【DC-8】(でぃーしーえいと) †

Douglas DC-8*1.

アメリカのダグラス・エアクラフト社が1950年代に開発した、4発大型ジェット旅客機。
同社初のジェット旅客機で、世界で初めて超音速飛行を行った旅客機でもあった。

当時、ダグラスはDC-6・DC-7Cといったレシプロ旅客機を大量生産し、世界の旅客機市場で最大のシェアを誇っていたが、DC-7Cに続く80席級の中型機として開発がはじめられた。
その後、サイズはボーイング社のB707と同様のサイズに変更されて生産が始まり、1955年にパンアメリカン航空から25機を受注したのを皮切りに、各国から133機の受注を得たが、先に開発の始まっていたB707に対する遅れを取り戻すために「試作機の製作」が省かれ、最初から量産機の生産を始めるという手法で開発がすすめられた。

その結果、B707から約1年遅れの1959年9月に就航*2、以後、世界各国の航空会社からも発注を受け、各社の長距離路線のジェット化に貢献した。

本機やB707の就役に伴い、それまで太平洋・大西洋横断航路などに就航していた大型外航客船は引退を余儀なくされた。

その後、本機はエンジンをターボファンに換装した型や胴体延長型*3も含め、1972年に生産中止となるまでに556機が生産され、世界各国の航空会社で活躍したが、2010年代現在では老朽化や運航コストの高さ*4、燃費効率の悪さや騒音規制への対応難もあって、現役で飛行しているのは数十機程度と言われている*5。

*1 型番の「DC」は"Douglas Commercial"の略。
*2 最初に就航させたのはユナイテッド航空及びデルタ航空。
*3 B707は機体構造の関係上、胴体の延長ができなかった。
*4 航空機関士の乗務が必要となるため。
*5 大部分は貨物機や政府専用機として用いられている、という。

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