【035型】(ぜろさんごがた)

033型(ロメオ級?ライセンス生産型)の後継として1980年代に就役した中国海軍初の攻撃型潜水艦。
中国では035型または遠征65号級と呼称するが、NATOコードでは(ミン)型(中国歴代王朝の名称から)と呼ばれる。

033型をベースにした発展型で、設計においては潜行時の水中抵抗の減少、推進効率の向上および出力強化の3点を重視している。
船体は復殻構造を採用し、艦首に装備された潜舵は収納が可能である。
また、船尾には上下二枚の安定舵が設けられた。
機関は1番艦のみ陝西6E390-ZC型ディーゼル2基(4,800馬力)で、2番艦以降は改良型の陝西6E390-ZC-1型2基(5,200馬力)に換装されている。
蓄電池は「鉛-80」型4基、モーター2基を搭載しており、合計出力は7,000馬力である。

最終的に派生型を含む23隻が建造され、後継として039型が就役した後も主力潜水艦として20隻が現役である。

スペックデータ

乗員57名(うち士官10名)
全長76m/76.2m(035B型)
全幅7.6m
吃水5.1m
排水量
(水上/水中)
1,584t/2,113t
主機関ディーゼルエレクトリック方式 2軸推進
陝西6E390-ZCディーゼル(4,800馬力)×2基(1番艦)
陝西6E390-ZC-1ディーゼル(5,200馬力)×2基(2番艦以降)
「鉛-80」型蓄電池×4基、モーター×2基(計7,000馬力)
速力
(水上/水中/シュノーケル潜行時)
15kt/18kt/12kt
最大潜行深度300m
作戦遂行日数60日間
航続距離8,000nm/9kts(水上)
103,800nm/8kts(シュノーケル潜行時)
330nm/4kts(バッテリー潜行時)
武装533mm魚雷発射管×8門(艦首×6門、艦尾×2門)
(魚3(Yu-3)または魚4(Yu-4)533mm長魚雷を16発搭載)
YJ-82対艦ミサイル(035B型)
機雷×32発(魚雷を積まない場合)
レーダーMRK-50(スヌープトレイ)対水上レーダー×1基
ソナーDUUX-5低周波パッシブソナー
その他ESM装置×1基
レーダー波探知装置×1基


派生型

  • 035型:
    先行量産型。性能不足により1981年に退役。

  • 035A型:
    改良量産型。
    035型と比較して、水中速力などの性能が向上している。
    後に035G型に準じたアップグレードが施された。

  • 035G型:
    A型の改良型。
    兵器システムやソナー、静粛性の向上(騒音吸収材の採用および騒音発生の少ない形状のスクリューに換装)などが施された。
    ソナーはフランス製のDUUX-5を備える。

  • 035B型:
    G型の改良型。
    船体が2m延長され、静粛性改善の為に船体表面に吸音タイルが装着されたほか、YJ-82水中発射式艦対艦ミサイルの運用能力が新たに付与された。
    うち、艦番号308は船体長がさらに2m延長され、AIP実験艦として建造された。

同型艦

035型

艦番号艦名主造船所就役退役所属
161→231遠征61号
→遠征31号
武漢造船廠1974.4.1989.北海艦隊
162→232遠征62号
→遠征32号
江南造船廠1975.1989.北海艦隊
163→233遠征63号
→遠征33号
江南造船廠1979.1989.北海艦隊

035A型

艦番号艦名主造船所就役退役所属
342遠征42号武漢造船廠1987.北海艦隊
352遠征52号武漢造船廠1988.北海艦隊
353遠征53号武漢造船廠1989.北海艦隊
354遠征54号武漢造船廠1990.北海艦隊

035G型

艦番号艦名主造船所就役退役所属
356遠征56号武漢造船廠1990.12.北海艦隊
357遠征57号武漢造船廠1992.北海艦隊
358遠征58号武漢造船廠1993.北海艦隊
359遠征59号武漢造船廠1994.北海艦隊
360遠征60号武漢造船廠1995.北海艦隊
361遠征61号武漢造船廠1995.北海艦隊
362遠征62号武漢造船廠1996.北海艦隊
363遠征63号武漢造船廠1996.北海艦隊

035B型

艦番号艦名主造船所就役退役所属
305遠征5号武漢造船廠1998.南海艦隊
306遠征6号武漢造船廠1998.南海艦隊
307遠征7号武漢造船廠1999.南海艦隊
308遠征8号武漢造船廠1999.南海艦隊
310遠征10号武漢造船廠2001.南海艦隊
311遠征11号武漢造船廠南海艦隊
312遠征12号武漢造船廠南海艦隊
313遠征13号武漢造船廠南海艦隊



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