Last-modified: 2023-11-30 (木) 18:39:18 (5d)

【B767】(びーななろくなな)

Boeing 767.

1980年代、B707の後継としてボーイング社が開発した*1、中長距離向けの双発ジェット旅客機*2
姉妹機にB757がある*3

双発の機体でありながらワイドボディ*4という従来には無い形式を採用し、コックピットグラスコックピット2マンクルー化され*5フライバイワイヤーが部分的に採用されるなど、最新の航空電子工学技術が投入された、いわゆる第4世代旅客機といえる。
しかし、一部分にしかフライバイワイヤーが導入されていなかったり、操縦系統にサイドスティックを採用せず*6操縦輪にしていることなどはボーイング社の保守的な設計の表れといえる。

1981年9月26日に初飛行
販売開始当初こそ売れ行きは芳しくなかった*7が、現在では定員増加・航続距離延長型などの改良型が多数売り出され、各国の国内線をはじめとして、中・長距離の国際線に就航するなど、幅広く活躍している。
また、B747と同様に軍用機化された機体*8も存在している。

なお、旅客型の生産は2014年に受注残がなくなり、事実上終了している*9
ボーイングでは今後、民間旅客機としてはB787*10に主力の座を譲り、空中給油機AWACS*11などの軍用機貨物機としての売り込みを強めるという。

関連:B757 B777 YS-11 ETOPS E-767 KC-767 E-10

主なオペレーター(2023年10月時点)

767-200シリーズ
航空会社767-200767-200ER767-200ERSF767-200SF合計
Cabo Verde Airlines1機---1機
ダイナミック航空1機3機--4機
オムニエアインターナショナル-3機--3機
UTエアー-3機--3機
エア・ジンバブエ-1機--1機
ヨルダン・アビエーション-1機--1機
アトラス航空--5機4機9機
スター・エア
(デンマーク)
--4機7機11機
21 Air--2機-2機
AeroUnion?--2機-2機
Cargojet--1機-1機
ラヤ航空--1機-1機
ABXエア---11機11機
アマゾン・エア---11機11機
DHL International Aviation ME
(SNAS/DHL)
---5機5機
Air Transport International---2機2機
Amerijet International---2機2機
ASL航空ベルギー---2機2機
West Atlantic---1機1機
日本国政府*12-4機--4機
航空自衛隊*13-4機--4機
イタリア空軍*14-4機--4機
コロンビア空軍*15-1機--1機
ブルネイ政府-1機--1機
合計2機25機15機45機87機


767-300/400シリーズ
航空会社767-300767-300ER767-300F767-400ER合計
全日本空輸7機22機--29機
アシアナ航空7機-1機-8機
日本航空4機29機--33機
アルジェリア航空3機---3機
AIRDO-4機--4機
デルタ航空-45機-21機66機
ハワイアン航空1機5機--6機
ユナイテッド航空-37機-16機53機
Air Canada Rouge-25機--25機
アメリカン航空-24機--24機
アメリカ空軍*16--38機-38機
航空自衛隊*17--2機-2機
ブラジル空軍*18-3機--3機
LATAM チリ-17機--17機
コンドル航空-16機--16機
LATAM ブラジル-14機--14機
Katekavia(Azur Air)-8機--8機
オムニエアインターナショナル-6機--6機
エア・カナダ-6機--6機
オーストリア航空-6機--6機
エル・アル航空-6機--6機
エチオピア航空-6機--6機
Pegas Fry-6機--6機
ウズベキスタン航空-6機2機-8機
ブリティッシュ・エアウェイズ-5機--5機
順豊航空(SF Airlines)-5機--5機
Cargojet-4機5機-9機
ダイナミック航空-4機--4機
ボリビアーナ航空-4機--4機
アイスランド航空-4機--4機
TUIエアウェイズ-4機--4機
ウクライナ国際航空-4機--4機
ウエストジェット航空-4機--4機
アトラス航空-3機--3機
エア・アスタナ-3機--3機
ブルーパノラマ航空-3機--3機
ロイヤル・エア・モロッコ-3機1機-4機
Royal Flight-3機--3機
エールイタリ-2機--2機
ニューギニア航空-2機--2機
アジア・アトランティック・エアラインズ-2機--2機
アゼルバイジャン航空-2機--2機
EuroAtlantic? Airways-2機--2機
イラク航空-2機--2機
LATAM アルヘンティナ-2機--2機
LATAM コロンビア-2機--2機
MIATモンゴル航空-2機--2機
Neos-2機--2機
Aeronexus-1機--1機
Fly Jamaica Airways-1機--1機
Privilege Style-1機--1機
Sunday Airlines-1機--1機
タイタンエアウェイズ-1機--1機
TUIフライ・ネーデルラント-1機--1機
TUIフライ・ベルギー-1機--1機
フェデックス・エクスプレス--60機-60機
UPS航空--59機-59機
エアージャパン-9機10機-19機*19
ABXエア--9機-9機
Amerijet International--5機-5機
Star Air(デンマーク)--3機-3機
DHL Air UK--3機-3機
LATAMカーゴ・コロンビア--3機-3機
ポーラーエアカーゴ--3機-3機
TAMカーゴ(LATAMカーゴ・ブラジル)--3機-3機
LATAMカーゴ・チリ--2機-2機
Express Freighters Australia--1機-1機
Mas Air--1機-1機
バーレーン王室航空---4機*204機
合計24機382機211機41機657機

スペックデータ

形式767-200(ER)767-300(ER/F)767-400ER
乗員2名
機長副操縦士
座席数
(3クラス)
174名
(15F+40J+119Y)
210名
(18F+42J+150Y)
243名
(16F+38J+189Y)
座席数
(2クラス)
214名
(18J+196Y)
261名
(24J+237Y)
296名
(24J+272Y)
座席数
(1クラス(限界))
245Y(290)290Y(351)409Y(375)
貨物容量86.9m³114.1m³138.9m³
ULDLD2コンテナ×22個LD2コンテナ×30個LD2コンテナ×38個
全長48.51m54.94m61.37m
全高5.41m
翼幅47.57m51.92m
胴体幅5.03m
キャビン4.72m
翼面積283.3
(後退角31.5°)
290.7
運用空虚重量80,127kg
ER:82,377kg
86,069kg
ER:90,011kg
103,872kg
最大離陸重量std:142,882kg
ER:179,169kg
std:158,758kg
ER/F:186,880kg
204,116kg
最大ペイロード33,271kg
ER:35,557kg
40,030kg
ER:43,799kg
45,813kg
燃料容量std:63,217L(16,700 US gal/50,753kg)
ER:91,380L(24,140 US gal/73,364kg)
エンジンバイパス比ターボファン×2基
下記のいずれかを装備。
std:
P&WJT9D?/PW4000?/
GE CF6-80
ER:RB211-524?
std:P&W JT9D
ER/F:
PW4000/CF6-80/
RB211-524
GE CF6-80/PW4000
エンジン推力std:214〜234kN
ER:214〜270kN
std:214〜270kN
ER/F:252〜274kN
270kN
巡航速度長距離:850km/h
最大:900km/h(高度12,000m)
航続距離std:7,200km*21
ER:12,200km*22
std:7,200km*23
ER:11,070km*24
F:6,025km*25
10,415km*26
上昇限度13,100m
離陸滑走距離std:1,900m
ER:2,480m
2,800m
ER/F:2,650m
3,290m


派生型のラインナップ

  • 商用型
    航続距離延長型の語尾に付いている"ER"は"Extended Range"の略である。

    • B767-100:
      短胴型。計画のみ。

    • B767-200:
      最初期モデルで、250人級の中距離型。

    • B767-200ER:
      200型に燃料容量増加などの改良を加えた長距離仕様。

    • B767-300:
      200型の胴体を延長し座席数と貨物搭載量の増加を行った300人級の中距離型。

    • B767-300ER:
      300型に新型エンジンの搭載や燃料容量増加などの改良を加えた長距離仕様。

    • B767-300F:
      300ER型の貨物機仕様。

    • B767-300BCF:
      300ER型の貨物型への中途改修仕様。

    • B767-400ER:
      300型の胴体を延長し、操縦席B777のスタイルに変更した改良発展型。
      デルタ航空の使用していたL-1011の後継として開発・生産されたが、A330などにシェアを奪われ、早期に生産を終了している*27

    • B767-400LR:
      767-400ERの水平尾翼に7,571Lの燃料タンクを増設した航続距離延長型。
      航続距離が900km前後延長している。
      B787の開発決定により中止。

  • 軍用型
  • B767 MMTT:
    イスラエルのIAI社が200ERをベースに改造した、独自仕様の空中給油機輸送機型。
    翼端にARP-3給油ポッドを装備している。
    コロンビア空軍に「KC-767『ジュピター』」として採用されている。
    また、ベース機を300ER型に改めたものをブラジル空軍が採用している。

  • E-767
    200ER型をベースにしたAWACS
    2023年現在、航空自衛隊のみが採用している*28

  • E-10
    E-3CE-8CRC-135*29の後継として開発された、400ERベースのマルチセンサー指揮管制機(MC2A*30)型(開発中止)。

*1 なお、開発には日本やイタリアも参加している。
*2 日本で通商産業省などがYS-11の後継として計画していたジェット旅客機「YX」計画は、本機によって実現される形になった。
*3 こちらはB727の後継となる短中距離機として計画されたもの。
*4 ただし一般的な広胴機に比べやや狭く、貨物コンテナの積載量も少なめのため、「セミワイドボディ」と呼ばれ区別されることが多い。
  このためか、ボーイング製機のローンチカスタマーとなることの多かったパンアメリカン航空では採用されなかった。

*5 30号機までは3マンクルー機として組み立てられ、改修で2マンクルー機となっている。
*6 サイドスティック方式には「操縦輪方式とは操縦感覚が激変するため、パイロットにそのための転換訓練が必要になること」「事故などで片腕を傷めると事実上操縦不能になってしまうこと」などの欠点もある。
*7 特に引き渡し初年度となった1982年には2機しか発注がなかった。
*8 E-767KC-767A/J・KC-46AE-10(開発中止)。
*9 現在ある受注残はすべて貨物型である。
*10 B787は現在、貨物機型の開発・生産計画がない。
*11 2023年現在、日本の航空自衛隊向けの4機(E-767)しか売れていないが、ボーイング社では「E-3の後継機」として20機前後の需要を見込んでいる。
  なお、2023年にアメリカ空軍はより小型のB737をベースにした「E-7A『ウェッジテイル』」(E-737)を発注している。

*12 航空自衛隊が運用するAWACSE-767として。
*13 空中給油機KC-767Jとして。
*14 空中給油機KC-767として。
*15 空中給油機・KC-767「ジュピター」として。
*16 空中給油機KC-46Aとして。
*17 空中給油機KC-46Aとして。
*18 空中給油機として。
*19 全機が全日本空輸との共同事業機。
*20 バーレーン王室専用機として。なお、この中にはアメリカ空軍で「E-10」となる予定だった機体も含まれている。
*21 216 pax、79,878kg OEW、ISA
*22 181 pax(15F/40J/126Y)、CF6エンジン。
*23 269 pax、85235kg OEW、ISA。
*24 218 pax(18F/46J/154Y)、PW4000エンジン。
*25 ペイロード52.7t搭載時。
*26 245 pax(20F/50J/175Y)、CF6エンジン。
*27 本機と同じ市場でB777の短胴型(-100)が計画されたが、実機の製作はされなかった。
*28 本機は航空自衛隊の他、韓国・台湾・オーストラリア空軍が興味を示したが、1990年代末期の「アジア通貨危機」によって採用が見送られている(その後、韓国とオーストラリアはより小型のB737をベースにした「B737 AEW&C」を採用した)。
*29 いずれも1950年代に設計されたKC-135B707をベースにしており、設計の古さや機内スペースの狭さが問題となっていた。
*30 Multi-Sensor Command and Control Aircraft.

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