【Mk.32】 †
- アメリカ海軍が開発した口径324mm・3連装の水上艦搭載用魚雷発射管。
Mk.44短魚雷とともに1959年から配備が開始され、ファラガット級?嚮導ミサイルフリゲート以降の建造艦に搭載された。
軽量化を重視してガラス繊維強化プラスチック製となっており、また、水密構造によって内部の魚雷を波浪より保護している。
アメリカ海軍のほか、日本の海上自衛隊をはじめとして、西側諸国の海軍で広く使用されており、標準的な対潜兵装である。
後にMk.46?短魚雷も使われるようになり、さらにMk.50?やMk.54?短魚雷にも対応した。
日本では「68式3連装短魚雷発射管」としてライセンス生産されており、汎用護衛艦などに搭載されている。
主な搭載艦 |
Mk.32 |
アメリカ | 原子力ミサイル巡洋艦「ロングビーチ」 原子力ミサイル巡洋艦「ベインブリッジ」 原子力ミサイル巡洋艦「トラクスタン」 カリフォルニア級原子力ミサイル巡洋艦 バージニア級原子力ミサイル巡洋艦? オールバニ級ミサイル巡洋艦 リーヒ級ミサイル巡洋艦 ベルナップ級ミサイル巡洋艦 タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦 チャールズ・F・アダムズ級ミサイル駆逐艦 キッド級ミサイル駆逐艦 アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦 フレッチャー級駆逐艦(FRAM-II改装適用艦に後日装備) アレン・M・サムナー級駆逐艦(FRAM-II改装適用艦に後日装備) ギアリング級駆逐艦(FRAM-I改装およびFRAM-II改装適用艦に後日装備) ファラガット級駆逐艦 フォレスト・シャーマン級駆逐艦 ミッチャー級駆逐艦 スプルーアンス級駆逐艦 オリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート ブルック級ミサイルフリゲート ブロンシュタイン級フリゲート ガーシア級フリゲート ノックス級フリゲート(固定式発射管) |
イギリス | シェフィールド級(42型)駆逐艦 アマゾン級(21型)フリゲート ブロードソード/ボクサー/コーンウォール級(22型)フリゲート |
イスラエル | サール5型コルベット |
イタリア | インパヴィド級駆逐艦 アウダーチェ級駆逐艦 デ・ラ・ペンネ級駆逐艦 |
オーストラリア | パース級駆逐艦 ホバート級駆逐艦 アデレート級フリゲート(米O・H・ペリー級) アンザック級フリゲート(MEKO 200 ANZAC型) |
ニュージーランド | リアンダー級フリゲート |
オランダ | コルテノール級フリゲート カレル・ドールマン級フリゲート デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン級フリゲート |
カナダ | アナポリス級駆逐艦 イロクォイ級ミサイル駆逐艦 ハリファックス級フリゲート |
ギリシャ | エリ級フリゲート イドラ級フリゲート(MEKO 200 HN型) |
韓国 | 忠北級駆逐艦 広開土大王級駆逐艦 李舜臣級駆逐艦 世宗大王級駆逐艦 |
スペイン | バレアレス級フリゲート サンタ・マリア級フリゲート(米O・H・ペリー級) アルバロ・デ・バサン級フリゲート デスクビエルタ級コルベット |
ポルトガル | ジョアン・ベーロ級フリゲート バッティスタ・デ・アンドラーデ級コルベット(後日撤去) ヴァスコ・ダ・ガマ級フリゲート(MEKO 200 PN型) |
中華民国 (台湾) | 富陽級駆逐艦 基隆級駆逐艦 済陽級フリゲート 成功級フリゲート(米O・H・ペリー級) 康定級フリゲート |
ドイツ | リュッチェンス級駆逐艦 ブレーメン級フリゲート ブランデンブルク級フリゲート ザクセン級フリゲート(F124型) |
トルコ | ヤウズ級フリゲート(MEKO 200 TN型) バルバロス級フリゲート(MEKO 200 TN-IIA型) サーヒリレイス級フリゲート(MEKO 200 TN-IIB型) G級フリゲート(米O・H・ペリー級) |
- バリエーション(68式3連装短魚雷発射管)
- HOS-301:
初期型。
- HOS-302:
改良型。あさぎり型汎用護衛艦から搭載。
こんごう型搭載モデルから、艦内からの遠隔操作によって発射が可能になっている。
- HOS-302A:
使用魚雷の変更による改良型。むらさめ型汎用護衛艦から搭載。
- HOS-303:
97式短魚雷?と12式短魚雷?の運用が可能となった型。
ひゅうが型ヘリコプター護衛艦以降の建造艦に搭載。
- アメリカで開発された対潜短魚雷(LWT)。
アメリカ海軍初のアクティブ音響誘導式魚雷である。
第二次世界大戦中にドイツ海軍・大日本帝国海軍の潜水艦への対抗として開発されたが、10発が生産されたのみであった。
戦後は冷戦初期にソ連海軍の潜水艦に対する切り札として3,300発が生産された。
後継としてはMk.44?が開発されている。
スペックデータ |
全長 | 2.1m |
重量 | 320kg |
直径 | 483mm |
弾頭 | HBX爆薬?(49kg) |
機関 | 電動機式 |
速度 | 12ノット |
誘導方式 | アクティブ音響誘導? |
発射プラットフォーム | 艦船・航空機 |
投射装置 | Mk.2落射機 |
主な搭載艦 |
アメリカ | フレッチャー級駆逐艦(1952年度計画で本級のうち39隻に搭載) |
カナダ | レスティゴーシュ級駆逐艦(新規建造時。IRE/DELEX改修でMk.32短魚雷発射管に換装) |
日本 (海上自衛隊) | ありあけ型護衛艦(特別改装後) あやなみ型護衛艦(後に68式3連装短魚雷発射管に換装) あきづき型護衛艦(初代)(後日、68式3連装短魚雷発射管に換装) ミサイル護衛艦「あまつかぜ」(後に対潜戦能力向上改修で68式3連装短魚雷発射管に換装) いすず型護衛艦(DE-211「いすず」とDE-212「もがみ」のみ*1) はるかぜ型護衛艦(特別改装後) むらさめ型護衛艦(初代) みずとり型駆潜艇(PC-311「みずとり」〜PC-315「はつかり」まで) 訓練支援艦「あづま」 |
スペイン | オケンド級駆逐艦(1番艦のみ。2番・3番艦はMk.32 3連装短魚雷発射管を装備) リニエルス級駆逐艦(近代化改修(高速対潜フリゲート)後) アウダス級駆逐艦(同上) ピサロ級砲艦(F41「ビセンテ・ヤーニェス・ピンソン」・F42「レガスピ」(いずれも近代化改装後)) |
DE-213「きたかみ」以降は68式3連装短魚雷発射管(1.のライセンス生産)を搭載。