【DC-3】(でぃーしーすりー)

Douglas DC-3.

アメリカのダグラス・エアクラフト社が1930年代に開発した双発レシプロ旅客機
事実上「世界初の本格的な商業旅客機」ともいえる機体で*1第二次世界大戦期にかけて10,000機以上が生産された。

生産機数の大部分は軍用機輸送機)であり、アメリカ陸軍航空隊では「C-47『スカイトレイン』」、海軍航空隊では「R4D」、英国では「ダコタ」という名で呼ばれていた*2
戦後、これらの機体が民間に払い下げられて旅客機として多く用いられた。

また、アメリカ本国のみならず、日本(昭和「零式輸送機」)やソ連(リスノフLi-2)でもライセンス生産されていた。

21世紀の現代でも、エンジンターボプロップに換装するなどして数百機が飛行可能な状態を維持しており、いまなお現役の機材として用いている航空会社や軍隊もある。

スペックデータ

乗員2名(機長副機長
乗客21人(3列席)
28〜32人(4列席)
全長19.66m
全高5.16m
全幅28.96m
翼面積91.7
運用重量8,030kg
最大離陸重量12,700kg
発動機P&WR-1830「ツインワスプ」空冷二重星形14気筒×2基
またはライトR-1820「サイクロン」空冷星型9気筒×2基
出力1,200hp(895kW)×2
速度
(最大/巡航)
346km/h / 266km/h
航続距離2,420km


バリエーション

※軍用型はC-47の項を参照。

  • DST:
    最初の量産型。
    寝台旅客輸送機型でエンジンはライト「サイクロン」を搭載。

  • DST-A:
    DSTのエンジンを「ツイン・ワスプ」に変更した型。

  • DC-3:
    昼間旅客輸送用の基本型。
    エンジンは「サイクロン」を搭載。

  • DC-3A:
    エンジンを「ツイン・ワスプ」に換装した型。

  • DC-3B:
    前部客席が寝台/座席に転換でき、後部客席は座席のみとした型。
    胴体両側の第1窓と第3窓の所に小窓が追加されているため外見からも識別できる。

  • DC-3C:
    戦後余剰となったC-47に、民間向けの改造を施した機体。

  • DC-3D:
    C-47の余剰部品から生産された機体。

  • DC-3S:
    「スーパーDC-3(Super DC-3)」とも呼ばれる改良型。
    胴体を延長して30座席とし、翼端の短縮、水平尾翼の形状変更などを行った他、エンジン強化に伴うナセル形状の変更により主輪は完全引き込み式となり、尾輪も半引き込み式となった。
    性能は大きく向上したが、登場が1949年と遅く、より近代的な機体が登場し始めていたため、総生産数は4機のみに終わる。
    試作1号機はYC-129の名称でアメリカ空軍に転売され、YC-47Fと改称されて審査を受けた後、アメリカ海軍へ譲渡されR4D-8の原型機となった。

  • ベイズラー BT-67:
    エンジンをターボプロップに換装した型。
    エンジンはプラット&ホイットニー・カナダPT6A-67Rを使用し、プロペラは5翅ブレードのものに変更された。
    また、重心の関係でオリジナルのレシプロエンジンより前に突き出したため、コックピットがプロペラの回転面より前に来るよう前部胴体が延長された。
    燃料タンクも増設されて、航続距離も大幅に伸びている。

  • コンロイ トライ・ターボ3:
    中古のビッカース?バイカウントから取り外したプラット&ホイットニー・カナダのPT6A-45を既存のエンジンと交換するだけでなく、機首にも追加し三発機とした型。

  • 零式輸送機:
    日本でのライセンス生産機。昭和飛行機製。
    フィート・インチ法→メートル法への換算誤差から、機体サイズがオリジナルとやや異なる。

  • Li-2:
    ソ連でのライセンス生産機。
    日本の零式輸送機と同様、メートル法への換算誤差から、機体サイズがオリジナルとやや異なる。

*1 それまでの旅客機は、顧客からの運賃のみで運航経費を賄えず、政府からの航空郵便輸送にかかる補助金を運航経費に充てていたが、本機では運賃のみで運航経費を賄うことができた。
*2 後にアメリカ合衆国大統領となったドワイト・D・アイゼンハワー将軍は「第二次大戦の連合国の勝利に大きく貢献したのはダコタ(本機)とジープバズーカである」との言葉を残している。

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