Last-modified: 2020-07-04 (土) 13:48:32 (12d)

【B767】(びーななろくなな)

Boeing 767.

1980年代、B707の後継としてボーイング社が開発した*1、中長距離向けの双発ジェット旅客機*2
姉妹機にB757がある*3

双発の機体でありながらワイドボディ*4という従来には無い形式を採用し、コックピットグラスコックピット2マンクルー化され*5フライバイワイヤーが部分的に採用されるなど、最新の航空電子工学技術が投入された、いわゆる第4世代旅客機といえる。
しかし、一部分にしかフライバイワイヤーが導入されていなかったり、操縦系統にサイドスティックを採用せず*6操縦輪にしていることなどはボーイング社の保守的な設計の表れといえる。

1981年9月26日に初飛行
販売開始当初こそ売れ行きは芳しくなかった*7が、現在では各国の国内線をはじめとして、中・長距離の国際線に就航するなど、幅広く活躍している。
また、B747と同様に軍用機化された機体も存在している。

なお、旅客型の生産は2014年に受注残がなくなり、事実上終了している*8
ボーイングでは今後、民間旅客機としてはB787*9に主力の座を譲り、空中給油機AWACSなどの軍用機貨物機としての売り込みを強めるという。

関連:B757 B777 YS-11 ETOPS

スペックデータ

形式767-200(ER)767-300(ER/F)767-400ER
乗員2名
機長副操縦士
座席数
(3クラス)
174名
(15F+40J+119Y)
210名
(18F+42J+150Y)
243名
(16F+38J+189Y)
座席数
(2クラス)
214名
(18J+196Y)
261名
(24J+237Y)
296名
(24J+272Y)
座席数
(1クラス(限界))
245Y(290)290Y(351)409Y(375)
貨物容量86.9m³114.1m³138.9m³
ULDLD2コンテナ×22個LD2コンテナ×30個LD2コンテナ×38個
全長48.51m54.94m61.37m
全高5.41m
翼幅47.57m51.92m
胴体幅5.03m
キャビン4.72m
翼面積283.3
(後退角31.5°)
290.7
運用空虚重量80,127kg
ER:82,377kg
86,069kg
ER:90,011kg
103,872kg
最大離陸重量std:142,882kg
ER:179,169kg
std:158,758kg
ER/F:186,880kg
204,116kg
最大ペイロード33,271kg
ER:35,557kg
40,030kg
ER:43,799kg
45,813kg
燃料容量std:63,217L(16,700 US gal/50,753kg)
ER:91,380L(24,140 US gal/73,364kg)
エンジンバイパス比ターボファン×2基
下記のいずれかを装備。
std:
P&WJT9D?/PW4000?/
GE CF6-80
ER:RB211-524?
std:P&W JT9D
ER/F:
PW4000/CF6-80/
RB211-524
GE CF6-80/PW4000
エンジン推力std:214〜234kN
ER:214〜270kN
std:214〜270kN
ER/F:252〜274kN
270kN
巡航速度長距離:850km/h
最大:900km/h(高度12,000m)
航続距離std:7,200km*10
ER:12,200km*11
std:7,200km*12
ER:11,070km*13
F:6,025km*14
10,415km*15
上昇限度13,100m
離陸滑走距離std:1,900m
ER:2,480m
2,800m
ER/F:2,650m
3,290m


KC-767
乗員3名(機長副機長、ブームオペレーター)(コックピット座席は4)
容量人員192名〜200名または463Lパレット19枚
全長48.5m
全高15.8m
翼幅47.6m
空虚重量82,377kg
最大燃料重量72,877kg(F-15戦闘機最大11機が満タンになる)
最大離陸重量186,880kg
エンジンGE CF6-80C2B6Fターボファン×2基(推力267.8kN(60,200lbf))
最大速度マッハ0.86
巡航速度マッハ0.80
航続距離12,200km
実用上昇限度12,200m


KC-46
乗員3名(操縦士副操縦士、空中給油オペレーター)
容量人員114人(最大)、463Lパレット×18枚
傷病者58人(担架24、歩行可能者34)
ペイロード29,500kg
全長50.5m
全高15.9m
翼幅48.1m
空虚重量82,377kg
最大離陸重量188,240kg
燃料容量96,297kg
118,200L(Vol)
最大転送燃料搭載量94,198kg
エンジンP&W PW4062ターボファン×2基
推力282kN(63,300lbf))
最高速度マッハ0.86(914km/h)
巡航速度マッハ0.80(851km/h)
航続距離11,830km
実用上昇限度12,200m


派生型のラインナップ

  • 商用型
    航続距離延長型の語尾に付いている"ER"は"Extended Range"の略である。

    • B767-100:
      短胴型。計画のみ。

    • B767-200:
      最初期モデルで、250人級の中距離型。

    • B767-200ER:
      200型に燃料容量増加などの改良を加えた長距離仕様。

    • B767-300:
      200型の胴体を延長し座席数と貨物搭載量の増加を行った300人級の中距離型。

    • B767-300ER:
      300型に新型エンジンの搭載や燃料容量増加などの改良を加えた長距離仕様。

    • B767-300F:
      300ER型の貨物機仕様。

    • B767-300BCF:
      300ER型の貨物型への中途改修仕様。

    • B767-400ER:
      300型の胴体を延長し、操縦席B777のスタイルに変更した改良発展型。
      デルタ航空の使用していたL-1011の後継として開発・生産されたが、A330などにシェアを奪われ、早期に生産を終了している*16

    • B767-400LR:
      767-400ERの水平尾翼に7,571Lの燃料タンクを増設した航続距離延長型。
      航続距離が900km前後延長している。
      B787の開発決定により中止。

  • 軍用型
    • KC-767A:
      200ER型をベースにした空中給油機輸送機型。
      フライングブーム方式とプローブアンドドローグ方式の両方の給油装置を備えており、フライングブーム装置は胴体後部、プローブアンドドローグは胴体後部と両主翼端にある。
      イタリア空軍が採用。

      • KC-767J:
        航空自衛隊向けの機体。
        フライングブーム方式の給油方式のみを装備し、価格を抑えるため機首上面の受油口も省かれている。

      • KC-767AT:
        300/300ER型をベースにした空中給油機輸送機型。
        アメリカ空軍での呼称は「KC-46A『ペガサス』」。
        KC-135及びKC-10の後継として、2017年までに最初の18機が調達され、これらを置き換えながら179機調達の予定。
        航空自衛隊でも2020年度末より採用し、随時KC-767を更新していく予定。

      • B767 MMTT:
        イスラエルのIAI社が200ERをベースに改造した、独自仕様の空中給油機輸送機型。
        翼端にARP-3給油ポッドを装備している。
        コロンビア空軍に「KC-767『ジュピター』」として採用されている。
        また、ベース機を300ER型に改めたものをブラジル空軍が採用している。

    • E-767
      200ER型をベースにしたAWACS
      2020年現在、航空自衛隊のみが採用している。

    • E-10:
      E-3CE-8CRC-135の後継として開発された、400ERベースのマルチセンサー指揮管制機(MC2A*17)型。
      国防予算縮小のあおりを受けて2007年に量産計画が中止となったため、実証試作機の開発のみが継続されていたが、後にそれも放棄された。
      機器の搭載を予定していた機体は、ビジネスジェットとして改修されてバーレーンに売却され、政府専用機として用いられている。

      • スパイラル1:
        E-8 Joint STARSの後継機。制式化時にはE-10Aになる予定だった。

      • スパイラル2:
        E-3C「セントリー」の後継機。制式化時にはE-10Bになる予定だった。

      • スパイラル3:
        EC-135RC-135などSIGINT任務機の後継機。制式化時にはE-10Cになる予定だった。


*1 なお、開発には日本やイタリアも参加している。
*2 日本で通商産業省などがYS-11の後継として計画していたジェット旅客機「YX」計画は、本機によって実現される形になった。
*3 こちらはB727の後継として計画されたもの。
*4 ただし一般的な広胴機に比べやや狭く、貨物コンテナの積載量も少なめのため、「セミワイドボディ」と呼ばれ区別されることが多い。
  このためか、ボーイング製機のローンチカスタマーとなることの多かったパンアメリカン航空では採用されなかった。

*5 30号機までは3マンクルー機として組み立てられ、改修で2マンクルー機となっている。
*6 サイドスティック方式には「パイロットにそのための転換訓練が必要になること」「事故などで片腕を傷めると操縦不能になってしまうこと」などの欠点もある。
*7 特に引き渡し初年度となった1982年には2機しか発注がなかった。
*8 現在ある受注残はすべて貨物型である。
*9 B787は現在、貨物機型の開発・生産計画がない。
*10 216 pax、79,878kg OEW、ISA
*11 181 pax(15F/40J/126Y)、CF6エンジン。
*12 269 pax、85235kg OEW、ISA。
*13 218 pax(18F/46J/154Y)、PW4000エンジン。
*14 ペイロード52.7t搭載時。
*15 245 pax(20F/50J/175Y)、CF6エンジン。
*16 本機と同じ市場でB777の短胴型(-100)が計画されたが、実機の製作はされなかった。
*17 Multi-Sensor Command and Control Aircraft.

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