Last-modified: 2023-01-02 (月) 12:34:07 (480d)

【リード弾】(りーどだん)

被甲(ジャケット)などを施さない鉛(Lead)の塊を弾頭とする弾丸。「レッド弾」とも。
鉛を鋳造して作る事から、単に鋳造弾(キャストブレッド)と呼ばれる事もある。

薬莢の発明以前の黒色火薬銃には鋳造器具が付属するのが普通で、射手が自ら鉛を鋳造して弾丸を作るのが一般的だった。
しかし、ライフルや金属薬莢の発明後は、工場生産されたフルメタルジャケット弾に置き換えられて戦場から姿を消していった。

鉛は柔らかく熱にも弱いため装甲貫通力は低く、飛翔中にも変形して軌道がぶれるため有効射程は著しく低下する。
初速が早すぎると銃身内で変形して暴発を起こすため、現代のライフルでは用いる事ができない。

反面、貫通せず体内に残留しやすいため生体への殺傷力は高く、銃身への負担も低く、製造工程が単純で安価。
こうした性質のため拳銃弾散弾、および訓練用として需要がある。
また、射撃競技や狩猟用拳銃のために鉛合金を精密に鋳造して命中精度と強度を高めた「カスタムキャストブレッド」も存在する。

加えて、鉛は毒性の強い金属であるため弾丸の素材として適しているとは言いがたい面がある。
負傷者の体内に残留すれば深刻な後遺症をもたらし、発射ガスを吸い込めば射手にも健康被害を与える。
流れ弾が放置されれば野生動物の体内に入ったり、土壌汚染を引き起こして周辺環境にも悪影響を及ぼす。

この中でも特に負傷者への影響は深刻であり、ハーグ宣言でも軍隊による対人使用が禁止されている。
各国の軍隊・警察はこれに準じて通常職務・任務での使用を自粛している他、近年では室内射場や狩猟での使用も避けられる傾向にある。

関連:フルメタルジャケット弾 ワッドカッター弾 ホローポイント弾 ソフトポイント弾


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