【アレスティングギア】 †
Arresting gear
(航空母艦用)着艦拘束装置。
航空母艦に着艦する艦上機を拘束するために用いられる、アレスティングワイヤーとアレスティングエンジン(後述)を組み合わせた装置のこと。
基本的に航空母艦用の装備だが、着艦訓練用として陸上基地の滑走路へ装備されることもある。
アレスティングエンジン †
アレスティングエンジンとは、アレスティングワイヤーを張ったり緩めたりする油圧装置である。
飛行甲板の長さは(船体サイズの制約もあって)限られており、そのままでは着艦後の減速・停止に充分ではないため、艦上機はアレスティングフックをアレスティングワイヤーに引っ掛けて強制的に制動をかける。
しかし、急激な制動をおこなうと機体や乗員に致命的な衝撃が加わるため、アレスティングエンジンによってワイヤーを緩めながら制動をかける。
制動が終わり、フックからワイヤーが離れると、アレスティングエンジンはワイヤーを定位置まで巻き戻す。
「緩めながら制動をかける」といっても、ワイヤーには約50tもの張力がかかるといわれ、機体や乗員にも大きな衝撃が加わる。
アレスティングギアがあっても、着艦がきわめて危険な作業であることには変わりない。