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*&ruby(あーるごひゃくさんじゅう){【R-530】};
[[フランス軍]]の中射程[[空対空ミサイル]]で、前方攻撃可能な[[赤外線誘導]]方式と[[セミアクティブレーダー誘導]]方式の2タイプがある。~
製作会社は旧[[マトラ社]]、現在はMATRA/BAe社である。~
R-530は、前作の[[R-510]]/[[R-511]]の後継として開発され、初期型であるR-530([[赤外線誘導]])は1963から生産が開始された。~
なお、初期のR-530に関しては[[ミラージュIII]]の搭載を目的として作られたと言う説もある。~
[[セミアクティブレーダー]]誘導のR-530Fに関しては、1980年から生産が開始され[[ミラージュF1]]や[[ミラージュ2000]]・[[ラファール]]に搭載された。~
しかし、R-530Fは低高度目標に対しては弱い事が見つかったため、新たに新型のR-530Dが開発された。~
R-530Dは、弱点だった[[低高度]]目標対策として[[ドップラーシーカー]]を搭載し、さらに射程を延ばすため胴体が長くなった。~
R-530シリーズは[[フォークランド紛争]]や[[湾岸戦争]]等で実戦に使用されたが、撃墜の例は未だ無い。~
現在では新型の[[MICA]]中・短射程[[空対空ミサイル]]が生産されたため、じき生産中止になる
事が予想される。
*&ruby(あーるごひゃくさんじゅう){【R-530】}; [#o266cb26]
旧[[マトラ]]社(現MATRA/BAe社)が開発した、フランス製の中射程[[空対空ミサイル]]。~
1957年に開発された原型弾と、その改良型として1971年に開発された「シュペル530」がある。~

R-530 :初期型で、[[赤外線]]誘導のタイプ。
**R-530(原型) [#v7b152d2]
本ミサイルは、前作の[[R-510]]/[[R-511]]の後継として1957年から開発がスタートした。~
[[赤外線誘導]]型と[[セミアクティブレーダー誘導]]型の2タイプが製造され、[[赤外線誘導]]型の方は正面を含む全方位から攻撃可能な[[オールアスペクト発射能力]]を備えた[[シーカー]]を、一方の[[セミアクティブレーダー誘導]]型には、ミラージュ用の「シラノ」シリーズ[[レーダー]]([[F-8]]はレーダーをミラージュ用に改修して搭載)で誘導されるEMD製タイプAD26[[シーカー]]を装着した。~
~
推進装置は、オチキスブラント/SNPEアントワネット、またはより高性能のSNPEマデレーン2重推力固体推進薬ロケットモーターで、飛翔制御用に十字型の[[デルタ]]翼と尾部フィンが取り付けられている。~
なお、搭載機は[[ミラージュ3]]、[[ミラージュF1]]、[[ミラージュ2000]]、[[F-8]]であった。~
~
本ミサイルは、アルゼンチン・イラク・オーストラリア・ブラジル・フランス・ヨルダン・パキスタン・南アフリカ・スペイン・ベネズエラ等に輸出されたが、現在では発展型として開発されたシュペル530によって更新されて退役している。~
~
実戦ではアルゼンチン([[フォークランド紛争]])、イラク([[イラン・イラク戦争]]、[[湾岸戦争]])、イスラエル([[第三次中東戦争>中東戦争]])、パキスタン([[第二次印パ戦争]])が使用したが、命中率は余り高くなかったと言われている。~
~
|>|CENTER:''スペックデータ''|
|全長|3.28m|
|直径|26.3cm|
|翼幅|110cm|
|発射重量|193kg|
|最大速度|[[M>マッハ]] 2.7|
|推進方式|[[固体推進ロケットモーター>固体燃料ロケット]]|
|[[エンジン]]|CENTER:オチキスブラント/SNPEアントワネット&br;又は&br;SNPEマデレーン2重推力固体推進薬ロケットモーター|
|最高飛行高度|21km|
|射程|18km([[セミアクティブレーダー誘導]]型)&br;3km(パッシブ式[[赤外線誘導]]型)|
|弾頭|[[HE>榴弾]]連続ロッドまたは破片弾頭|
|弾頭重量|27kg|
|誘導方式|パッシブ式[[赤外線誘導]]/[[セミアクティブレーダー誘導]]|
|誘導装置|Iバンド照射レーダー/パッシブ[[IR>赤外線]][[シーカー]](誘導ヘッドは交換可能)|
|[[G]]限界|-|

R-530F:[[セミアクティブレーダー]]誘導型のタイプ。
**シュペル530 [#k478f803]
R-530の発展型として1971年に登場したミサイル。~
フランス製の新世代[[戦闘機]]([[ミラージュF1]]や[[ミラージュ2000]]・[[ラファール]])に搭載する目的で製作された。~
~
本ミサイルは[[セミアクティブレーダー誘導]]型で、[[ミラージュF1]]用のF型、[[ミラージュ2000]]用のD型の2タイプがある。~
最新型のシュペル530D型は、発射母機と高度差のある目標に対して発射する事ができ、最大で7000m上方又は9000m下方の目標と交戦する事が可能。~
追加装備にモノパル・シーカー・ヘッド([[ECCM]]能力)と新型推進薬(トムソンブラント製アンジェル・ロケットモーター)を備えている。~
~
現在、本ミサイルは[[フランス軍]]の主力中射程[[空対空ミサイル]]であるが、1999年に[[MICA]]の配備が開始されたことにより、順次退役すると思われる。~
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#ref(super530D.jpg)~
Photo :インド国防省HP~
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|>|>|CENTER:''スペックデータ''|
|CENTER:形式|CENTER:シュペル530D|CENTER:シュペル530F|
|CENTER:全長|CENTER:3.80m|CENTER:3.54m|
|CENTER:直径|>|CENTER:26.3cm|
|CENTER:翼幅|CENTER:62cm|CENTER:88cm|
|発射重量|CENTER:275kg|CENTER:245kg|
|CENTER:弾頭|>|CENTER:HE 破片調整弾頭|
|弾頭重量|>|CENTER:30kg|
|推進方式|>|CENTER:[[固体推進ロケットモーター>固体燃料ロケット]]|
|推進装置|改良型SEPロケットモーター|アンジェル・二重推力ロケットモーター|
|最大速度|>|CENTER:M4.6|
|CENTER:射程|CENTER:50〜60km|CENTER:35km|
|CENTER:G限界|>|CENTER:20G|
|誘導方式|>|CENTER:[[SARH>セミアクティブレーダー誘導]]|
|誘導装置||AD-26CWモノパルス・ドップラー[[シーカー]]|
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R-530D:F型の能力向上型、[[低高度]]対策がとられ射程も40kmとなった。


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