*&ruby(とーねーど){【トーネード】}; [#t494ffda]
Tornado.~
竜巻(原義)。~
~
下記の通り、欧米で[[軍用機]]の名前としていくつか採用されている。~

**英国(第二次世界大戦期・試作戦闘機) [#w25802d5]
Hawker Tornado.~
~
イギリスのホーカー社が開発した試作[[戦闘機]]。~
英航空省の仕様F18/37に基づき計画された、[[ホーカー・タイフーン]]の兄弟機種にあたる。~
[[タイフーン>ホーカー・タイフーン]]がネイピア社製のセイバーエンジンを搭載した(F18/37N)のに対し、本機はRR・ヴァルチャーエンジンを搭載すべく計画された(F18/37R)。~
[[タイフーン>ホーカー・タイフーン]]同様[[エンジン]]や機体の問題により生産が休止されたが、ヴァルチャーは信頼性回復後も性能面で見劣りしたため、本機は量産・実用化されず、原型機3機のみの生産に終わった。~
なお、3機製作された原型機のうち3号機には、後にセントーラスエンジンと新型プロペラのテストベッドとして使用されており、 [[テンペストMk.2>テンペスト]]の原型とも言える機体となっている。~
~
|>|CENTER:''スペックデータ''|
|乗員|[[パイロット]]1名|
|全長|10.01m|
|全高|4.47m|
|翼幅|12.78m|
|主翼面積|26.3|
|空虚重量|3,800kg|
|全備重量|4,318kg|
|最大離陸重量|4,839kg|
|最高速度|641km/h(高度7,100m)|
|上昇限度|10,640m|
|航続距離|N/A|
|巡航速度|N/A|
|発動機|ロールスロイス ヴァルチャーII 液冷X型24気筒(1,750馬力)×1基&br;(後にヴァルチャーV(1,980馬力)×1基へ換装)|
|武装|ブローニング 7.7mm機銃×12門&br;(2号機以降はイスパノスイザ 20mm機関砲×4門)|
|総生産数|3機|

**アメリカ(爆撃機) [#fd675bd3]
North American B-45 Tornado.~
~
1946年に[[アメリカ陸軍航空隊>USAAF]]に採用されたジェット[[爆撃機]]。~
[[B-47]]の登場により、生産は143機にとどまった。~
~
1950年の[[朝鮮戦争]]でも投入されたが、1959年に退役。~

**欧州合同(マルチロールファイター) [#wbff807c]
PANAVIA 200 MRCA Tornado.~

[[ワルシャワ条約機構]]軍の脅威に対抗するため、イギリス・西ドイツ・イタリアの三カ国が共同開発した((計画当初はオランダも参加していたが、途中で脱退している。))[[多目的戦術機>マルチロールファイター]](MRCA: Multi Role Combat Aircraft)。~
共同で機体開発をするため合弁のパナビア社が、同じく[[エンジン]]開発のためターボユニオン社が設立された。~
原型機の初飛行はP.01(西ドイツ)が1974年8月14日、P.02(イギリス) が1974年10月30日、P.05(イタリア)が1975年12月5日。~
~
高度な[[アビオニクス]]を操るため複座型のみの生産となり、長い[[航続距離]]や[[STOL]]性能が要求されたために[[可変後退翼]]や近代多用途機には珍しい[[スラストリバーサー>逆噴射装置]]を装備するという、小型機としては異例の設計となった。~
当初は共通の機体を設計して装備変更により各種任務へ対応する計画だったが、これは実現せず、任務別に大別して三種類の機体が存在する。~
~
なお、イギリス空軍は2019年までにトーネードを全機退役させ、戦術戦闘機を[[タイフーン>ユーロファイター・タイフーン]]と[[F-35B>F-35]]に置き換える計画を発表している。~
~
#ref(tornado.jpg)
Tornado F3~
Photo: Royal Airforce~
~
|>|>|CENTER:''スペックデータ''|
|タイプ|CENTER:トーネードIDS/GR.4|CENTER:トーネードADV/F.3|
|乗員|>|CENTER:2名(操縦士、兵装管制官)|
|全長|16.72m|18.68m|
|全高|>|CENTER:5.95m|
|翼幅|13.91m(主翼最大展開([[後退角]]25度)時))|13.91m(主翼最大展開(後退角25度)時)&br;8.60m([[後退角]]67度)|
|翼面積|26.6屐文綢牾25度)|30屐兵舁禳蚤臈験(後退角25度)時)|
|空虚重量|14,090kg|14,500kg|
|戦闘重量|>|CENTER:21,500kg|
|最大離陸重量|>|CENTER:27,986kg|
|[[エンジン]]|>|CENTER:[[ターボファン]]×2基|
|~|ターボ・ユニオン RB199-34R&br;([[推力]]38,7kN/66 kN([[リヒート>アフターバーナー]]使用時))|22号機まで:&br;ターボユニオン RB-199-34R MK-103&br;(推力40.5kN/71.2kN([[リヒート]]使用時)&br;23号機以降:&br;ターボユニオン RB-199-34R MK-104&br;(推力40.5kN/73.5kN([[リヒート]]使用時)|
|内部燃料搭載量|>|CENTER:6,350kg|
|最大速度|>|CENTER:[[マッハ]]2.2|
|[[航続距離]]|3,895km(フェリー飛行時、2,105海里)&br;2,780km(1,500海里)|-|
|実用上昇限度|15,240m|21,335m|
|[[戦闘行動半径]]|-|300nm([[超音速]]迎撃)&br;1,000nm+([[亜音速]]迎撃)|
|固定武装|>|CENTER:[[マウザーBK27 27mm機関砲>BK27]](装弾数125発)×2門|
|>|>|CENTER:兵装|
|最大兵装搭載量|胴体下及び翼下の[[ハードポイント]]に&br;最大9,000kgまで|翼下及び胴体下に&br;最大8,500kgまで|
|[[AAM>空対空ミサイル]]|[[AIM-9]]&br;[[IRIS-T]]&br;[[AIM-132 ASRAAM>ASRAAM]]|[[AIM-9]]&br;[[AIM-132 ASRAAM>ASRAAM]]&br;[[スカイフラッシュ]]&br;[[AIM-120 AMRAAM>AIM-120]]|
|[[ASM>空対艦ミサイル]]|ワスプ&br;シーイーグル&br;AS.34 コルモラン|-|
|[[AGM>空対地ミサイル]]|ブリムストーン&br;ストームシャドウ&br;[[AGM-65]]&br;タウルス KEPD350|-|
|[[ARM>対レーダーミサイル]]|ALARM&br;[[AGM-88 HARM>AGM-88]]|ALRAM(EF.3)|
|爆弾|[[JDAM]]&br;HOPE/HOSBO [[GPS>全地球測位装置]]/[[INS>慣性航法装置]]誘導爆弾&br;JP233[[ボムレット・ディスペンサー]]&br;MW-1ボムレット・ディスペンサー&br;BL755[[クラスター爆弾]]&br;[[ペイブウェイ]]シリーズ&br;通常爆弾&br;B61・WE.177自由落下型戦術核爆弾|-|
|ポッド/増槽類|ECMポッド&br;AN/AAQ-28(V) LITENING ターゲッティングポッド&br;TIALD((Thermal Imaging Airborne Laser Designator.))ポッド&br;[[増槽]]等|AR123246/1「スカイシャドウ」[[ECM]]ポッド&br;BOZ100[[チャフ]]/[[フレア]]・ディスペンサー&br;[[増槽]]|
~
***派生型 [#e108d9a5]
-トーネードIDS:~
基本型で多用途攻撃機型。~
固定武装として[[マウザー]][[BK27]] 27mm[[機関砲]]を二門備える。~
敵の地上部隊・前線基地・[[後方支援>兵站]]・[[艦艇]]などに打撃を与えるため開発された。~
[[慣性航法装置]]と[[ドップラーレーダー]]の組み合わせにより、高精度の自律航法が可能である。~
また、敵の[[レーダー]]網をかいくぐるため[[地形追随飛行]]能力を持つ。~
エンジンには長距離侵攻のために燃費の優れるRB199[[ターボファン]]が設計され、双発で装備された。~
対空砲火を避けるためきわめて小型の機体設計となり、低空での安定性を重視して翼面荷重や[[垂直尾翼]]面積は大きく設計された。~
しかし[[湾岸戦争]]ではこの戦術が仇となり、複数の機体が無照準対空砲火の犠牲となった((ただし湾岸戦争全体を通して見た場合、本機がもっとも被害の少なかった機種とも言われている。))。~
[[地形追随飛行]]による[[滑走路]]破壊任務が終了した後、高空からの[[レーザー誘導爆弾]]による攻撃任務では高い戦果を挙げた((この際は低空での運動性に優れる[[バッカニア]]がレーザー照準を担当しており、こちらもやはり被害が発生している。))。~
~
--トーネードECR:~
[[ドイツ空軍>ルフトバッフェ]]・イタリア空軍で使用されている[[電子戦闘偵察>電子戦機]]型。~
電子戦闘偵察と謳っているが、実際の主任務は[[敵防空網制圧]]である。~
固定武装を廃し、レーダー攻撃用の[[AGM-88 HARM>AGM-88]]と自衛用の[[AIM-9]]、[[ECM]][[ポッド]]などを装備する。~
なお、相違点としてはイタリア空軍のECRは赤外線画像システムを搭載しているのに対して、ドイツ空軍のECRはSEAD任務に徹するため搭載していない点である。~
~
--トーネードRECCE:~
ドイツ空軍が開発した偵察機型。~
偵察ポッドを搭載。~
~
-トーネードADV:~
IDSをベースに開発された防空・[[要撃]]戦闘機([[全天候戦闘機]])型。~
イギリスが[[ライトニング]]と[[ファントムFGR.2>F-4]]の後継として独自開発した。~
[[戦闘空中哨戒]]や[[要撃]]などの任務に対応するため、大幅な設計変更がなされた。~
空中戦に対応するため、AI.24「フォックスハンター」[[パルスドップラーレーダー]]の装備、空力特性の改善、[[エンジン]]の強化、[[可変後退翼]]の自動化などをおこなった。~
滞空時間を延長するため、胴体を延長して燃料タンクを増設し、左舷の機関砲を外して空中給油用の引込式[[プローブ]]を装備した。~
固定武装は[[BK27]]が1門のみで、胴体下に[[スカイフラッシュ]]や[[AIM-9]]といった[[空対空ミサイル]]を装備する。~
英空軍の他、サウジアラビア空軍に24機が輸出・運用され、イタリア空軍も1993年から2003年まで24機をリースで使用していた。~
~
日本のFSXに提案された型がこのADVで、ADVの長い胴体で燃料容量と兵装搭載スペースを確保した上で、この機のファイアフォックスレーダーにIDSの対地攻撃能力を付与する案であった。~
一時は日本の[[FX]](次期主力戦闘機)の母機としてイギリスから提案があったが、[[F-15J/DJ>F-15]]が採用されたため、実現しなかった。~
~
長らく西欧の防衛を担ってきたが、[[ユーロファイター・タイフーン]]に更新され、イギリス空軍では2011年3月に最後の運用部隊が解散し、退役した。~
~
***イギリス空軍向け [#u3bc4349]
-トーネードGR.1:~
イギリス空軍向け攻撃機型。~
基本はIDSと同様だが、レーザー測距・目標指示装置(LRMTS:Laser Range Finder and Marked Target Seeker)が装備されている。~
後に[[ALARM]][[対レーダーミサイル]]を使用できるように改修され、[[敵防空網制圧]]も任務となった。~
~
--トーネードGR.1A:~
GR.1の偵察機改修型。~
[[機関砲]]を2門から1門に減らし、その箇所にTIRRS((Tornado Infra-Red Reconnaissance System.))とIRLS((Infra-Red LineScan.))を装備した。~
~
--トーネードGR.1B:~
[[バッカニア]]の後継として配備された対艦攻撃型。~
~
--トーネードGR.4/GR.4A:~
MLU(Mid-Life Update)改修型。~
電子機器や兵装システムが一新され、[[GPS>全地球測位装置]]の受信能力が備えられた他、広角[[ヘッドアップディスプレイ>HUD]]、[[FLIR]]、暗視ゴーグルなども追加装備された。~
この改修により夜間攻撃能力が向上したほか、レーダーに依存しない航法能力を獲得した。~
~
-トーネードF.2:~
要撃戦闘機型の初期型。~
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--トーネードF.2A:~
F.2の電子機器をF.3と同等にした型。~
~
-トーネードF.3:~
エンジンと電子機器を変更した改良型。~
~
--トーネードEF.3:~
F.3にALARM[[対レーダーミサイル]]を搭載し、[[SEAD>敵防空網制圧]]能力を付与した型。~
~

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