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【G3】 †
Heckler & Koch G3
西ドイツ(現ドイツ)のH&K社が開発した自動小銃。使用弾薬は7.62mmNATO弾。
本銃の起源は第二次世界大戦の末期に遡る。
当時のナチス政権下で開発されていた突撃銃のStG45は、完成を待たずに敗戦となってしまったが、戦後スペインへ渡った技術者たちの手により「セトメ?」突撃銃として結実した。
一方、そのころの西ドイツ陸軍は、ベルギーからFAL小銃を輸入し、「G1」の呼称で採用していた。
しかし、ドイツでのライセンス生産が許可されず、安定した調達に不安があり、またフルオートの安定性が悪かったことなどから、国産自動小銃の開発を模索していた。
このため、セトメのパテントを買い戻して技術者を呼び戻し、改良を加えて完成したものがG3の呼称で採用された。
この銃が持つ構造上の特徴は、ローラーロッキングとディレイドブローバックの組み合わせである。
ローラーロッキングはMG42などにも採用されていたが、G3はMG42のようなショートリコイルではなく、銃身の固定された擬似閉鎖機構のディレイドブローバックを採った。
これらにより発射時の反動やブレを抑え、7.62mm口径の銃としてはフルオート時を含め高い命中精度を誇っている。
一方でこの機構は複雑であり、コストが高く手入れが煩雑という弱点を持っている。
信頼性の低下を防ぐために硬度や精度の高い部品を採用していることが、いっそうコストを高めている。
また異物の混入を防ぐためか、自動火器では一般的なホールドオープン機能を備えておらず、撃ち尽くした後の弾倉交換に手間がかかるという弱点もある。
しかし、一般に反動が大きすぎる7.62mm口径の銃の中では非常に撃ちやすいため、G3を採用した国は多い。
スペックデータ †
種別 | 自動小銃 |
口径 | 7.62mm |
全長 | 1,026mm |
銃身長 | 450mm |
重量 | 4,410g |
装弾数 | 20発(箱型弾倉) 30発、43発(箱型弾倉) 50発(ドラム型弾倉) |
使用弾薬 | 7.62mm NATO弾 |
作動方式 | ローラー・ロッキング/ディレイド・ブローバック |
発射速度 | 600発/分 |
銃口初速 | 790m/秒 |
有効射程 | 500m |
主なバリエーション †
- G3:基本形
- G3A1:MP40やAKMSに類似した回転式折り畳み銃床型
- G3A2:回転ドラム式照門を備える型*1
- G3A3:樹脂製の先台や銃床を備える型で、最も普及している
- G3A3A1:両手利きトリガーグループモデル
- G3A1ZF:スコープ搭載モデル
- G3A4:伸縮式銃床型
- G3A4A1:両手利きトリガーグループモデル
- G3A5:A3のデンマーク向けモデル、デンマーク軍ではGv m/75として制式採用
- G3A6:A3のイラン向けモデル
- G3A7:A3のトルコ向けモデル
- G3A7A1:A4のトルコ向けモデル
- G3P4:G3A4にパキスタン・オーディナンス・ファクトリー(POF)社製のニ脚を付けたモデル
- G3K:カービンモデル
- G3KA4:G3A4のカービンモデル
- G3KA4A1:両手利きトリガーグループモデル
- G3SG/1:二脚とライフルスコープを備えたマークスマンライフル型
- G3-TGS:HK79グレネードランチャー搭載モデル
- G3BP:アメリカのArmament Research社が作ったブルパップ式ライフル
- Ak4:G3A3のスウェーデン製作モデル。M203グレネードランチャー、光学サイトが装着できる
- Ak4HV :Ak4のサイトを取り外し着脱式光学機器内臓キャリングハンドルを装備したもの
- BA-63:G3A3のミャンマーでのライセンス生産モデル
- BA-100:G3A3ZFのミャンマーライセンス生産モデル
- HK32:AK47と共通の弾薬・弾倉を用いる型
- HK32A3:カービンモデル
- HK33:5.56mm口径突撃銃
- T223:アメリカのH&R Firearms社でのライセンス生産型。
- HK33K:HK33のカービン型
- G41:M16と共通の弾薬・弾倉を用い、ポリゴナルライフルを備える
派生型 †
命中精度の高さや、運用方法の共通化などを理由に、G3の設計をもとにした様々な銃が造られている。