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*&ruby(しょうどさくせん){【焦土作戦】}; [#u2df8381] 侵略を受けた国が、敵国に自国のインフラの使用される事を防ぐために、軍需物資集積所から、道路、橋梁、鉄道、そして国民の家屋や、備蓄の食糧に至るまで破壊した上で自国領奥部へ撤退し、敵国の兵站に大きな負担を強いる作戦。 [[領土]]を放棄して[[撤退]]する際、その土地で活用可能な資源をことごとく破壊して焦土に変える事。~ 主要な手段としては以下のようなものがあるが、その一部だけに限定するのではなく、政治経済や作戦上の制約として許される全てを同時に実施しようとするのが特徴。 -[[鹵獲]]を防ぐため、[[撤退]]時に輸送できない装備・施設・設備を全て破壊する。 -食料品・生活必需品を全て焼却する。 -[[飛行場]]を破壊して[[航空機]]の離着陸を不可能にし、港湾設備を破壊して[[艦艇]]を停泊できなくする。 -敵を通行させないために道路・[[線路>鉄道]]を破壊する。~ 橋やトンネルを崩落させる事が多い。 -食料を現地調達させないために田畑を焼き払う。 -宿舎などの軍事施設として利用させないために家屋を破壊・焼却する。 -[[燃料]](石油資源)を調達させないために油田に放火する。 -木材の調達や食料調達(狩り・採集)を行えないように森林火災を引き起こす。 -水源に毒物を投げ込んで汚染させるか、上下水道の設備を破壊する。 -都市の復興を妨げるために現地住民を虐殺する。 -経済基盤を破壊した上で住民をそのまま取り残し、失職した難民を敵国に養わせる。 -[[スパイ]]による扇動などを用いて治安を崩壊させる。 -[[部隊]]の[[撤退]]を許可せず、あえて敵中に孤立させて[[全滅]]するか友軍が奪還するまで戦わせ続ける。 一般に、文字通りの意味で完全に破壊できるような時間的余裕はないし、また大抵の国家はそこまで徹底的な決断を行えない。~ 根本的に、焦土になるのは自国の主張する[[領土]]で、そこで破壊されるのは自国の収入源であり、ひいては確実に国家と政府の信用を失墜させる(一部は明らかに戦争犯罪である)。~ このため、焦土作戦が展開されるのは原則として[[国家総力戦]]に持ち込まれ、国家自体が存亡の危機に陥った場合、または極度に専制的な独裁政権による[[紛争]]のみに限られる。~ ~ しかし、そのような末期的な国家状況にあっても焦土作戦のために全てを破壊する事はないし、そのような事はあまりにも困難であり現実的ではない。~ 戦場が完全に何もない焦土と化していた場合、そうなった原因は焦土作戦そのものではなく、戦争以前の段階における悪政・災害・[[内部紛争>クーデター]]である可能性が高い。