Last-modified: 2022-01-26 (水) 19:01:36 (821d)

【放射性物質】(ほうしゃせいぶっしつ)

自己の質量の一部を崩壊させて放射線に変換する性質(放射能)を持った物質の総称。

広義の放射性物質は自然界のどこにでも存在し、炭素14・カリウム40など生物の必須元素にも放射性物質が含まれる。
考古学的な年代測定の手法として物体が含有する放射性物質の質量を調べる事も広く行われている。
ただし、報道などでこの語を用いる場合は放射線によって生体を短期間で死に至らしめるものだけを指す。

狭義の放射性物質は核兵器の原材料として有名である。
ただし、これらの物質が地球で発生しうる自然環境で核爆発を起こす事はない。
濃度などを調節して外部からエネルギーを加える事で初めて起爆する。

原子炉を利用する発電所・大型船舶についても同様で、原子炉が破壊されても核爆発は生じない。
原子力事故で起こりうる最も悲惨な事態は、放射性物質が飛散・紛失して生物を被曝させる事態である。

レントゲン機材として使われる少量の放射性物質でも、知識のない人間が防護なしに所持する事は死を意味する。

特に問題なのは、何らかの用途に使用された後の放射性廃棄物の処理である。
放射性物質はしばしば高レベル放射能を維持したまま廃棄する必要が生じ、そのコスト・環境負荷・潜在的危険性は莫大なものである。
放射能を失った低レベル放射性廃棄物劣化ウラン弾などの使い捨て同然の用途に転用される事もある。


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