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*&ruby(こうど){【高度】}; [#s5fef143] 高さ。 ~ 海面を基準とした海抜高度と、鉛直方向の地上との距離である対地高度がある。 ~ 地球上のある一点から見て重力方向(『上下』)にどれだけ離れているかを示す指標。 ~ ~ [[航空機]]における高度の重要性というのは2つある。 ~ まず[[戦闘機]]同士の空中戦において、機体の[[運動エネルギー]]は[[位置エネルギー]]に置き換えて蓄えることができる。 ~ つまり速度を落としたい時は高度を上げ、再び速度を上げたい時に高度を下げることで速度を回復させることができるということであり、[[空中機動>マニューバー]]ではこの「[[運動エネルギー]]⇔[[位置エネルギー]]」の考え方は基本的なものである。 ~ また、[[攻撃機]]や[[爆撃機]]などのように戦闘能力が低いかそれを有しない航空機が、[[迎撃戦闘機]]から身を守るための手段として高高度を飛行するという方法がある。~ ~ [[大東亜戦争]]中、高高度を飛来してくる[[B-29]]に[[日本軍]]機が歯が立たなかったのは、日本側にそれだけの高度に上昇できる機体がほとんどなかったからであるが、近年は[[地対空ミサイル]]などの発達により、一概にそうとは言えなくなっている。 [[航空機]]は原則として一定以上の高度を保って飛行する事を要求される。~ 高度が低いほど落下までの所用時間、即ちトラブル発生から[[墜落]]までの時間的猶予が低下するためである。~ また、あまりに高度が低いと[[バードストライク]]や乱気流などの危険を無視できなくなる。~ さらに、航路によっては高度1000m以上を循環する[[ジェット気流]]を利用して大幅な加速が可能である。 加えて、機体の高度は[[位置エネルギー]]として加速に用いる事ができる。 ~ [[戦闘機]]は緊急時の[[空中機動>マニューバー]]において急降下による加速を多用する。 加えて、機体の高度は迎撃に必要な[[高射砲]]の[[有効射程]]にも直結する。~ 重力の性質上、武器は下から撃ち上げるより、上から撃ち降ろす方が格段に容易である。~ 従って、対空砲火が対応可能な限界を越える高度に到達すれば、後は一方的な[[アウトレンジ]]が成立する。~ [[迎撃戦闘機]]も、制限時間内に[[有効射程圏>有効射程]]まで上昇できなければ事実上無力である。 >ただし、[[地対空ミサイル]]を無力化できる高度まで上昇するのはあまり現実的でない。~ **類義語 [#pcfdf65b] :''海抜高度''|海面の高さ(海抜)を基準とする高度。 :''対地高度''|真下にある地面を基準とする高度。[[航空機]]の場合は移動に伴って基準点が変化する。