘機としても運用できるようになっていたが、幸いその機能は一度も使われること無く、後継のT-4へ道を譲って2006年までに全機が退役した。

    【スペックデータ】
    乗員:2名
    全長:12.1m
    全高:4.1m
    全幅:10.5m
    主翼面積:22.2
    空虚重量:2,767kg(T-1A)/2,858kg(T-1B)
    最大離陸重量:4150kg(T-1A)/4,355kg(T-1B)
    エンジン:
    ブリストルシドレー製オーフュースMk.805ターボジェットエンジン(推力17.8kN)×1基(T-1A)
    IHI製J3-IHI-7Bターボジェットエンジン(推力13.7kN)×1基(T-1B)
    最大速度:マッハ0.8(T-1A)/マッハ0.78(T-1)
    海面上昇率:1,980m/min(T-1A)/1,588m/min(T-1B)
    実用上昇限度:16,155m(T-1A)/13,410m(T-1B)
    航続距離:500nm(T-1A、増槽使用時)/485nm(T-1B、増槽使用時)
    武装:固定武装に12.7mm機関銃×1、翼下に機銃ポッド、AIM-9、340kg爆弾、増槽などを装備可能。

    【派生型】
    • T1F1:T-1B原型機。2機製造。
    • T1F2:T-1A原型機。6機製造。
    • T-1A:RR社製オーフュースMk.805エンジン搭載型。46機製造。2001年退役。
    • T-1B:IHI製J3-IHI-7Bエンジン搭載型。A型より燃費が向上している。20機製造。2006年退役。
    • T-1B-10:J3の強化型であるJ3-7エンジンを搭載した型。B型全機改修。


  2. レイセオンT-1A Jayhawk(ジェイホーク)
    アメリカ空軍?が多発大型機(爆撃機輸送機AWACS等)に搭乗するパイロット候補生向けとして使用している練習機
    当初は「T-41」と呼ばれていた。

    本機はレイセオン社の双発ビジネスジェット機「ホーカー400」を軍用に改修したものであるが、更に源流を遡ると、日本の三菱重工がアメリカの現地法人名義で生産していた「MU-300"ダイヤモンド"」に行きつく。*2*3

    本機は1994年、母国・日本の航空自衛隊にも輸送機・救難機などの乗員を教育する次期多発機乗員訓練機 (TC-X) として、「T-400」の名称で13機が「逆輸入」された。

    【スペックデータ】
    乗員:2名+兵員9名
    全長:14.75m
    全高:4.24m
    全幅:13.25m
    主翼面積:22.43
    空虚重量:4,590kg
    最大離陸重量:7,300kg
    燃料搭載量:2,775リットル(機体内)
    エンジン:P&W・C製JT5D-5ターボファンエンジン(推力12.9kN)2基
    速度;マッハ0.78(最大)/726km/h(長距離巡航時)
    実用上昇限度:13,230m
    航続距離:1,674nm
    離着陸距離(離陸/着陸):1,160m/1,070m

    【派生型】
    • MU-300:三菱で開発された機体。該当項目を参照。
    • T-1 JAYHAWK:軍用向け機体の米空軍呼称。TTTS(給油/輸送機訓練システム)用に装備を改修してある。
    • T-400:航空自衛隊での呼称。多発大型機操縦士の訓練用に使用される。

*1 後には強化型のJ3-IHI-7Bに転換。
*2 三菱が同機の生産・販売権をビーチ社に売却、更にそのビーチ社がレイセオンに吸収合併されて現在の形になった。
*3 このため、本機はアメリカ軍に制式採用された外国製航空機の数少ない例ともいえる。

トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS