【Mk.23】 †
Heckler & Koch Mk.23 U.S.SOCOM Pistol.
H&K USA(ヘッケラー&コッホのアメリカ法人)が開発した半自動式拳銃。
口径は.45ACP、装弾数は12+1発。
制作の発端は、アメリカ陸軍がM1911A1に代わってM9拳銃が制式採用された事による。
汎用性を求めて小口径の9mmパラベラムを使用するM9は、確実な対人制圧力を求める特殊部隊からは敬遠された。
このため、アメリカの特殊部隊を束ねるSOCOMが、特殊部隊用の拳銃の競争試作を依頼した。
提示された要求仕様は耐久性・耐環境性・命中精度・威力・装弾数など、非常に過酷なものだった。
これに対し、コルト?社はM1911A1を、H&K USAはUSPを設計母体として試作を開始。
開発は難航し、再設計を繰り返した末、H&K USA案がMk.23として採用された。
緊急時の護身用ではなく能動的に攻撃を行う前提で設計されており、大口径の.45ACP弾を使用しながらも高い命中精度を確保。
操作ミスを防ぐため、マニュアルサムセフティ?とデコッキングレバー?が独立しているという珍しい構造をしている。
また、減音器装着用に銃口にネジが切られ、銃身下部にAN/PEQ-6 LAM(レーザー・エイミング・モジュール)用のマウントレールを備えるなど、拡張性にも配慮されている。
反面、大威力と信頼性を追求した結果、予備武器としての携行が現実的でないほど大型化・高重量化している。
SEALs・グリーンベレー・デルタフォースなどに配備されたものの、それら特殊部隊でも採用は手控えられている。
また、命中精度と生産性を両立するためにポリゴナルライフルを採用した結果、銃腔が汚れやすく頻繁な清掃を必要としている。
特殊部隊向けではあるが、"H&K Mark 23"の型式で民間にも販売されている。
軍需モデルと民間モデルに設計上の差違は一切なく、型式の刻印以外ではほとんど区別できない。
減音器は民間市場に出回っていないが、民間仕様でも減音器装着用のネジが残されている。
初期は規制のため弾倉装弾数が10発に制限されていたが、後に撤廃され、軍用型と同じ12発。
スペックデータ †
全長 | 245mm |
銃身長 | 149mm |
重量 | 1,210g |
ライフリング | 6条ポリゴナル・プロフィール |
使用弾薬 | .45ACP弾 |
装弾数 | 12発 |
作動方式 | ダブルアクション・ティルトバレル式ショートリコイル |
銃口初速 | 270m/s |
有効射程 | 50m |