【ナブスター】(なぶすたー)

NAVSTAR.
GPS(全地球測位装置)の根幹を構成する航法支援用の人工衛星。
俗に「GPS衛星」とも呼ばれる。
衛星の運用はアメリカ合衆国沿岸警備隊(U.S.Coast Guard)が行っている。

この衛星には「原子時計」と呼ばれる非常に高精度の時計(誤差は数万年に±1秒程度)が搭載されており、これをもとに生成された時間情報や、衛星自身が現在飛行中の軌道データが30秒周期で電波に乗せて送信される。*1

衛星は、(遮蔽物が何もなければ)地球上のどの地域から見ても6基以上が同時に見えるように計算された軌道*2を飛行しており*3、地上の受信機では、複数の衛星から送信されてきたデータを計算することで自らの三次元位置を知ることができるようになっている。

また、この他にも地表や空中で起きた核爆発を探知する機能も実装されている。


現在、地球を取り巻く衛星軌道上に31基*4が投入されているが、耐用年数(約7年半)の切れた衛星を補充するため、毎年、新しい衛星が打ち上げられている。


*1 余談ながら、この衛星から送信される時刻データはネットワークに接続された機器の時刻を同期させる基準としても用いられている。Wikipediaの当該項目の記事
*2 高度20,200km、軌道傾斜角55度、周期12時間の軌道である。
*3 日本列島付近では概ね10基前後が同時に見えるという。
*4 24基で地球上の全域をカバーする。残る7基は予備機として本来の軌道とは別の軌道に置かれ、衛星の故障に備えている。

トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS