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*&ruby(あいいーでぃ){【IED】}; [#qc6dca0b]

Improvised Explosive Deviceの略で、即席爆発装置と訳される。路肩に設置されて車両を攻撃することが多いので路肩爆弾とも呼ばれている。

所謂[[ブービートラップ]]の一種で、[[迫撃砲]]弾や[[手榴弾]]などの炸薬と筐体がよく用いられる。瓦礫に忍ばせたり動物の死体の下にセットする、或いは路上に投棄された車両に仕込む等、あらゆる物に偽装して設置されるため発見が困難であり、爆発して初めて存在に気が付くことも少なくない。~
ありあわせの材料で作られる手製の爆弾なので使用される爆発物も砲弾から[[地雷]]、[[手榴弾]]まで多彩で、起爆方法もワイヤーを張った単純な方式から携帯電話や家電品のリモコン、スイッチを流用したものまで無数に存在する。~
地雷を重ねたり、大型迫撃砲弾を数珠つなぎにするなどの工夫を凝らして威力を上げ、戦車すら破壊できるものもある。~
Improvised Explosive Device (即席爆発装置)~
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[[迫撃砲]]弾や[[手榴弾]]、[[地雷]]などに適当な起爆装置を取り付けて作った即席の[[爆弾]]。~
路肩に設置して車両を攻撃する事が多いので「路肩爆弾」とも呼ばれている。~
法治国家では火薬を民生用化学薬品から調合したり、余興用の花火などから抽出する事もある。~
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路肩爆弾自体は第2次世界大戦から存在しているが、有名になったのはアフガニスタンやイラクで武装ゲリラが[[アメリカ軍]]に対してIEDを使った攻撃を仕掛け、戦果を挙げてからである。~
この手の爆発物は各個人の持つ資材や知識によって非常に多くのバリエーションが存在し、起爆方法、爆薬、構造に至るまで多種多様なものがみられる。~
そのため、これさえやれば爆発を回避できる、という抜本的な対策は存在しない。しかしIEDは固定式の仕掛け爆弾であるので、位置さえ判れば簡単に回避が可能であるため、情報収集や探知機、動物などを使って事前に発見することが一番の対策と言える。~
いわゆるブービートラップの一種で、瓦礫、死体、遺棄された車両などで偽装し、不用意に近づいた者を殺傷する。~
起爆方法は千差万別で、簡易なものではワイヤーによる接触信管、複雑なものでは家電製品を改造したリモコンまで様々。~
爆発の破壊力もやはり千差万別で、人間の手首を吹き飛ばす程度のものから、[[主力戦車]]も爆散する大規模なものまである。~
釘などの金属片を散布する粗製の[[榴弾]]や、[[自己鍛造弾]]の技術を用いたものまである。~
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[[イラク]]や[[アフガニスタン]]の現場では、既に探したり起爆を防ぐのではなく疑わしきは破壊する方針を取っており、爆発物が疑われる物体を機関銃で薙ぎ払って吹き飛ばすことで安全の確保を図っている。
現在、IEDによる攻撃に曝され続けている[[アメリカ軍]]では新型装甲車の導入を進めながら科学的な探知ができるシステムを開発中であるが、その完成を待たずに既存の技術で対応しようという動きもある。~
具体的には車両に強力な妨害電波の発信装置を積んで携帯電話等を使った無線式の起爆装置を無効化しようというものだが、無線式以外の振動やワイヤーで爆発するIEDには当然ながら無力で、この対策が取られてからも被害が減ったというニュースはなく、攻撃する側にとっては不発であれば次の機会を待つこともできるので決定打には至っていない。しかも地域住民の携帯電話も一斉に使用不能となるので不満を募らせる結果となった。
あまりにも多彩なため、回避するための抜本的な対策は存在しない。~
[[ヒューミント]]や探知機、[[動物>動物兵器]]などで事前に発見する事が最善の対策だが、それは常に可能ではない。~
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イラクやアフガニスタンの現場では、既に探したり起爆を防ぐのではなく疑わしきは破壊する方針を取っており、爆発物が疑われる物体を機関銃で薙ぎ払って吹き飛ばすことで安全の確保を図っている。~
また、ロボットによる探索も行われていて遠隔操縦で瓦礫を調べたり爆発物を無力化したり撤去する事も行われている。この場合、処理中に爆発することも珍しくないがロボットを失うだけで人命を失うことは無い。~
多彩さのため解体作業の安全を確保できないため、[[遠隔操縦ロボット>無人機]]による調査・解体・撤去も行われている。~
遠隔操作式に対しては[[妨害電波を発信>ジャミング]]して起爆装置を無効化する試みもある((無線を利用しない起爆装置には無意味なため被害抑止には繋がらなかった。また、地域住民の携帯電話などを使用不能にして不満を募らせるなどのデメリットもある。))。~
しかし実戦では「疑わしきは[[機関銃]]で薙ぎ払って誘爆させる」という極端な対策しか取れない状況も少なくない。~
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発想自体は[[黒色火薬>装薬]]の黎明まで遡るが、有名になったのは二十世紀末期以降、アフガニスタンやイラクで[[ゲリラ]]が活用し始めてからである。~
IEDによる[[奇襲]]は[[機甲部隊]]にも容易に流血を強いる事が可能で、市街戦の常套戦術と化しつつある。~
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爆発に耐える強固な[[歩兵戦闘車]]、迅速に長距離から爆薬を探知する化学センサーなどの新技術の登場が待たれる所である。~
とはいえ、そうした新技術の有効性には疑問の余地も多く、IED戦術が完全に無効化される可能性は今のところ見出されていない。~
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関連:[[MRAP>クーガー(装甲車)]]


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