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*&ruby(てんねんとう){【天然痘】}; [#o3c138f4]
Small pox. 痘瘡（とうそう）とも。~
天然痘ウィルスによって引き起こされる病気。~
極めて伝染力が強く、致死率も高いため[[生物兵器]]としては最強の部類に入る。~
Small pox.~
天然痘ウィルスによって引き起こされる病。痘瘡（とうそう）とも。~
極めて伝染力が強く、致死率も高く、人類に対して最も脅威を与えた病原体の一つである。~
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飛沫感染や接触感染により感染し、感染後1〜2週間の潜伏期間を得たのち、40℃前後の高熱や咳、頭痛など風邪に近い自覚症状が発する。2〜3日後にこれらの症状は改善するが、顔や全身に醜い水疱が出現、7日〜9日目には再び高熱を発する。~
致死率は30〜50%と高く、発症後に有効な治療法は存在しない。また完治しても顔などに痕が残る。~
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数千年間、人類は天然痘の恐怖に怯えてきたが、イギリスのジェンナー氏が天然痘ワクチンを開発した事によって予防可能になり((また、化学療法を中心とする対症治療も確立された。))、世界保健機構は1980年のソマリアを最後に天然痘の根絶を宣言した((1977年に自然感染した最後の患者が確認され、その後3年間、新規の患者が出なかったことで「根絶」となった。))。~
しかし根絶したのは自然界からであり((現在、天然痘ウィルスはアメリカ疾病予防管理センター(CDC)及びロシア国立ウィルス学・バイオテクノロジー研究センター(VECTOR)の2ヶ所で厳重に管理され、非公開となっている。))、旧ソ連で[[生物兵器]]用に培養されていた天然痘ウィルスが、ソ連解体に伴い行方がわからなくなっていると言う噂があり、また、各国の[[軍隊]]が防疫・研究目的で極秘裏に保有しているとも言われている((そうしたところから、現在でも[[軍隊]]（[[自衛隊]]も含む）が海外派遣される際には将兵に対して種痘が行われることがある。))。~
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感染経路は主に飛沫と接触。潜伏期間は1〜2週間。~
発症初期の2〜3日ほどは40℃前後の高熱、咳、頭痛など風邪に近い自覚症状を発する。~
その後症状は一時改善するが、顔や全身に醜い水疱が出現。この時の痕は完治しない。~
7日〜9日目に再び高熱を発し、また水疱が内臓にも生じる。~
致死率は30〜50％。死に至る事例の多くは肺の損傷による呼吸不全が直接の死因となる。~
発症後に有効な治療法は存在しないが、発症後2〜3週間生存すれば免疫抗体により完治する。~
免疫抗体は生涯に渡って維持され、一生の間に二度罹患する事はまずない。
1798年にイギリスのエドワード・ジェンナーが天然痘ワクチンを開発している((人間にはほとんど症状の出ない牛痘ウィルスを用いる「種痘」と呼ばれる方法で、天然痘ウィルスが調達不可能な現代でも製造可能である。))。~
現代では対症療法も確立しており、感染後４日以内に適切な治療を受けられれば確実に助かる。~
1958年からは世界保健機関で「世界天然痘根絶計画」が開始され、1980年に完遂。~
1977年以降に新たな患者が世界で一例も確認されなかった事実をもって「根絶」が宣言された。~
現在では自然界に天然痘ウィルスは存在しないものとされている。
ただし、研究所・医療機関では今も天然痘ウィルスが培養・保存されている((アメリカ疾病予防管理センター、及びロシア国立ウィルス学・バイオテクノロジー研究センターが保管の事実を公表している。どちらも非公開、持ち出し厳禁である。))。~
旧ソ連で[[生物兵器]]用に培養された天然痘ウィルスが流出したという真偽不明の報告もある。~
[[生物兵器]]として秘密裏に天然痘ウィルスを保有している疑いのある[[軍隊]]・研究機関も数多い。~
また、天然痘がほぼ根絶された1976年以降、天然痘の予防接種は行われていない。~
予防接種による免疫は5〜10年で消失するため、天然痘の免疫を持つ人間は今では皆無に近い。~
そのため、[[生物兵器]]として[[テロ>テロリズム]]に使用された場合には甚大な被害が予想される。~
現代でも[[軍隊]]が海外派遣される際には将兵に天然痘ワクチンが投与される事がある。~
関連：[[NBC兵器]] [[大量破壊兵器]]
**テロの危険 [#w4bec7b7]
上述のように、天然痘は自然界から根絶されたため、それ以後に予防接種を受けた者はおらず、また、予防接種を受けていても免疫の持続期間は5〜10年間と言われているため、現在、免疫を持っている人はほとんどいなくなっている。~
そのため、[[生物兵器]]として[[テロ>テロリズム]]に使用されれば甚大な被害が起きるであろうと予測されている。~
