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*&ruby(こたいねんりょうろけっと){【固体燃料ロケット】}; [#vf98e17f]
[[ロケットエンジン]]の一種。~
[[酸化剤]]と[[燃料]]を固形化した状態で燃焼室の内壁に貼り付けておき、それに点火して燃焼させる。~
推進剤の種類としては燃料(液体合成ゴムなど)と酸化剤(過塩素酸アンモニウムなど)を混合したものを用いる。~
モデルロケットのような小型のものでは[[黒色火薬>装薬]]が用いられている。~
[[ロケットエンジン]]のうち、推進剤が可燃性の固体であるもの。~
推進剤に点火し、その燃焼ガスを圧縮・放出する事で推進力を得る。~
合成ゴムなどの[[酸化剤]]と過塩素酸アンモニウムなどの[[燃料]]を混ぜたものを推進剤とするのが一般的。~
モデルロケットのような小型のものでは[[黒色火薬>装薬]]を用いる場合もある。~
最近では[[燃料]]のみが固体で、液体の[[酸化剤]]をポンプで送り込む新型の固体燃料ロケットの研究が進められている。~
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[[液体燃料ロケット]]に比べ、タンクやターボポンプなどの部品を必要としないため、比較して構造コストは安い。~
また燃料を重量に含めない上での推力重量比に優れるが、液体燃料に比べて比推力の少ない燃料を使うため、液体燃料ロケットに比して、同じ[[ペイロード]]を打ち上げるのに必要な燃料は多くなる。~
推進剤が固体であるためタンクやターボポンプなどの複雑な部品を必要せず、安価に製造できる。~
[[液体燃料ロケット]]よりも[[推力重量比]]が低く、[[ペイロード]]に比して多くの燃料を必要とする。~
また、ロケット内部が燃焼による高温高圧にさらされるため、構造上あまり大出力のロケットには適さない。~

その構造上、いったん点火すると燃料が燃え尽きるまで[[推力]]を調整できない((消火装置や圧力開放弁などを取り付ける事は可能だが、運用上あまり現実的ではない。))。~
飛行中の速度制御が必要な場合、事前に燃料の配置を整えて事によって火力を調整する。~
この事は飛行中のアクシデントからの生還を極めて困難にしており、有人飛行には著しく不適格である。~

主な用途は[[ロケット弾]]や[[ミサイル]]など[[ロケットエンジン]]を使い捨てる機器である。~
また、[[宇宙ロケット]]打ち上げ用の補助動力として固体燃料ロケット[[ブースター]](SRB:Solid Rocket Booster)を使う事も多い。~
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推進剤はケース内で着火され、その燃焼ガスはスロートと呼ばれる絞りで圧縮された後、ノズルから放出される。~
そのため、ロケット内面も高温ガスや高圧から保護する必要がある。~
よって、ケースが大型になるロケットには適さない。~
また、推進剤に一度火がつくと、基本的には燃え尽きるまで火が消せないため、[[推力]]の制御はきわめて困難であり、有人での主[[エンジン]]には適さない。~
実際の燃焼中の推力の制御は、ケース内部の空洞の形状を工夫することにより、事前に決めることになる。~
また、消火装置を組み込んだり、ケース内部圧力の開放弁を取り付けることにより消火することも不可能ではない。~
日本の[[JAXA]]が運用する学術調査用ロケット「[[ミュー5型(M-V)>ミューロケット]]」でも用いられている。~
これは世界でほぼ唯一の「固体燃料ロケットのみで月面に到達可能なロケット」である。~
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用途としては、[[ロケット弾]]や高速飛翔する[[ミサイル]]の主推進装置、[[巡航ミサイル]]や[[対艦ミサイル]]の初期加速用[[ブースター]]などに適する。~
また、[[宇宙ロケット]]などを打ち上げる際の補助として、固体燃料ロケットブースター(SRB:Solid Rocket Booster)として使われることも多い。~
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日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構。宇宙開発事業団と宇宙科学研究所を統合した団体)が運用している学術調査用ロケット「[[ミュー5型(M-V)>ミューロケット]]」は、世界でほぼ唯一の「全段固体燃料ロケットで月まで行ける」ロケットで、世界にも誇れる性能を持つが、自国民にはこのことが殆ど知られていない。~
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また、最近は[[燃料]]のみを貼り付け、[[酸化剤]]をポンプでケースに供給する新しいタイプの固体燃料ロケットの研究が進められている。~
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参考:~
JAXAスペース百科 固体燃料ロケットと液体燃料ロケット( http://spaceinfo.jaxa.jp/note/rocket/j/roc03_j.html )~
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関連:[[巡航ミサイル]] [[対艦ミサイル]]


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