Last-modified: 2016-11-01 (火) 19:55:14 (180d)

【AW109】(えーだぶりゅーいちまるきゅう)

AgustaWestland AW109
イタリアのアグスタ社(現アグスタウェストランド)が開発・生産する軽量双発の民間向けヘリコプター

ごく初期には Hirund(イルンド)(ラテン語でツバメ) という愛称が用いられたこともあったが、この呼び名は数年で廃れた。
また、長らく「A109」という名称であったが、アグスタがウェストランドと合併してアグスタウェストランドになったことから、2009年にAW109へと改められた。

最大の特長は細長く流麗な胴体であり、その抗力の低さから速度性能も優れ、ヘリコプターとしては珍しい140〜160ノット巡航速度を誇る。
また操縦が高度に自動化されており、パイロット1名でも計器飛行が可能である。
初期はランディングギアの引き込み機構がきわめて複雑であったが、現行のAW109パワーでは単純化して性能を向上している。

軍用型も存在し、輸送ヘリコプター?としてはパイロット以外に兵員を7名まで乗せ、あるいは機外に貨物を1トンまで吊り下げることができる。
簡易攻撃ヘリコプターとしてTOWを8発まで運用することも可能である。

民間市場では現在でも人気が高く、日本でも各地の警察などが導入しているが、特に山岳救助用のA109K2型が有名。

a109.jpg
静岡県警のAW109Eパワー「ふじ3号」(事故で墜落したふじ1号(A109K2)の補充機)

主な採用国

  • 日本(各地の警察などが導入)
  • アルバニア
  • アルゼンチン(陸軍が使用)
  • オーストラリア(海軍が使用)
  • ベルギー
  • ベナン
  • 中国(派生型 CA109を使用)
  • チリ(チリ警備隊が使用)
  • ガーナ
  • イタリア
  • ニュージーランド
  • ラトビア
  • マレーシア(陸軍および沿岸警備隊が使用)
  • メキシコ
  • パラグアイ
  • ペルー
  • 南アフリカ共和国
  • スウェーデン
  • イギリス(帝国テストパイロット学校およびイギリス空軍・陸軍航空隊が使用)
  • アメリカ合衆国(アメリカ沿岸警備隊及びアメリカ海兵隊が使用*1
  • ベネズエラ

スペックデータ

乗員1〜2名+乗客6〜7名
全長13.04m
主ローター直径11m
全高3.5m
自重2,000kg
最大離陸重量2,850kg〜3,000kg(機種により異なる)
エンジン下記のいずれかを2基搭載
P&W・C PW206Cターボシャフト推力567hp(423kW))
チュルボメカ アリウス2K1ターボシャフト(推力571hp(426kW))
最大速度156kt
航続距離521nm
実用上昇限度5,974m
海面上昇率588m/min
武装
(アグスタ A109 LUHのみ)
ポッドに12.7mm機銃 (携行弾数250発)、 ピントルマウントに7.62mm機銃、ドアの機銃架台に12.7mm機銃を携行可能。
ミサイル:TOW対戦車ミサイルランチャー(それぞれミサイル2基または4基)
無誘導ロケット弾ポッド(ポッドに2.75in または 81mmロケット弾を7基または12基)
ロケット/機銃ポッド (70mmロケット弾3基と12.7mm機銃(携行弾数200発))を2基まで携行可能。

派生型

  • A109A:
    初期生産型。
    搭載エンジンはアリソン250-C20(450shp)双発。

    • A109A EOA:
      イタリア陸軍向け軍用型。

    • A109A mk.II:
      民間向け改良型。
      トランスミッションが強化された。

    • A109A mk.II MAX:
      Mk.IIベースの救急・患者輸送型。
      担架を横向きに搭載するためキャビンを拡幅し、後部に上下開きの搬入ドアを備える。

  • A109B:
    軍用型。生産されず。

  • A109SP:
    エンジン強化型。
    搭載エンジンはアリソン250-C30双発。

  • A109C:
    8席の民間型。
    搭載エンジンはアリソン250-C20R-1(450shp)双発。

    • A109C MAX:
      Mk.IIと同じくキャビンの横幅を拡げた、C型ベースの救急・患者輸送タイプ。

  • A109D:
    詳細不明。試作のみ。

  • A109K:
    エンジンをアリエル1K双発にし、高温や高高度での出力を確保した軍用型。

    • A109 EOA:
      A109Kをベースに観測機器等を搭載したイタリア陸軍向け汎用/観測ヘリコプター型。

  • A109K2:
    エンジンをアリエル1K1双発にし、ランディングギアを固定式にするなどした高地性能向上型。
    主に山岳救助専用機として使用される。

  • A109M:
    軍用型。

    • A109KM:
      軍用高空性能向上型。

    • A109KN:
      海軍型。

    • A109CM:
      A109Cベースの軍用型。

    • A109GdiF:
      A109E パワーのイタリア財務警察 (Guardia di Finanza) 向け。

    • A109BA:
      ベルギー陸軍向け。

  • AW109Eパワー:
    エンジンFADEC化やA129?同等のローターグラスコックピットなどを導入したモデル。
    日本各地の警察などが導入している。

  • A109E パワー・エリート:
    イギリス空軍が導入した、A109E パワーの胴体延長タイプ。
    オートパイロットや計器着陸装置GPSなどが追加され、グラスコックピットとナビゲーションシステムをパイロットの2座席とも備える。

  • A109LUH:
    A109E パワーベースの軍用軽汎用機。

  • MH-68A「スティングレイ」:
    AW109E パワーのアメリカ沿岸警備隊での呼称。

  • AW109Sグランド:
    エンジンをPW207C(735shp)双発にし、トランスミッション強化や胴体延長を施した民間向けのエンジン強化型。

    • AW109ダビンチ:
      スイス航空救助隊REGAの要望により開発された、高度性能向上型。
      胴体の短縮、複合材の採用、固定脚採用による脚引き込み用油圧装置の削除等により110kg程度軽量化されている。

    • AW109グランドニュー(AW109SP):
      グランドの改良型。
      救急用には対地接近警報装置(TAWS)や夜間暗視装置(NVG)を装備、2人分のストレッチャーを搭載することができる。

    • AW109 トレッカー:
      グランドの改良型。
      AW109Grandシリーズにスキッドが付き、最先端のG1000THMグラスコックピットが装備された。
      エンジンはFADECを備えた最大緊急出力608kWのPW207Cを2基搭載する。
  • CA109S:
    成都(チェンドゥ)飛機工業公司がライセンス生産する、A109の中国向けバージョン。


*1 制式名「MH-68」として使用されていたが、すでに退役済み。

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