【M117】(えむいちいちなな)

アメリカ製の750ポンド通常爆弾

朝鮮戦争に投入されて以来、1950年代から1970年代までのアメリカ製軍用機の搭載兵装の一つとして数多く生産され、F-100F-104F-105F-111F-4などの数々の名機に搭載された。

その後はより抵抗の少ないMk.80系、あるいはレーザー誘導爆弾などの登場によって航空任務の第一線を退いたが、1990年代の湾岸戦争など、大規模な空爆の際には現代での使用にも耐える*1
また、航空自衛隊では91式爆弾用誘導装置を取り付けることで対艦攻撃用誘導爆弾としても運用している。

アメリカ空軍では、2015年6月にアンダーセン空軍基地にてPACAFに残存する最後のM117がB-52より投下され、運用が終了した。

スペックデータ

種別航空機搭載用爆弾(汎用爆弾)
全長2.06〜2.16m
翼幅520mm
重量340kg
弾体直径480mm
最大射程使用法に応じて変化。
弾頭トリトナール
炸薬量183kg


バリエーション

  • M117R:
    低抵抗/高抵抗爆弾型。
    高抵抗状態もしくは低抵抗状態で投下するというオプションを加えるため、特別な組立ての尾翼を用いる。

    • MAU-103/MAU-91:
      M117Rに装着される尾部ユニット。
      MAU-103は低抵抗テイル、MAU-91は高抵抗テイルとなっている。

  • M117D:
    機雷としても使用できるよう、磁気感応式の信管を採用した型。

  • MC-1:
    弾体の空隙部に神経ガス「サリン」を充填した特殊爆弾
    2006年6月にアメリカの備蓄弾薬から撤廃された。

  • BOLT-117*2(GBU-1/B):
    1967年〜1968年にかけて開発された、レーザー誘導爆弾型。
    構成はペイブウェイシリーズと同様に、M117の弾体の前部にKMU-342 レーザーシーカーヘッド、後部にフィンを装着するが、操舵翼は後端部に配置されている。
    使用は比較的短期間に留まり、ペイブウェイシリーズに取って代わられた。


*1 とはいえ、そのように無軌道な空爆を行う機会が今後あるかは不透明だが。
*2 BOmb, Laser Terminal-117の略。

トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS