【Il-18】(あいえるじゅうはち)

1950年代、旧ソ連のイリューシン設計局が開発・生産した中長距離向け四発ターボプロップ旅客機
NATOコードは"Coot(クート)(オオバンの意)"。

機体は、同時期にアメリカで開発・生産されていたロッキードL-188「エレクトラ」に似て、4基のターボプロップエンジンを備えていた。
また、同時期のソ連製旅客機とは異なり、最初から純粋な旅客機として開発されたため、経済性もよく、着陸性能もよかった。
客室の座席配置は3-2の横5列配置で、通路は中央のみになっていた。

本機は後に電子戦機・Il-20や対潜哨戒機・Il-38などといったバリエーションが生み出され、700機近くが生産された。
ソ連やポーランド・ブルガリア・チェコスロバキアや中華人民共和国などの東側諸国や、それらと関係の深かった発展途上国にも多く輸出され、政府専用機として用いられた機体もあった。

スペックデータ(Il-18D)

乗員9名
乗客数65〜120名
全長35.9m
胴体直径3.5m
全高10.165m
翼幅37.4m
翼面積140
空虚重量35,000kg
最大重量
離陸/着陸
64,000kg/52,600kg
最大零燃料重量48,800kg
燃料容量30,000L
エンジンイーフチェンコ AI-20M軸流ターボプロップ×4基
(出力4,250hp(3,170kW))
プロペラAW-68I 4枚定速プロペラ(直径4.5m)
電源TG-16M補助電源装置(28V DC)
最高速度675km/h
巡航速度625km/h(高度8,000m)
航続距離6,500km(ペイロード6,500kg、最大燃料および1時間の予備)
3,700km(最大ペイロード13,500kg、最大連続出力の84〜85%)
上昇限度11,800m
最小アプローチICAO CAT1判定高さ:60m/800m(可視)または550m RVR
滑走距離
(離陸/着陸)
1,350m/850m


バリエーション

  • Il-18:
    プロトタイプ。

  • Il-18A:
    前生産型。
    エンジンは20番機までクズネツォフNK-4搭載、それ以降はイーフチェンコAI-20を搭載。

  • Il-18B:
    主要生産型。
    スペックはIl-18(21番機以降)と同じであるが、座席配置が変更されたため最大座席数が84席に増加している。

  • Il-18V:
    アエロフロート向け。
    最大座席数が90〜100席までに拡大され、客室窓の配置も変更されている。

  • Il-18I:
    エンジンをAI-20M(出力4,250shp)に換装したプロトタイプ。
    燃料タンク容量が増加し、最大座席数も110-122席まで拡大している。

  • Il-18D:
    Il-18Iの生産型。

  • Il-18E:
    Il-18Iの生産型。Il-18Iのように燃料タンク容量は増加していない。

    • Il-18E Salon:
      VIP輸送機型。

  • Il-18T:
    後年アエロフロートによって改造された貨物専用機型。

    • Il-18AT:
      A型の軍用輸送機型。

    • Il-18BT:
      B型の軍用輸送機型。

    • Il-18VT:
      V型の軍用輸送機型。

  • Il-20:
    電子情報支援機型。
    NATOコードは同じく「クート(Coot)」。

    • Il-20M:
      COMINT/ELINT機型。
      NATOコードは「クートA(Coot-A)」。

    • Il-20RT:
      宇宙活動支援に使用されたテレメトリー機型。

  • Il-22:
    空中コマンドポスト型。
    NATOコードは「クートB(Coot-B)」。

    • Il-22M:
      空中コマンドポスト仕様。近代化された作戦機器を装備。

    • Il-22PP:
      電子偵察機型。

  • Il-38?
    主翼位置の変更などの改設計を行った対潜哨戒機型。
    詳しくは項を参照。

  • Il-118:
    Lotarev D-236Tプロップファンエンジンを2基搭載するアップグレード案。

トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS