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*&ruby(れいほう){【礼砲】}; [#kdd39a0b]
[[軍隊]]の礼式のひとつで、[[空砲>空包]]を発射することにより行うもの。~
主に元首や国賓として招かれた外国人、外交官、将官クラスの軍人に対して行われる。~
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現代の砲や銃は、ほとんどが本体の後部から弾丸（と[[装薬]]）を装填して発射する「後装式」であるが、かつての砲や銃は（現代の[[迫撃砲]]のように）発射口から弾丸（と装薬）を装填して発射する「前装式」であった。~
このため、一度発射すると次弾を発射するまでに時間がかかってしまっていたが、逆にそのことにより「短時間にある程度の回数の空砲を撃つ」ことで、敵意がないことを示す（全ての砲が発砲不可になったとして）ようになり、やがてこれが国際慣習として定着した。~
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礼砲の発射回数は、相手の地位によって決められているが、国際慣習として定められているのはおおむね次の通りである。~
儀礼や式典のために、破壊・殺傷の意図なく[[火砲>ガン]]を発射する事。~
当然ながら実際に砲弾を用いる事はなく、[[空砲>空包]]を発射して音だけを立てる。
攻撃の意図がない事を示すために全ての砲を使用済み・発射不能状態にした事を起源とする。~
現代ではもはや実質的な意味をもたない行為だが、国際慣習として儀礼的に行われている。~
>この慣習が成立した当時、[[火砲>ガン]]の次弾装填には非常に長い時間がかかった。~
つまり、短時間に一定回数の[[空砲>空包]]を撃つと、戦闘発生時に致命的な「間隙」が発生する。~
そうした「隙」を意図的に見せる事で、相手国に対して敵意がない事を示した。
国際慣習として、軍事的式典に臨席した賓客に応じて一定回数の礼砲を撃つ事が定められている。~
:国旗、元首（国王・天皇・大統領など）とその同伴家族|21発
:副大統領、首相、国賓として招かれた外国人|19発
:閣僚、特命全権大使、大将（及びこれに相当する職階の軍人(([[自衛官]]が礼砲を受ける場合は「統合幕僚長及び陸上・海上・航空幕僚長である陸海空将＝大将」「幕僚長ではない陸海空将＝中将」「陸海空将補＝少将」となる。&br; なお、現在の自衛隊には「准将」に相当する階級はない。))。以下同じ）|17発
:特命全権公使、中将|15発
:臨時代理大使、少将|13発
:臨時代理公使、准将|11発
:領事|7発
現在の日本では、防衛大臣が公式に招待した賓客が日本に到着した時及び日本を離れる時、もしくは国際儀礼上必要と認めた時に[[自衛隊]]が礼砲発射を行うこととされている。~
空路で入国してきた外国からの賓客に対する礼砲は、[[陸上自衛隊]]の[[特科]]部隊から臨時編成された礼砲中隊により実施される。((このため、陸自では[[用途廃棄]]となった105mm[[榴弾砲]]を少数、稼動可能な状態で保有し続けている。))~
日本を訪問する友好国の艦船が東京湾へ入る時には、[[海上自衛隊]]の観音崎警備所に備えられた礼砲台から礼砲を発射する。~
現在の日本では、防衛大臣が招待した賓客の到着・帰還に際して、また国際儀礼上必要な時に[[自衛隊]]が礼砲発射を行う。~
空路で入国した賓客に対し８ては[[陸上自衛隊]]の[[特科]]部隊から臨時編成された礼砲中隊が応対する。((この用途のためだけに[[用途廃棄]]となった105mm[[榴弾砲]]が少数、稼動可能な状態で保有し続けている。))~
艦船での入国では、[[海上自衛隊]]の東京湾・観音崎警備所の礼砲台が応対する。~
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また、海自の艦船が外国を訪問した時にはその国の軍隊が礼砲で迎えるが、この時、礼砲を受けた自衛艦は答礼として同様に空砲発射を行う。((礼砲を受ける機会が多い練習艦「かしま」には、礼砲専用の小型砲が備えられている。))~
また、[[海上自衛隊]]の艦船が外国を訪問した時には相手国の軍隊から礼砲での応対を受ける。~
この時も、礼砲を受けた艦隊の代表が答礼として同様に空砲発射を行う((礼砲を受ける機会が多い練習艦「かしま」には、礼砲専用の小型砲が備えられている。))。~
