【ウラン】(ウラン)

Uranium.
「ウラニウム」とも表記されるが、日本語での正式名称は「ウラン」である。
その名は当時発見された新惑星である天王星(Uranus)に由来する。

原子番号92、元素記号「U」、質量数234,235,238。地球上の自然環境で存在する中で最も重い物質である。
地殻・海水・人体など地球上のあらゆる土地に微量に存在するが、精錬可能なほど高濃度で密集した鉱床は世界でも限られている。
主な産地はカナダ、南アフリカ共和国、オーストラリア、アメリカ、カザフスタンなど。

放射性物質として有名だが、前述の通りありふれた物質であり、極端に濃縮されていない限り健康被害はない。
工業用途はほぼ核分裂のみに限られるが、地球上のウランの99.3%以上は臨界を起こせないウラン238で占められる。
原子炉核兵器に利用するためには核分裂を起こしやすいウラン235を濃縮する必要がある*1

軽水炉では低濃縮ウラン(ウラン235含有率3〜4%程度)が主に利用される。
核兵器や、より先進的な原子炉では、高濃縮ウラン(ウラン235含有率70%以上)が用いられる。

関連:劣化ウラン弾 プルトニウム


*1 重水炉黒鉛炉では、ウラン235濃度の低い天然ウラニウムでも核反応を起こすことが可能である。

トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS