【陸上自衛隊特殊作戦群】(りくじょうじえいたいとくしゅさくせんぐん)

概要
創設2004年(平成16年)3月29日
所属国日本国
部隊編制単位
兵種、任務、特性特殊作戦
上級部隊陸上総隊*1
所在地習志野駐屯地(千葉県船橋市)*2

JGSDF Special Forces Group(SFGp)

陸上自衛隊陸上総隊の隷下に属する特殊部隊(軍事SOF)。
陸上自衛隊で唯一、正式に特殊部隊である事を明言された部隊である*3

本隊の現時点における主要任務は「対テロリズム及び対ゲリラコマンド作戦」とされている。
将来的には、他国での偵察特殊作戦・情報戦など、多様な任務に対応しうる世界水準の特殊部隊を目指しているという。

人員は約300名とされており、この内、実戦要員が約200名で、残りの約100名は群本部での勤務や後方支援、選考検査や教育訓練の実施を担当すると言われている。
編成・装備・訓練はアメリカ陸軍の「グリーンベレー」や「デルタフォース」を手本としているというが、現時点では制度研究・実験的側面が強く、自費で他国の民間軍事会社に研修に出向く隊員も多いという。

発足当時の陸上幕僚長の言によると
「様々な専門技能の習得などに時間がかかるため、実戦投入可能になるには10年から15年はかかる」
と言われていた。

秘匿性

この部隊は、陸上自衛隊において「特殊部隊」とされている他の部隊と比べても非常に秘匿性が高い。
想定される任務・訓練の詳細、保有する装備などは一切公表されておらず、式典などに参加することがあっても、一部の幹部を除いて顔をバラクラバで隠している。
個々の隊員も厳格な防諜を行っており、家族に所属部隊名を言うだけでも守秘義務違反となる。
その隊舎(と推定される建物)には部隊名も掲げられず、扉も完全オートロックで、同じ駐屯地に所在する他の部隊の隊員からも「よくわからない」と言われている。

ただし、これは「自衛隊の部隊としては秘密が多い」という事である。
一般的に「特殊部隊」とされる部隊の隊員は、敵対勢力による報復の回避や任務に関わる機密保持*4のため、その身分や顔を隠すことは珍しくない。

しかし2022年(令和4年)8月に、オーストラリア陸軍の「第2コマンド連隊」と合同訓練を行ったことが、特殊作戦群隊員の人物写真と共に同国国防省の公式ウェブサイトにて掲載され、10月には陸上自衛隊が史上初となる特殊作戦群の訓練に関する公式発表を行った。


*1 創設日から2007年3月27日までは防衛大臣直轄の部隊として、2007年3月28日から2018年3月26日までは中央即応集団隷下の部隊として活動していた。
*2 同所には第1空挺団も所在。
*3 第1空挺団冬季戦技教育隊など、「特殊部隊的な役割を担う」とされた部隊はいくつか存在していたが、特殊部隊であることを明言されたのは本部隊のみである。
*4 軍事特殊部隊は戦闘員スパイの境界線に属する特殊作戦を扱うし、警察特殊部隊は一般的な警察官の規範をあえて逸脱した行動を行うため。

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