【ヴィーゼル】(うぃーぜる)

Wiesel(ヴィーゼル)

ドイツ連邦軍(陸軍)が現在使用している小型装軌車両。
空挺部隊に配備されていた「クラカ」汎用装輪式車両の後継として、1970年代にポルシェ社の手で開発が開始され、1984年に量産が開始された。
なお、ドイツ陸軍では空挺部隊のほか、軽装備の山岳部隊や軽歩兵部隊にも配備している。
生産開始時期によって「ヴィーゼル1」と「ヴィーゼル2」に分けられ、1989年から1992年までに生産され、転輪数が3つのものがヴィーゼル1、1985年から現在まで生産されている転輪数が4つのものがヴィーゼル2である
空挺部隊向けなので車体が小さく、展開能力に優れているのが最大の特徴で、大型の輸送機なら3〜6両、CH-47及びCH-53大型ヘリコプターなら2両が搭載できる。
装甲は7.62mm徹甲弾の直撃と榴弾の破片程度まで耐えられる。

エンジンは、フォルクス・ヴァーゲン社製直列5気筒液冷ターボチャージド・ディーゼルエンジン(出力87hp)が搭載されており、出力/重量比はレオパルト2M1エイブラムズなどの西側第3世代MBTと同等である。
また、エンジンの最大回転数は4,500rpmと高く、これで伝達トルクを小さくすることによってパワー・トレインの軽量化を図っている。

バリエーションも豊富で、ヴィーゼル1にはFN MAG?ブローニングM2を搭載したフランスSAMM社製BTM208銃塔や、「マルダー」歩兵戦闘車や「ルクス」装甲偵察車の主砲にも採用されているラインメタル社製Mk20 Rh202 20mm機関砲を装備するKUKA社製E6II-A 1名用砲塔を搭載した偵察型、HOT対戦車ミサイルやTOW対戦車ミサイル発射機を搭載した戦車駆逐車型などがあり、ヴィーゼル2にはラインメタル社製120mm迫撃砲を搭載した自走迫撃砲型やASRAD?(Atlas Short Range Air Defence System=アトラス短射程防空システム)を搭載した型、スティンガー4連装地対空ミサイル発射機を搭載した自走対空車両「オツェロット」があり、この他にも射撃指揮車型や貨物輸送車型、野戦救急車型などがある。


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