【アヴェンジャー】(あヴぇんじゃー)

  1. USS Avenger Class
    アメリカ海軍掃海艦*1
    高性能・深深度化するソ連の機雷に対処できる掃海艦として建造された。
    アメリカ海軍では20年ぶりに建造された掃海艦である。

    艦体は木製であるが、表面に耐水性能向上のため、FRP加工を行っている。
    一本煙突の艦であり、掃海作業用に艦尾が一段低くなっている。

    実戦では湾岸戦争などに投入されている。

    スペックデータ
    船型船首楼型
    排水量
    (軽荷/満載
    1,195t/1.379t
    全長68.4m
    全幅11.9m
    喫水4.6m
    推進方式CODAD方式
    機関ウォキショー(Waukesha)L-1616ディーゼル×4基
    イソッタ・フラスキーニ ID36 SS6V-AMディーゼル×4基(MCM-3〜MCM-14)
    推進器スクリュープロペラ×2軸
    低速電動機×2基(掃討時)
    バウスラスター
    出力570hp/計2,280hp(L-1616)
    650hp/2,600hp(ID36 SS6V-AM)
    200hp/計400hp(低速電動機)
    電源ディーゼル発電機×4基(1,125kW)
    シーメンス-アリス-ソラー社製ガスタービン発電機(1,750kW)(掃海発電機)
    巡航速度14ノット
    乗員士官8名、兵員76名
    武装ブローニングM2 12.7mm機関銃×4挺
    C4ISTARAN/SSN-2(V) PINS*2
    AN/SYQ-13航法・指揮統制システム
    (1994年よりAN/SYQ-15*3に更新)
    レーダーAN/SPS-55 対水上レーダー×1基
    AN/SPS-66航海レーダー×1基
    ソナーAN/SQQ-32(V)3 可変深度ソナー×1基(対機雷用)
    AN/SQQ-30対機雷用ソナー(MCM-2、MCM-8)
    掃海装備AN/SLQ-48自走式機雷処分具
    シーフォックス自走式機雷処分用弾薬(EMD)
    AN/SLQ-37感応掃海具
    AN/SLQ-38係維掃海具

    同型艦
    艦番号艦名造船所起工就役退役母港
    MCM-1アヴェンジャー
    (USS Avenger)
    ピーターソン
    造船
    1983.6.31987.9.12.2014.9.30佐世保
    MCM-2ディフェンダー
    (USS Defender)
    マリネット
    マリン
    1983.12.11987.4.42014.10.1
    MCM-3セントリー
    (USS Sentry)
    ピーターソン
    造船
    1984.10.81989.9.2マナマ
    MCM-4チャンピオン
    (USS Champion)
    マリネット
    マリン
    1984.6.281991.2.82020.8.25サンディエゴ
    MCM-5ガーディアン
    (USS Guardian)
    ピーターソン
    造船
    1985.5.81989.12.162013.2.15*4佐世保
    MCM-6デヴァステイター
    (USS Devastator)
    1987.2.91990.10.6マナマ
    MCM-7パトリオット
    (USS Patriot)
    マリネット
    マリン
    1987.3.311991.12.13佐世保
    MCM-8スカウト
    (USS Scout)
    ピーターソン
    造船
    1987.6.81990.12.152020.8.26サンディエゴ
    MCM-9パイオニア
    (USS Pioneer)
    1989.6.51992.12.7佐世保
    MCM-10ウォーリア
    (USS Warrior)
    1989.9.151993.4.7
    MCM-11グラディエイター
    (USS Gladiator)
    1990.5.71993.9.18マナマ
    MCM-12アーデント
    (USS Ardent)
    1990.10.221994.2.182020.8.27サンディエゴ
    MCM-13デクストラス
    (USS Dextrous)
    1991.3.111994.7.9マナマ
    MCM-14チーフ
    (USS Chief)
    1991.8.191994.11.5佐世保

  2. イギリス海軍の護衛空母
    第二次世界大戦中にレンドリース法によってアメリカ海軍から貸与された護衛空母の第一グループで、戦時標準貨物船(「リオ・ハドソン(アヴェンジャー)」、「リオ・パラナ(バイター)」、「リオ・デ・ラ・プラタ(チャージャー)」、「リオ・デ・ジャネイロ(ダッシャー)」)4隻を改装したものである。

    基本的な設計は同じく貨物船から改装された「アーチャー」とほぼ同じである。
    しかし、改装時期により艦形が異なり、「アヴェンジャー」と「チャージャー」は平甲板型であったが、「バイター」と「ダッシャー」は右舷側に艦橋を設置していた。

    改装された4隻のうち、「チャージャー」だけはアメリカ海軍に返還され、艦載機パイロットの訓練用空母として使用されていた。
    また、「バイター」は第二次大戦後はフランス海軍に貸与され、1960年代まで現役として使用されていた。

    スペックデータ
    主建造所サン造船
    排水量
    基準/満載
    10,366t/15,120t
    全長151.25m
    水線長150m
    艦幅23.7m
    水線幅21.2m
    喫水
    (基準/満載)
    6.7m/7.67m
    飛行甲板縦:120m/134.7m(1942年)
    横:21.3m
    機関ドックスフォード 2サイクル過給6気筒ディーゼルエンジン×4基1軸推進
    機関出力4,250hp×2基、計8,500hp
    最大速力16.5ノット
    航続距離-
    燃料重油:1,362t
    航空燃料:164t
    乗員555名
    兵装Mark9 50口径10.2cm単装速射砲×3基
    アームストロング Mark5 45口径10.2cm高角砲×3基(1943年)
    エリコンFF 76口径20mm単装機銃×15基
    ブローニングM2 90口径12.7mm単装機銃×6基
    艦載機15機(ソードフィッシュマートレットシーハリケーンなど)
    装備エレベーター×1基
    カタパルト×1基


    同型艦
    艦番号艦名起工進水就役退役備考
    D14アヴェンジャー
    (HMS Avenger)
    1940.1940.11.271942.5.21942.11.15 戦没*5
    D97バイター
    (HMS Biter)

    ディズミュド
    (FS Dixmude)
    1939.12.281940.12.181942.5.11966.1945.
    フランス海軍に移管
    1966.アメリカに返還
    同年標的艦として沈没
    D37ダッシャー
    (HMS Dassher)
    1940.3.141941.4.121942.7.21943.3.27
    爆発事故*6により沈没。
    BAVG-4チャージャー
    (HMS Charger)
    1940.1.191941.3.11942.3.31946.3.151942.1.14 艦種変更
    (AVG-30)
    1942.8.20 艦種変更
    (ACV-30)
    1943.7.15 艦種変更
    (CVE-30)
    1947.1.30
    貨物船として売却
    (「フェアシー(Fairsea)」)
    1969.
    スクラップとして売却

  3. イギリス海軍のアマゾン級(21型)フリゲートの一隻。
    後にパキスタン海軍に売却され、「ティップ・スルタン」として就役した。

  4. アメリカ海軍雷撃機TBF/TBM?の愛称。

  5. アメリカ海軍が計画していた艦上攻撃機A-12?の愛称。

  6. アメリカ空軍が開発中のUCAV。詳しくはRQ-1を参照。

  7. アメリカ陸軍地対空ミサイルシステム。詳しくはFIM-92を参照。

  8. ジェネラル・エレクトリック製の7銃身30mmガトリング砲GAU-8の愛称。

  9. A30 アベンジャー巡航戦車
    チャレンジャー巡航戦車の派生型。
    オープントップ型の砲塔に17ポンド砲を備えた自走砲である。
    約250両が生産され、BAOR(イギリス陸軍ライン軍団)の一部部隊に配備された。


*1 アメリカ海軍では対機雷戦闘艇(mine countermeasures ship)と呼称している。
*2 precision-integrated navigation system(精密統合航行システム)の略。
*3 イギリスのGEC-マルコーニ社のNAUTIS-M掃海艇情報処理装置のアメリカ版。
*4 インドネシアへ向かう途中、世界遺産に登録されているフィリピン沖のトゥバタハ岩礁海洋公園内で、サンゴ礁に乗り上げ座礁。船体は現地にて解体された。
*5 独潜水艦U-155?の雷撃による。
*6 航空燃料の引火による。

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