【無人機】(むじんき)

Unmanned Aerial Vehicle (UAV).

人間が乗らず、コンピュータによる自動操縦・遠隔操作で飛行する航空機
ドローン?」とも呼ばれる。

乗員を考慮する必要がないため安価に製造でき、撃墜されても人命が失われない。
反面でコンピュータの操作性には未だ難があり、有人戦闘機との直接対決には耐えない。
こうした特性を踏まえ、主に偵察機標的機として利用される。

その形状は多種多様である。
ホビーなどの技術蓄積から、最も小さいものは電池式の手投げサイズにまで小型化できる。
一方、サイズ・価格・機体性能*1の全てで有人偵察機に互するようなものも現れている。

関連:RQ-1 RQ-4 MQ-8? QH-50 X-45 X-47? QF-4
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Photo: USAF

余談:「無人機」を名乗ったミサイル

第二次世界大戦後、ミサイル技術の黎明期において、ミサイルが無人機として扱われていた時期があった。

当時、アメリカ空軍では地対空ミサイル空対空ミサイルは「無人戦闘機」として扱われた。
また同様に、地対地ミサイルや空対地ミサイルは「無人爆撃機」であった。

これは概念的には間違っているわけでもなかったが、書面上で恐ろしい事態を引き起こした。

ミサイルは交戦の度に失われる。
従って、ミサイルを航空機と同列で管理すると損耗率・未帰還率などの数字がとてつもない事になる。

必然的に、ミサイル航空機の分類から独立し、新たな型式を割り振られる事となった。

無人機とされたミサイルの一覧

旧名称(無人機)新名称(ミサイル)
無人戦闘機(地対空ミサイル/空対空ミサイル)
F-99「ボマーク」IM-99/CIM-10
F-98「ファルコン」AIM-4
無人爆撃機(地対地ミサイル/空対地ミサイル)
B-61「マタドール」MGM-1
B-62「スナーク」SM-62
XB-63「ラスカル」GAM-63
B-64「ナヴァホ」SM-64
B-65「アトラス」CGM/HGM-16
B-67「クロスボーGAM-67
B-68「タイタン」HGM-25
B-72「クエイル」*2ADM-20
B-73「ブルグース」SM-63
B-75「ソー」PGM-17
B-76「メース」MGM/CGM-13
B-77「ハウンドドッグ」AGM-28
B-78「ジュピター」PGM-19
B-80「ミニットマンLGM-30
B-83「ブルパップAGM-12
XB-87「スカイボルト」AGM-48

*1 合成開口レーダー・高精度カメラ・空対地ミサイルデータリンク、そして長大な戦闘行動半径
*2 実質はデコイミサイル。

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